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2010年5月

2010年5月31日 (月)

ウーゾの歌

今日は月末でちょっと疲れましたので、ギリシアの酒ウーゾ(またはウゾ)の歌を。ハリス・アレクシーウのyoutubeがありましたので(笑)
この酒を最初に飲んだのは、82年頃の羅宇屋(吉祥寺にあった民族音楽ライブハウス)でだったと思います。水を入れると白濁するリキュールで、独特な甘い芳香は好き嫌いはっきり分かれそうです。ハミガキコみたいとの形容をよく耳にしましたが、私の場合は最初から非常にお気に入りの酒になりました。原料は葡萄、アニス、ウイキョウ等で、トルコのラク(ラキ)も大体同じです。ウイキョウなどのハーブが使われていますから、ほどほどに飲む分には体にも良いのでは。ギリシアとトルコは音楽だけでなく、酒も共通しています。
では、関東にいた頃に手に入れたウーゾがまだ残ってますので、これからちょいと頂きます(^-^)

Ouzo otan pieis - Haris Alexiou

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2010年5月30日 (日)

アレクシーウのΑερόπλανο θα πάρω他

引き続きアレクシーウ&ダラーラスのコンビでレベティカ中心に探してみました。彼女のyoutubeは現代的なポップスが多いので、なかなか難儀な捜索になりました(笑) 例の2枚組Ta Tsilika収録の曲もありました。ギリシアらしさが濃厚に感じられるレベティカと、民謡、フォークソングを並べてみました。こうして並べてみると、その違いは歴然としてくると思います。レベティカとライカ(レベティカ直系の歌謡)の違いはかなり微妙な部分があってよく分からないことが多いですが、今日のΑερόπλανο θα πάρωはレベティカになるのでは。
以下のレベティカの解説はこちらより
第一次大戦後、小アジア(トルコ)に住んでいたギリシャ人が難民としてピレウスに流れ着き、アウトローとなった彼らはトルコ語の「浮浪者」を意味するレベティスと呼ばれるように。
レベティス達が暮らす、いわばスラム街となった場所で生まれたのがレベティカで、ギリシャ版のブルースといったところ。トルコの民族音楽がルーツにあり、ブズーキの音色が特徴。

alexiou-aeroplano tha paro

Ta Tsilika(この映像がジャケット)の1枚目の3曲目に入っていたAeroplano Tha Paro

Giorgos Dalaras & Charis Alexiou-Αερόπλανο θα πάρω

同じくAeroplano Tha Paroのライヴ映像。Ta Tsilikaの中で、なぜかこの歌の映像ばかり目立ちます。

G.NTALARAS & H.ALEXIOU live.O Ntervisis kai i Anna.Sep 1983

これはTa Tsilika収録ではなかったと思いますが、こちらもいかにもレベティカ風な一曲。

Perasmenes mou agapes

Old folk songとありますので、レベティカではなく民謡のようです。ダラーラスとアレクシーウの間でブズーキ奏者が大活躍。Old folk song composed by Manolis Hiotis. Firstly sung by him and Mairy Linda. This video is from Tenta, in the concerts on 1984. Dalaras and Alexiou are singing.

Τα τρένα που φύγαν (Μοσχολιού, Αλεξίου, Γαλάνη)

この歌はレベティカではなくフォークソング的ですが、何と女性歌手の大御所Vicky Mosholiou, Haris Alexiou, Dimitra Galaniの三重唱です。これは貴重映像では。

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2010年5月28日 (金)

