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2010年5月 4日 (火)

Ziryab TrioとBustan Abraham

今日のタイトルは、90年代にCramWorldからアラブ古典アルバムが出ていたイスラエル人とパレスティナ人の混成グループの名前です。基本ユニットはジルヤブ・トリオで、カーヌーン奏者他のゲストが加わってブスタン・アブラハムになります。youtubeにはブスタン・アブラハムのものが辛うじて数本ありました。端正なアラブ音楽トリオ演奏を聞かせるジルヤブ・トリオも見たかったのですが、大分前のグループと言うことになったのでしょうか、youtubeなしでした。
なお、サーブリーンなどのパレスティナのアラブ音楽シーンについては、大分前の話になってしまいましたが、ZeAmi会報の屋山さんの記事が今でも参考になると思います。

Bustan Abraham - Hamsin

Bustan Abraham - Abadai



Bustan Abraham is a highly acclaimed Jewish and Arab ensemble from Israel who combinine western and eastern traditions in a unique form of instrumental music

以下の2文は、何度も登場している音楽之友社刊「世界の民族音楽ディスクガイド」のレビュー拙文の転載です。これが上記のクラムワールドの2枚です。2001年暮頃に書いたものなので、これも既に古くなってきています。

Ziryab Trio / Mashreq Classics

イスラエルのアラブ人とユダヤ人の混成グループで、収録曲はアラブ~トルコの20世紀初頭以降の古典音楽と即興。全体にクリアでスピード感に溢れる演奏で、良く知られた名曲が並んでいる。カルスームの曲も沢山書いたR.Al-スンバティの軽快なロンガに始まり、アブデルワハブの曲、オスマン末期の大作曲家タンブーリ・ジェミル・
ベイや彼の息子のサマーイ等で、全体にはトルコ色が強めか。ウードのタイシール・エリアス、ヴァイオリンのナスィーム・ダクワル、リク(枠太鼓)等のゾハル・フレスコのトリオで、いずれも名手ぞろい。ゲストで昔出身地イラクで活躍したユダヤ人のカーヌーンの大物、アブラハム・サルマンが出てきてこの人がまた凄い。

Bustan Abraham / Pictures through the painted window

ジルヤブ・トリオにゲスト(カーヌーン、Fl、G、B)が参加した形の編成。ジルヤブがオーソドックスなアラブ音楽中心であるのに対し、こちらはジャズ風、エスノフュージョン風など、彼らのアイデアでフレッシュな印象が施された魅力的な作品が並ぶ。旋法名のHijazkarをもじった?Jazzkar-kurdなどアラブ古典を知り抜いた上でのウィットも利いている。古典ナンバーでは、この上なく美しいムワッシャハの名曲やタンブーリ・ジェミル・ベイの息子メスード・ジェミル作曲の哀愁のサマーイも。グループ名は和訳すれば「アブラハムの園」。昨今の状況では空しく響いてしまいそうだが、こうした音楽の対話の火すら消えてしまうことのないよう切に願いたい。

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