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2010年7月

2010年7月30日 (金)

アルバニアン・ブラス

アルバニアのブラスのリクエストが先日ありましたので、探してみました。軍楽流れのブラスが良いそうですが、今日の映像はどうでしょうか。軍楽流れというと、対岸のイタリアの例になりますが、フェリーニの映画「道」にそんなシーンがありました。軍人が歩きながら演奏するユーフォニウム(チェロ位の音域)がいいなぁと憧れたものです(笑)
ファンファラ・ティラナは首都ティラナのグループでしょうか、検索で出てきたのは、ほとんど彼らの映像だけでした。マケドニアのコチャニ・オスケスタルは私もステージを見たことがありますが、バルカン・ブラスに多い変拍子は今日見る限りでは余り出てこないのではと思います。しかし、あのブリブリ・ウネウネ?したエキゾチックなバルカン・ブラスは、アルバニアにも確かにありました。

Cokollata

これが一番音と映像がましな方です。Albanian Brass Band FANFARA TIRANA in Oristano - Sardinia - ITALY on December

Fanfara Tirana & Amparanoia Bochum (Germany)

ドイツのAmparanoia Bochumとのジョイント・ステージの模様。myspaceもありました。The Albanian brass band Fanfara Tirana enjoying a jam session with Amparanoia in Bochum Germany ... www.myspace.com/fanfaratirana

FANFARA TIRANA ROSKILDE FESTIVAL 2008 LIVE

Fanfara_Tirana_Roskilde08_Astoria_Stage

ここで演奏されているのは、何故かユダヤの有名なハシディック・ソング、ハヴァ・ナギラです。

OFDA Albanian dance cafe -3 "Napoloni"

これもファンファラ・ティラナの演奏で、結婚式のダンスの模様。メロディはいかにもバルカン・ブラスですが、これも変拍子ではないです。Napoloni, another popular dance at Albanian weddings. Music by the brass band Fanfara Tirana. Presented by Karen Bennett at OFDA Albanian dance cafe, November 28, 2009

Raya Brass Band at Golden Fest 2009 - NYC

このバンドはアルバニアのグループではなさそうですが、ここで演奏されているのが変拍子の曲です。

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2010年7月29日 (木)

Albanian Polyphony 3

アルバニアのポリフォニーの3日目。できるだけ色々なタイプの合唱をアップできればと思っています。sekiguchiさんからご指摘頂いたゲグとトスクについて、大体分かってきました。ゲグは北部の民族、トスクは南部の民族で、特に素晴らしいポリフォニーが聞かれるラベも南部で、この地方がトスクに含まれるのかどうか、気になるところですがその辺は不明でした。南ではポリフォニー色が強く、北ではモノフォニー的で隣国のモンテネグロなどの影響を受けた歌が多くなるようです。
ギリシア北西部と重なるエピルス地方は、トスク(の一部?)になるのでしょうか。ギリシア側のエピルスには何万人かのアルバニア人が住んでいるようですが、あのアルバニア的な音楽の担い手は彼らだけになるのでしょうか。どうも分からないことの多い地域です。

Polyphonic Concert in Athens

アテネでのポリフォニー・コンサートにアルバニアのグループが登場。あの声をひくつかせるような不思議な発声がふんだんに出てきます。これはインパクト大です。アルバニアのルーツ民族のイリュリアはバルカン最古の民族の一つ。古代ギリシアの頃に北隣に住んでいたことも確かです。その頃はスラブ民族はまだ南下してくる前でした。

Zadeja Group Iso-polyphony music video 04

3日連続登場のZadejaの歌唱。これはモノフォニックに聞こえますが、もしかしたらゲグの歌でしょうか。彼らはラベの歌だけを歌っている訳ではないようですので。ドローンをバックに動くのは独唱だけ。ビザンツ風にも若干に似てるように思います。

Kenga Labe

ラベとタイトルにある通りでしょう。各パートが独立して動き、主従が柔軟に入れ替わるのがポリフォニー的とみるポイントでは。

Festivali Kombëtar Folklorik Tipologjik i Iso-Polifonisë

独唱の中心?が女性のパターン。

Grupi i Bences: Rrofsh sa Mosha e Kesaj Toke/Song for Enver

これが噂のホッジャ賛歌?(笑) その曲は83年録音のChant du monde盤に入っていました。

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2010年7月28日 (水)

Albanian Polyphony 2

昨日のZadejaの歌唱について、コメントへのレスとダブりますが、ビデオの解説によると、ラベ地方のポリフォニー(オコラにも録音がありました)を筆頭とするアルバニアン・ポリフォニーの音楽遺産保護のために、アルバニア南部の異なる地方から来た7人のメンバーにより1990年に結成されたそうです。今日はZadejaの他の映像と、別なグループも併せて。
ある本で、アルバニア人はイリュリアの末裔というだけでなく、古代ギリシア文明を担った「元祖ギリシア人」(現代ギリシア人はオスマン・トルコの影響が非常に濃いのに対し)の流れを汲むとの記述を見かけました。古代ギリシアの北限がどこにくるのか、確かによく分からないように思いますが、上記のようにまで言ってしまうのは、どうなのでしょうか.。語族から見れば、ギリシア語派とアルバニア語派は印欧語族の中でそれぞれ独立の一派のはずですが。