歌姫 ハリス・アレクシーウ

昨日はうっかり日付を越えてしまったので、28日で2度目のアップです。すっかりギリシアにはまった形になっていますが(笑)、この辺で少し歌謡の方も見ておこうかと思います。まず最初に思い出したのは、やはりハリス・アレクシーウです。誰でも彼でも「~のディーヴァ(歌姫)」と呼んでしまうのはいかがなものかと思っていますが、この人に関しては間違いなくギリシアのディーヴァと呼べると思います。とは言っても最近のポップ路線は個人的には得意ではないのですが、希Minosからの80年代位までのアルバムは好きでよく聞いたものです。特に1stアルバムの「ミクラ・アジア(小アジア) 1972年」から2枚組の「タ・ツィリカ 1983年」の頃が最高で、ジャンルとしてはレベティカ(レンベティカ)~ライカが中心です。アルバムタイトル通り、小アジア(トルコ)にいたギリシア人がオスマン帝国崩壊後ギリシア本土にもたらしたオリエンタル風味とストリート感覚溢れる大衆歌謡で、日本人の耳にはすっと馴染むところがあると思います。ギリシアの演歌のようなジャンルと言えば分かりやすいかも知れません。
アレクシーウの若い頃の歌声は可憐な感じですが、そこにギリシア語のドスの効いたような響きとコブシが混じると得も言われぬ魅力が発生します。忘れられない歌がいくつもありますが、彼女の歌の中ではマイナーな部類に入るのか、すぐにはyoutubeも見つかりません。今日は取り合えず80年代頃の映像を上げておきます。アルバムでも共演が多かった名歌手ヨルゴ・ダラーラスとのライヴ映像がかなりあります。余談ですが、今日ウィキペディアで知りましたが、アレクシーウは世界史(古代ギリシア史)でお馴染みのテーバイ(テーベ)出身でした。

Giorgos Dalaras & Haris Alexiou 1983

Dalaras Alexiou

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クレタとキプロスのシルトス

シルトスとシルタキ(ゾルバを含む)の差は、結局なかなか明瞭に分かりません。ステップにはっきりと違いが出ているのだろうと思いますが、それは体験してみないとリアルには分からないことでは。
今日は各地のシルトスの聞き比べ(見比べ)も一興かと思いまして、調べてみました。ここ数日見てきたクレタ、キプロスのシルトスで、それぞれなかなか良さそうな映像がアップされていました。クレタの方では、例のラウート掻き鳴らしの上で無窮動的にリラが動き回ります。シルトスの踊りでも同じスタイルのようです。
キプロスの方もやはり撥弦と擦弦の組み合わせなのに、雰囲気がかなり違います。クレタがどこか古代ギリシアをストレートに連想させるのに対し、キプロスはどこかエキゾチック。中東への拠点として十字軍が支配していた時期もあった島ですから、重層的な文化のグラデーションを読み取るのも面白いかも知れません。このように、全ギリシアでステップは共通している(らしい)シルトスで見てもカラーの違いが明瞭なのが興味深いところです。

Cretan Syrto (Summer 2005 Papagou, Athens)

STELIOS MPIKAKHS - SYRTOS ( KOITA TI EKANES )

こういう幾分モダンなアプローチも出てきています。でも古風な趣は依然残っています。

ΣΥΡΤΟΣ - ΑΔΟΥΛΩΤΟΙ - ΚΥΠΡΙΑΚΟΣ ΧΟΡΟΣ

こちらはキプロス版シルトス。

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2010年5月26日 (水)

その男ゾルバ

常々思っていたことですが、「日曜はダメよ」に次いで有名なのではと思われるギリシア音楽は「その男ゾルバ」のテーマ曲ではないでしょうか。「アラビアのロレンス」や、フェリーニの「道」などでお馴染みの名優アンソニー・クインが主演で、見なければと思いながらまだでした。この映画の中でクインはゾルバという男性に扮しています。長らく単なる名前と思っていましたが、ゾルバというのはあの映画以来シルタキの代表的な一曲になったようです。テオドラキス作曲のゾルバは、どこまでも陽気で逞しく、アンソニー・クインのイメージと完全にダブります。 21日に取り上げた例のギリシア舞踊のサイトから以下に引用しておきます。
 遅いハサピコスからだんだん速まって、最後に速いハサピコスへと移行する踊りがあります。シルタキ [Sirtaki] と呼ばれるもので、ゾルバはシルタキの代表的なものです。
 速いハサピコス(ハサポセルヴィコス) [Hasaposervikos] は、たいへん古い踊りで、東ローマ帝国時代にすでに踊られていました。その当時は肉屋の組合の踊りであったといいます。(当時はマケラリコス Makellarikosと呼ばれていました)
○ゾルバ [ Zorba ]
 ハサピコスからハサポセルヴィコスに変化する踊りをシルタキといい、シルタキの音楽としてはゾルバが有名です。ゾルバは、映画音楽作曲家のミキス・テオドラキスが、映画「その男ゾルバ」のテーマ曲として作曲しました。映画のヒットとともに音楽もヒットし、現在では、シルタキという踊り自体をゾルバと呼ぶこともあります。

Zorbas Syrtaki

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2010年5月25日 (火)

