アトス山のイースター
さて、キリストの受難(死)から三日目の今日4日は、いよいよ復活祭(イースター)です。これまた色々なキリスト教諸派で映像が沢山あると思いますが、今日はギリシア正教の聖域として有名なアトス山の典礼の音楽に行ってみます。アトスは女人禁制の聖域として有名で、録音はLPの頃にドイツのArchiv(ドイツ・グラモフォン系列)から、「アトスのイースター」というアルバムが出ていました。確かCD化はされてなかったように思いましたが。日本仏教で喩えるなら、高野山のような所と言えば近いでしょうか。
その典礼聖歌の壮麗かつ厳粛、しかし何処か地中海的な乾いた風を感じさせる歌には、いわゆるステレオタイプの西洋的でない響きが感じられると思います。コルシカやサルディニアなどのポリフォニーとの関連もありそうな気もします。なお、正教会では「イースター」よりも「パスハ」という呼名が好まれるようですが、これはユダヤ教のペサハが語源。
ギリシア正教は東方教会の一つで、ロシア正教やブルガリア正教、ルーマニア正教などはその傘下に入ると思います。ロシア文字がギリシア文字を基にして作られたのもそのためです。蛇足ながらキリスト教は、大きく分けて、ローマ・カトリック、プロテスタントと東方諸教会となっています。キリスト教の母胎であるユダヤ教では、クリスマスに対応(対抗?)するようにハヌカーがあったように、イースターに対して、ほぼ同時期にペサハ(過ぎ越しの祭)があります。ペサハについても、また後日取り上げられたらと思います。
Pasxa at Mount Athos
Mount Athos 1
アトスについてのドキュメンタリー。音が大きいのでご注意を。
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