Zadeja Group Iso-polyphony music video 05

この素朴で静かなアンサンブルが一番アルバニア合唱らしく聞こえますが。味わい深い声の技です。

Flaka Mbuloi Fshane (Albanian folk music with English subtitles)

このグループでは、あの特徴的なファルセット・ヴォイスがよりはっきりと聞きとれます。実に素晴らしい歌唱です。
Albanian Iso-Polyphonic Song performed by a talented quartet. The song's theme is an Ottoman invasion causing the destruction of a village. English Subtitles are provided throughout the song.

Lyrics in Albanian:

Hasmi zu vatane.
Lulet u thane.
Flaka mbuloi fshane.
Foshnjat u qane.
O ju djemte tane.

Nxirrni jatagane.
Zini istikane.
Ne na kini prane.
Trima me palle.
O ju djemte tane!

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2010年7月27日 (火)

Albanian Polyphony 1

度々名前が出てきたアルバニア音楽の宝、ポリフォニーを見てみたいと思いますが、まずは上位に出てきていたこのグループのシリーズ。様々な歌唱技法が盛り込まれているようですが、グルジアの合唱のクリマンチュリのような高音で暴れるパートがあって、特に耳を引きます。アクセスが余りないシリーズですが、なかなか良いと思います。
梅雨明け後の猛暑の連続のためでしょうか、今日は力尽きてしまいました。明日以降また続きをアップします。

Zadeja Group Iso-polyphony music video 03

これはロシアかウクライナの合唱に少し似た感じです。

Zadeja Group Iso-polyphony music video 06

グルジアのクリマンチュリのような、しゃっくりのような音を出しているのは、右の人でしょうか?

Zadeja Group Iso-polyphony music video 07

アルバニアの合唱も、基本的には叙事詩語りのようなものでしょうか。

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2010年7月26日 (月)

アルバニアのポップス イリュリアの名残

数日エピルス地方の音楽を見ましたが、今度はアルバニア本国の音楽を少し。民族音楽関係では、仏Chant du monde盤(既に廃盤ですが)やdaqui盤など、良い録音が色々ありました。音源情報 しかし、ポップスの方などはほとんど知られていなかったと思います。youtubeにはそういう映像がたっぷりとあります。伝統音楽の要素を色濃く残した、かなり面白い映像群です。
アルバニアの音楽と言うのは、直接的には、やはりバルカンを長く統治したオスマン・トルコの音楽の影響も強いと思いますが、歌やクラリネットの節は何とも独特で、特に合唱には古風な要素を保っています。

ALBANIAN MUSIC

日本の民謡にも似た感じのメロディ・ライン、こぶし豊かなクラリネットなど、エピルスの音楽がそっくりそのまま入り込んだかのようなポップス。

albanian music

こちらはオリエンタルなタイプと言えるでしょうか。

Albanian Music -- Illyrian Music -- Balkan Music

旧ユーゴ諸国の辺りの西バルカンにいた古代民族イリュリアの音楽と名づけられているのが非常に興味深いところ。現存する民族の中では唯一言語などにイリュリア語の名残を残すのがアルバニア。このタイトルはイリュリア直系としての誇りの表れでしょうか。イリュリアは、東バルカンにいたダキア(ルーマニアの先住民)やトラキア(ブルガリアの先住民)とも関係が深かったようです。

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2010年7月25日 (日)

エピルス音楽の実演

ギリシア北西部のエピルス地方の音楽に戻ります。演奏風景をとらえた映像が結構ありました。見ていると、歌を模倣するように歌と交互に吹かれるクラリネットの音色が何と言っても特徴的ですが、その他のヴァイオリン、ラウートなどの楽器はドローン的に動いていることも多いように見受けられます。名前から判断するとギリシア人音楽家も多いようですが、アルバニア的な音楽をギリシア人も演奏しているのか、あるいは元はギリシア音楽がルーツなのか、名前がギリシア風になっているだけで、実はアルバニア系なのか、どれかになるのでしょうか。その辺がよく分かりません。エピルス地方とはアルバニアとギリシア北西部にまたがった地方名で、その音楽はyoutubeで分かるように、バルカン色が一気に濃くなっているのが面白い所です。

Ta Xena - Song from Epirus

PETROLOUKAS HALKIAS Part V

Greek Folk from Epirus

Epirus Folk: Ilia Basho & Thoma Loli - Lerma Vajzen

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2010年7月23日 (金)