キプロスのシルトス

クレタのリラの音楽、キプロス島の民族舞踊(ΣΥΡΤΟΣ)に似ているとご指摘がありましたので、早速調べてみましたら、ありました。確かにギリシア本土のシルトスに似ているし、クレタのようなラウート掻き鳴らしも聞けます。しかし、ここで聞く限りは、どこかメロディにエキゾチックで東方的な感じを覚えるのは、中東の民族との接触が多かったからなのでしょうか。クレタの音楽は、エキゾな感じと言うよりは、じりじりと照りつける地中海の日差しそのもののような音楽でした。ミニマル音楽に似た印象を持ってしまうほどの強烈さとでも言えましょうか。ΣΥΡΤΟΣは、古典ギリシア語ではスルトスになりそうですが、Υは現代ギリシア語ではイと読むのですね。キプロスは北部のトルコ系と南部のギリシア系の居住する部分に完全に分断されているようです。この映像も南部のものなのでしょう。

ΣΥΡΤΟΣ

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2010年5月24日 (月)

クレタのリラとラウート

Syrtos Hatzidakisで検索していて、クレタの音楽が出てきました。ハジダキスは作曲家のマノス・ハジダキスではなく、おそらく一本目のリラ奏者かラウート弾き語り歌手の名前(Giorgis Hatzidakis)ではと思われます。最古のギリシア文明の興った島、クレタを筆頭に、島嶼部の音楽は余りトルコ化がされてないように思いますが、いかがでしょうか。そんなギリシア音楽の古層の中に、本土で盛んに踊られている「シルトス」のルーツがあるのでは?、という興味深い検索結果でした。今日まで余り意識してなかったもので、新鮮な驚きを覚えました。確かにギリシア本土のシルトスに似ているように思います。本土の音楽のようなノスタルジックな哀愁味の入り込む余地のない、どこまでも明るく骨太な、地中海的なイメージの音楽です。

Gerasimos Stamatogiannakis

Spiros Sifogiorgakis - Markogiannis - O Faros

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2010年5月23日 (日)

MANOS HADJIDAKIS - SWEET MOVIE

ハジダキスで思い出してしまいました。80年代にカルトな人気を一部で誇っていたドゥシャン・マカヴェイエフ監督のスィート・ムービーの音楽をハジダキスが担当していました。甘く悲痛なキャロル・ロール(主演の女優)の歌う主題歌(今日の一本目)がとても印象的で、シュールな映像と一緒に今でもふと思い出すことがあります(笑) 「日曜はダメよ」から14年経っていますが、全く異なるタイプの随分アヴァンギャルドな映画にも音楽を付けたものだなぁと思います。そこはかとなく漂うギリシア音楽らしい哀感がとても良い味を出していると思います。ギリシアのレーベル、リラからこの映画のサントラが出ていました。

MANOS HADJIDAKIS - SWEET MOVIE

Sweet Movie(1974) , Boat entrance.

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2010年5月21日 (金)

日曜はダメよ

今日のタイトルは、ハジダキスのテーマ曲が今でも広く知られている(と思われる)映画「Never on Sunday」の邦題です。おそらく現在も最も有名なギリシアの歌かも知れません。ギリシア盤でこの映画のサントラや主演のメリナ・メルクーリのアルバムがありました。この曲、昨日の伝統舞踊に当てはめるなら、シルトスになるのでしょうか。
シルトスとシルタキについて、詳しいサイトがありました。Greece 世界の国々の踊り
最初のページに「遅いハサピコスからだんだん速まって、最後に速いハサピコスへと移行する踊りがあります。シルタキ [Sirtaki] と呼ばれるもの~」とあります。一方シルトスは、古代ギリシアにも遡り得る踊りのようです。4拍子系という位で、今ひとつリアルに分かりませんが、まずシルトスがベースにあって、ハサピコなどの踊りが出てきて、その中で昨日のSafti ti Gitoniaのように後半テンポアップするのがシルタキになるようです。

日曜はダメよ

Never on Sunday (日曜はダメよ)

Melina Mercouri - Ta pedia tou Pirea

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2010年5月20日 (木)

