Erbarme Dichの名唱2本
タルコフスキーの映画「サクリファイス」に使われて一気に知名度を増した感の強いマタイ受難曲中の白眉、Erbarme Dichについては数日前に取り上げましたが、古い映像で素晴らしいものがありましたので、その2本を中心に上げておきます。戦時中のメンゲルベルクの演奏では、聴衆のすすり泣きが聞こえると言われたマタイ中屈指の絶唱です。
今まで感涙に咽んだ音楽は洋の東西問わず色々ありましたが、J.S.バッハの曲が一番多いように思います。シャコンヌのアルペジオ部分、無伴奏チェロ組曲5番のジーグ、フーガの技法の最終コントラプンクトゥスのB-A-C-Hの音形が出てくる辺り(ヘルムート・ヴァルヒャのオルガン独奏)、そしてこのマタイ受難曲の最終コラール(飽くまで全曲聴いた上でですが)でしょうか。私の場合、Erbarme Dichではなかったのですが。ヴィンシャーマンのライヴを聞いた後、どうやってホールから出ようか困った程でした(^^;(笑) その位に心の底から揺さぶられる音楽だということが、youtubeからでもお分かり頂けましたら嬉しい限りです。
Contralto Eula Beal sings Bach's "Erbarme Dich"
何と名ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインが伴奏しています。少し固いような気もしますが、これは貴重な映像です! アルト歌手はユーラ・ビールと読まれるようです。歌詞はドイツ語ではなく、英語でしょうか?
Bach - Erbarme dich - karajan- Kathleen Ferrier
41歳の若さで亡くなった往年のイギリスの名アルト、カスリーン・フェリアーによるErbarme Dich。指揮は説明不要の大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン。彼女の歌ったブラームスのアルト・ラプソディやマーラーの歌曲、「大地の歌」なども絶品でした。
Bach - St. Matthew Passion BWV 244 (Karl Richter, 1971) - 21/22
再びカール・リヒターの映像から、マタイの終盤(イエスの死の後)で出てくるバスのアリア「おのが心を墓として」。これも極めて感動的な一曲です。
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