例のシルタキ

欧州発経済危機の発火点として昨今ニュースに頻出しているギリシアですが、音楽文化においてとても興味深い所です。何よりも観光立国として知られますが、音楽文化について余り広く知られない内にこんな窮状が伝えられるのは寂しいものです。国名の表記ですが、ペルシャとかギリシャと、崩して書くのが好きではないので、古くからの慣例通り「ペルシア」「ギリシア」に拘っています(笑)
昨日「LPで聞いて以来、耳に残って離れないマノス・ハジダキスのシルトス~」と書きましたが、曲名を入れたらすぐに見つかりました。今日の一本の冒頭に出てくるSafti ti Gitoniaという歌です。シルタキ集の一枚に入っていましたが、元は歌詞付きの曲でした。作曲はハジダキスではなく、テオドラキスでした。ジャンルとしては、レベティカがもっと大衆化したライカになるようです。名女性歌手マリア・ファランドゥーリの名唱がいきなり堪能できる一本でした。彼女はチェ・ゲバラ賛歌の名曲Hasta Siempreなども吹き込んでいて、最近再発された! EL CHE VIVE !に収録されています。
昨日のハサピコはホラやコロと共通する踊りのようです。一方ツィフテテリは、オスマン・トルコ色が濃厚な訳ですから、ギリシアの中に北のバルカンと南のトルコが混在している形になります。そう言えば、ハサピコの踊りは、何処かクレズマー・ダンスにも似ているように思いました。シルタキとシルトス(トルコ古典音楽のシルトに由来するのではと思いますが)について、その差異がよく分りませんので、明日以降また調べてみたいと思います。ギリシア音楽の音源情報はこちら

Farantouri Vintage Selection

5 short clips from the seventies: Safti ti Gitonia from Ta Laika (Theodorakis-Elefteriou), Vegaticiones from Canto General (Theodorakis-Neruda), Antonio el Camborio 2 from Romancero Gitano (Theodorakis-Lorca),a song by Eleni Karaindrou from I megali Agripnia with Nikos Maniatis on guitar and Pandermi from Romancero Gitano

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2010年5月19日 (水)

ΧΑΣΑΠΙΚΟとΤσιφτετέλι

ちょっとブズーキ関係のギリシアの音楽と踊りを見ておきたいと思いますが、これまたLPの頃にギリシア盤で聞いて以来耳に残って離れないマノス・ハジダキスのシルトス(だったと思います)を探してみました。マノス・ハジダキスと言えば、ミキス・テオドラキスと並んで最も有名なギリシアの音楽家でしょう。そしてハジダキスで一番有名なのは、何と言っても「日曜はダメよ」ですが、それはまた後日探してみたいと思います。
で、そのシルトスは今日は見つからずでした。ブズーキが大活躍する舞踊のシルトスやシルタキから行きたかったのですが、少々知名度では落ちる(のではと思われる)ハサピコとツィフテテリから上げておきます。特にハサピコは素晴らしいです。

ΧΑΣΑΠΙΚΟ

ハサピコの踊り。ブズーキの演奏風景がよく見えるのが嬉しい。

Στην υγεία μας - Τσιφτετέλι (Τα χαμοπούλια)

この色っぽい踊りはツィフテテリ。ベリーダンスのレパートリーとしても知られていると思います。ギリシアがオスマン帝国に入っていた頃、小アジアで生まれたようです。

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2010年5月18日 (火)

ブズクとブズーキ

今日はレバノンのブズク(あるいはブソク)と、ギリシアのブズーキの聞き比べをしてみようと思います。酷似する名前の通り明らかな兄弟楽器ですが(「同じ楽器」との解説もよく見かけますがどうなのでしょうか)、先日少し書いたようにブズクではアラブ音楽を表現するためにフレットが細かく付いているように見えます。一方ブズーキが平均率なのかどうか、これもまた不明です。

Arabische Musik : Maqam

これが例のマタル・ムハンマドの独奏を収めたLP。私の手元にあるのと全く同じLPのオランダ・フィリップス原盤(ユネスコ・コレクションの一枚)のようです。youtubeですから音は非常に悪いですが、半分程ここで聞けます。ぱちぱち言っているのは、薪ストーヴでしょうか。

bouzouki

ギリシアのブズーキによるタクシーム。もの凄いテクニックですが、やはりブズクに比べて低音が薄いように思います。

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2010年5月17日 (月)

イッサ他のブズク奏者

ブズクという楽器はマイナーかと思っていたら、結構他にもyoutubeがあります。仏Arionからはクルド人のイッサの演奏がありました。2本目には、イランの打楽器トンバクとの共演を併せてアップしておきます。後者はNadim Khouryという奏者。いずれもマタル・ムハンマドと比べると、相当にソフトな演奏で、評価の分かれるところではあると思います。いずれもアラブ音楽ではなく、クルド~ペルシア系の音楽の範疇に入るでしょうか。

Issa "Yarê"

Buzuq & Tombak Duo (1/2) - la enta habibi

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2010年5月16日 (日)

マタル・ムハンマド風ブズク&Inedit

マタル・ムハンマド風にブズクを演奏している映像がありました。これはかなり凄腕の持ち主だと思いました。例の仏Inedit盤の録音が一部上がっていましたので、併せて上げておきます。卓越したタクシームの技がたっぷり味わえるかと思います。
それにしても、仏Ineditが現在取れなくなっているのが残念です。ブズクという楽器は、兄弟楽器のギリシアのブズーキと構造はそっくりのようですが、ブズクの方が低音の伸びがあるように思います。それと、アラブ音楽の微分音はどうやって出すのか、気になります。マカームによってフレットを少しずらすのでしょうか。フレットがブズーキより多いようにも見えます。

Bayat Taqsim (Matar Muhammad)

確かにマタル・ムハンマドにそっくりな演奏。しかも彼がよく演奏していたバヤート旋法による即興です。

matar mhammad 01

matar mhammad 02

matar mhammad 03

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2010年5月14日 (金)

レバノンのブズクの名手

レバノンのブズクについても、前に少し触れたかも知れません。しかし、今日のマタル・ムハンマドの映像をアップするのは初だったと思います。こんな映像まであるとは、本当に驚きです。ライヴ映像から弾き語りまで、驚きの連続でした。この人の録音は仏Ineditから「レバノンのブズク(ブソク)の名手マタル・ムハンマド追悼盤」がありました。私がこの人の演奏を初めて聞いたのは、オランダ・ユネスコのLP(国内発売は日本フォノグラム)が初めてでしたが、余りのスーパー・プレイにしばし呆然となったものです。それは1979年頃の話で、このシリーズにはイランの古典音楽(アスガール・バハーリー、ホセイン・マレク、ハッサン・キャサイー、オマール・シェリフ、ホセイン・テヘラーニ他)や、南インドのヴィーナ(スルヤナラヤナ)など、70年代初頭の各国音楽の名演を収めた名盤が結構ありました。CD化がほとんどされなかったのが、残念です。イネディと同じマカームで演奏していましたが、LPの演奏の方が緊迫感が強く、より輝かしい音色で素晴らしかったと思います。(以下は上記Inedit盤の紹介拙文)

マタル・ムハンマド(1939~95)はレバノンのブズク(ギリシアのブズーキの祖。長い棹を持つフレット付きリュート系弦楽器)の20世紀を代表する名手(ジプシーの家系出身)でありながら、20年位前から半身不随で演奏不能になり、Unesco盤のLP(PC-1715)位でしか紹介されてなかった。この録音は1972年の最盛期のもので、ライヴ録音のためアラブの聴衆のリアルな反応が手に取るように分かる。4つのマカームによるタクシーム(即興)は卓越した技巧による名演である。ブズーキ~サズ系の「さわり」の多い、深い音色が素晴らしい。(しかし、このパッショネートな演奏はやはりジプシー音楽家の特徴でしょうか。)

Matar Mohammed

Mattar Mohammed very old arabic bozok

Mattar Mohammed buzok 1

Mattar Mohammed buzok 2

Mattar Mohammed buzok 3

Mattar Mohammed buzok 4

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2010年5月13日 (木)

ベドウィンのラバーバとウード

ヨルダンのベドウィンで調べてみましたが、ベドウィンらしい楽器と言えば、何と言ってもラバーバでしょう。前にも取り上げたことがありますが、このシンプルな擦弦楽器の弾き語りは、アラブ遊牧民(ベドウィン)の心を100%表現しているように思えます。ウードを持っている映像もありますが、やっぱりラバーバが良いですね。

قصيدة امير الموالي الامير عبد الرزاق

これはサウディ側のベドウィンかも知れません。素晴らしい吟唱です。

Bedouin Musician in Wadi Rum
残念ながら埋め込み禁止ですが、こちらはヨルダンのWadi Rumでのラバーバ楽士の演奏。一本目に比べると民謡的な歌なのかなと思います。

A Bedouin in Petra, Jordan
古代のナバテア人の首都だったペトラの遺跡でのウード演奏。ユネスコ世界遺産になっていて、映画「インディ・ジョーンズ」のロケに使われたことでも有名。

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2010年5月12日 (水)

ヨルダンの歌

イスラエルの東に位置するヨルダンの音源と言えば、民族音楽ではイネディくらいだったでしょうか。ベドウィンの音楽の印象が強かったのですが、youtubeを調べてみると大衆歌謡関係の映像が結構出てきます。ここで聞けるメロディも、どこかベドウィン歌謡風な音域の狭さが特徴のようにも思います。その点では、レバノンやシリアよりも、南のサウディ・アラビアの歌に近いように思います。つまり、より古いアラブの伝統を感じさせる、ということになるでしょうか。音域は狭くても、豊かなコブシがあって、一音一音の抑揚を大事に歌うところや、独特な侘び寂び感は、日本の歌と通じる部分があるかも知れません。古賀政男がアラブ音楽に興味を持っていたエピソードを思い出しました。

Jordan Song

vivajordan

Jordanian songs omar abdullat

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2010年5月11日 (火)

パレスティナの歌とダブカ

昨日は急な頭痛と吐き気でブログアップ出来ませんでした。急激な温度変化に体がついていかなかったようです。一昨日はTシャツを着ていたのに、昨日は薄手のフリースを引っ張り出す状態でした。今年はこんなパターンが多くて困りますね。皆様もお気をつけ下さい。
パレスティナでもう少し見ておきたいと思いますが、政治がらみでないもので見てみると、結婚式の映像などが目立ちます。その中では例のダブカの踊りとか、コブシの豊かな歌声がふんだんに聞けるようです。CDではなかなかお目にかかれない音源が色々あって、興味深いものがあります。

Palestinian Wedding Dabka

結婚式で踊られるダブカがメインですが、冒頭の男性歌手が気になります。フリーリズムのハイテンションな歌唱は、ラヤーリとかマウワル的と言えるでしょうか。パレスティナ以外の歌手の誰かに似ているのですが、ぱっと思い出せません。クルドのスィヴァン・ペルウェルにも少し似ているかも。

Palestinian song in JUST

これは興味深い一本。パレスティナの女声コーラスです。前に書きましたように、パレスティナのアラブ人には、イスラム教徒以外にも、キリスト教徒(欧州経由ではなく古代キリスト教以来のグループが多いようです)、ユダヤ教徒(欧州からの「帰還」組ではない古代からパレスティナに住み続けていたミズラヒームの一派)がかなりいますが、こういうファイルーズにも似たような歌を聞かせる人たちは、やはりキリスト教徒なのでしょうか。

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2010年5月 9日 (日)

パレスティナのダブカとレバノンのダブケ

ダブカという踊りはベリーダンスにも取り込まれているようで、このリズムに耳馴染みのある方は多いのでは。独特なステップで踊られる組踊りで、遠くブルガリア辺りの舞踊を思わせるような所があるようにも思います。同じオスマン帝国領になっていた時期も長いですから、何かしら共通するベースがあるのでしょうか。今日はパレスティナとレバノンのダブカを2本ずつ上げておきます。

Palestinian Dabka Dance



youtubeで見る限りでは、レバノンに比べるとパレスティナのダブカは勇壮な感じが強いように思います。コーカサスの「剣の舞」的なイメージも連想してしまします。更には、音楽の旋律の音域の狭さとその音階は、ベドウィン音楽風にも聞こえます。

palestinian traditional dance and songs


دبكة لبنانية شامية تعلم الدبكة لا تهملو مشاهدتها



これはステップや動きがとてもよく分かるレバノンのダブケ。

Old lebanese Dabke mix Fairuz & Sabah & Nasri Shamsedine



レバノン歌謡の大御所3人(ファイルーズ、サバーハ、ナスリ・シャムスッディン)の歌にもダブケはよく出てきました。

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2010年5月 8日 (土)

Palestinian folk song

昨日は居眠りしてしまって気がついたら8日になっていて、アップできませんでしたm(_ _)m  パレスティナの音楽ですが、海外まで知られてないような市井の民俗音楽中心に探してみました。テクニック的にはそれほどでもなくても、かえって生々しく、その素朴さが新鮮だったりもします。パレスティナの場合はCD等はほとんど見かけた覚えがありませんが、youtubeでは色々と出てきます。ウードとダラブッカ中心のダブカのリズムが目立つようです。やはりレバノンの音楽に近いという印象です。

Palestinian Song Haddi ya Bahar



この曲はキング盤のイラクの音源で聞けるパスタにそっくりに聞こえます。Feras Qumseya sings Palestinian Traditional Music Haddi ya Bahar Haddi on Arabic Radio and Television ART.

Palestinian Folk Song

Acham - Palestinian folk song in Hebrew and Arabic



セファルディーやアラブ・アンダルシア音楽をレパートリーの中心にしているフランソワーズ・アトランと、パレスティナ出身のウード奏者モネイム・アドワンの共演。ブダ盤収録の曲でしょうか。この映像は前に一度アップしたように思います。

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2010年5月 6日 (木)

トリオ・ジュブラン

現在のパレスティナ音楽では、最近新作が出たトリオ・ジュブランがよく知られているようです。アラブ音楽を代表する弦楽器ウードを3兄弟で演奏するこのグループは2004年結成。09年リリースの3枚目はパレスティナの国民的詩人マフムード・ダルウィーシュ(08年没)を偲ぶトリビュート・ライヴ・アルバムでした。兄サミールは73年ナザレ生まれ。仏World Villageの3枚より前に出ていたサミールのダキ(daqui)盤はエルサレムのサーブリーン・プロダクションでの録音で、有名なLama Bada Yatathenaも入っていました。(サーブリーンのメンバーと苗字は同じでも直接関係はなさそう)
往年のスーパー・ギター・トリオを連想させるようなエキサイティングな掛け合いで、上手いことは上手いのですが、もっとコクのある、というか、オーソドックスなスタイルのアラブ古典の独奏も聞いてみたいものです。(2本目は割りと近いイメージの演奏)

Le Trio Joubran (Sama-Sounounou) www.kb-tv.com

Trio Joubran, à Lyon, le 12 octobre 2007, 3ème morceau

やっぱりこういうタクシームの掛け合い(だと思いますが)の方が、アラブ音楽らしくて良いですねぇ。マフムード・ダルウィーシュ最晩年のコラボ・ステージ映像のようです。後半でアルベニスのギター曲アストゥーリアスやマラゲーニャが登場します。この辺のスパニッシュの曲を入れるのは、故ムニール・バシールからでしょうか。

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2010年5月 5日 (水)

Simon Shaheen

パレスティナのアラブ音楽家と言えば、大分前にもちょっと取り上げましたが、ウードとヴァイオリンの名手シモン・シャヘーン(あるいはシャヒーン)を忘れてはいけません。ドイツのCMPのように消滅してしまったレーベルからCDが出ていた人なので、最近のリスナーには余り知られていないかも。シモンという名の通り、彼はアラブのキリスト教徒でしたが、サーブリーンのメンバーにもクリスチャンは多いかも知れません。アラブ音楽にはアラブ人キリスト教徒の音楽家が意外に多い点を忘れてはいけないと思います。
今日の一本目はトルコ古典音楽ですが、こういうオスマン古典音楽が作られた頃は、正にジルヤブ・トリオのように、アラブとユダヤの音楽家が共演する光景は普通だったはず。オスマン帝国では、欧米列強が出てきて関係がこじれるまでは、アラブとユダヤは比較的平和に共存していた訳ですから。

Arabic Music

simon shaheen

Intercultural Journeys | 2003 - Udi and Simon Shaheen

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2010年5月 4日 (火)

Ziryab TrioとBustan Abraham

今日のタイトルは、90年代にCramWorldからアラブ古典アルバムが出ていたイスラエル人とパレスティナ人の混成グループの名前です。基本ユニットはジルヤブ・トリオで、カーヌーン奏者他のゲストが加わってブスタン・アブラハムになります。youtubeにはブスタン・アブラハムのものが辛うじて数本ありました。端正なアラブ音楽トリオ演奏を聞かせるジルヤブ・トリオも見たかったのですが、大分前のグループと言うことになったのでしょうか、youtubeなしでした。
なお、サーブリーンなどのパレスティナのアラブ音楽シーンについては、大分前の話になってしまいましたが、ZeAmi会報の屋山さんの記事が今でも参考になると思います。

Bustan Abraham - Hamsin

Bustan Abraham - Abadai

Bustan Abraham is a highly acclaimed Jewish and Arab ensemble from Israel who combinine western and eastern traditions in a unique form of instrumental music

以下の2文は、何度も登場している音楽之友社刊「世界の民族音楽ディスクガイド」のレビュー拙文の転載です。これが上記のクラムワールドの2枚です。2001年暮頃に書いたものなので、これも既に古くなってきています。

Ziryab Trio / Mashreq Classics
イスラエルのアラブ人とユダヤ人の混成グループで、収録曲はアラブ~トルコの20世紀初頭以降の古典音楽と即興。全体にクリアでスピード感に溢れる演奏で、良く知られた名曲が並んでいる。カルスームの曲も沢山書いたR.Al-スンバティの軽快なロンガに始まり、アブデルワハブの曲、オスマン末期の大作曲家タンブーリ・ジェミル・ ベイや彼の息子のサマーイ等で、全体にはトルコ色が強めか。ウードのタイシール・エリアス、ヴァイオリンのナスィーム・ダクワル、リク(枠太鼓)等のゾハル・フレスコのトリオで、いずれも名手ぞろい。ゲストで昔出身地イラクで活躍したユダヤ人のカーヌーンの大物、アブラハム・サルマンが出てきてこの人がまた凄い。

Bustan Abraham / Pictures through the painted window
ジルヤブ・トリオにゲスト(カーヌーン、Fl、G、B)が参加した形の編成。ジルヤブがオーソドックスなアラブ音楽中心であるのに対し、こちらはジャズ風、エスノフュージョン風など、彼らのアイデアでフレッシュな印象が施された魅力的な作品が並ぶ。旋法名のHijazkarをもじった?Jazzkar-kurdなどアラブ古典を知り抜いた上でのウィットも利いている。古典ナンバーでは、この上なく美しいムワッシャハの名曲やタンブーリ・ジェミル・ベイの息子メスード・ジェミル作曲の哀愁のサマーイも。グループ名は和訳すれば「アブラハムの園」。昨今の状況では空しく響いてしまいそうだが、こうした音楽の対話の火すら消えてしまうことのないよう切に願いたい。

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2010年5月 3日 (月)

カミリア・ジュブラーンの歌声

最近出たカミリア・ジュブラーンのアルバム「マカン」は最近の彼女の歌声をフィーチャーしていて、しっとりしたウード弾き語りが素晴らしく、その語りかけるような歌い方はサーブリーンの頃からですが、もっとアラブ古典音楽寄りにも取れるし、アラビック・ブルースの深化とも取れます。これは新しいアラブ音楽の注目作だと感じました。出口の見えない状況が続いている故郷パレスティナを遠く離れて歌う「アラビック・ブルース」には、悲痛な望郷の思いが込められているのでしょう。しかし、それは元々アラブ音楽が内包している仄暗いパッションの現代的な具現にも思えます。

Kamilya Jubran - Qawafel

この曲は上記のアルバムMakan収録の一曲。

Kamilya Jubran - Amshi

Kmilia Mayala

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2010年5月 2日 (日)

Kamilya JubranとSabreen

パレスティナの音楽を少し見てみたいと思いますが、まずは最近の新作ソロ・アルバムMakanが素晴らしかったカミリア・ジュブラーンの映像をどうぞ。
以下は彼女の参加する(していた?)サーブリーン の3rdアルバム「何処へ」のレビュー拙稿(音楽之友社刊「世界の民族音楽ディスクガイド」より)
何より女性歌手ジュブラーンのマウワル的とも言えそうなコブシ豊かな歌声とアラビア語の響きが素晴らしく美しい。「アラビック・ブルース」とも形容される独自のスタイルを深化させたパレスティナ人グループの3作目。ウードやカーヌーン、ヴァイオリンといったアラブ古典でお馴染みの楽器に、コントラバスやチェロ等が入る編成で、歌手ジュブラーンのカーヌーンとブズクの演奏まで聞けるのが嬉しい。そして、ポップで洗練された装いの中に、アラブの詩と歌の伝統が脈々と生き続けていることに驚かされる。92年の「パレスティナ・インティファーダ世代の音と映像」での鮮烈な来日公演から早10年、本作が録音されたのは2000年9月で、あの大事件のちょうど一年前である。古典音楽色、アラブ歌謡色は最も強い新作。(1stと2ndアルバムは現在入手不可)

Kamilya Jubran - Ghareebah

Palestinian Singer Kamilya Jubran

Sabreen Group

Death of the Prophet Dance Of The Resistance

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