恋する兵士 (ナポリターナ名曲)

ナポリターナのついでに、最も有名なナポリターナ(「ナポリ語の歌」の意味ですが)の一つ、「恋する兵士」(原題はO Surdato 'Nnamurato)を見てみます。この歌は84年頃のモーリス・ベジャールのバレエ「エロス・タナトス」に使われていて、私はそれで初めて知りましたが、この曲を70年代に大ヒットさせたマッシーモ・ラニエリは69年のサンレモ音楽祭のグランプリ受賞者でした。日本でもジリオラ・チンクエッティの雨(ラ・ピオッジャ)とカップリングされてドーナツ盤が出ていました。確かチンクエッティが1位で、ラニエリは2位だったと思います。このドーナツ盤を70年代前半に叔母から譲り受け、意味も分からずイタリア語の歌詞を覚えて歌ったりしたものです(笑)
と、ここまで書いた所で、大分前にもこの件書いたかも知れないと思いましたが・・(^^; 
  この歌、女優のアンナ・マニャーニが最初に歌ったんですね。ロッセリーニ監督の無防備都市は見たい見たいと思いながらまだでした。彼女の歌唱のyoutubeがありましたので、併せて上げておきます。

それから、21日の1000号記念ブログへの追記になりますが・・
「同じように、そっくりなリズムのレズギンカとタランテッラも、他人の空似とは思えませんでした」云々と書きましたが、ふぁどさんのツイットに以下のように出ていて、ますます驚きました。こんなエピソード、日本ではほとんど知られてないでしょうね。

ふぁどさんの談話
  以前チェチェン人のおばちゃんに食べ物と何かの観点から「イタリア人チェチェン人同起源説」をきいたことがあり、そのときは軽~く流したわけだが、もしや・・w

Massimo Ranieri - 'O surdato 'nnammurato

マッシーモ・ラニエリの「恋する兵士」。ベジャールの舞台で流れていたのも彼の歌唱だったと思います。何とかというイケメン・ダンサー(名前は失念)が踊っていました。この歌、個人的にも大好きなもので。

Massimo Ranieri - Quando l'amore diventa poesia

これがサンレモ音楽祭の受賞曲にして上記ドーナツ盤のB面、「愛の詩」(愛が詩に変わる時)。

Anna Magnani attrice romana. Foto tratte dai suoi famosi film "O surdato nammurato"

アンナ・マニャーニの歌う「恋する兵士」。

Maradona Singer - Canta "o surdato nnammurato"

マラドーナ=現アルゼンチン・サッカーチーム監督の映像もありました(笑) アルゼンチンでもメジャーな歌なのでしょうか。

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2010年7月22日 (木)

Favorite タランテッラ

タランテッラを色々見ていたら、個人的にかなり好きな曲が出てきましたので、今日はちょっとその辺りを上げておきます。素朴で哀愁味溢れ、鄙びた感じの旋律が多いです。しかし、この舞踊は南イタリアの各地方によって様々なカラーを持っていて、その多彩さには目を見張るものがあります。

tarantella napoletana

このナポリターナ(ナポリ民謡のことで、パスタではありません(笑))名曲も確かにタランテッラのリズムでした。よく耳にする曲です。フェリーニの映画とかに出てきそうなメロディです。

Tarantella Dance

massimiliano morabito e giancarlo paglialunga.flv

タランテッラで大活躍する枠太鼓パンデイロとボタン・アコーディオンの妙技。

Menuhin - Wieniawski Scherzo Tarantelle

名ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインの弾くヴィエニャフスキのスケルツォ・タランテラ。クラシック音楽に取り入れられたタランテラでは最も有名な曲でしょう。ラヴィ・シャンカルと共演し、オスタッド・エラーヒを高く評価したのは、メニューインです。

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2010年7月21日 (水)

1000号記念 タランテッラとレズギンカ 2

ようやく今日でこのブログも1000ページになりました。900過ぎてから長く感じました(笑) もう少しギリシア周辺で続けようと思っています。昨日に続けてエピルスで行こうかとも思いましたが、1000号ですので、心躍るテーマにしておきます(笑)
先ほど19日のブログ(南イタリアのタランテッラ、あるいはタランテラと、コーカサスのレズギンカ、あるいはイスラメイの類似性についてちょっと書きまして)へのふぁどさんのコメントへの返信で書いたことと重複しますが・・。
前にコルシカの時に書いたと思いますが、コルシカのポリフォニーは、グルジアのポリフォニーの影響を受けているという記述を見かけますから、明らかな事実のようです。同じように、そっくりなリズムのレズギンカとタランテッラも、他人の空似とは思えませんでした(笑) ビザンツ帝国時代にギリシア人が媒介したのでは、とも思いますがどうなのでしょうか。どちらのケースも、ビザンツ帝国の西と東の端での事象のようなものですから。当初グルジアとコルシカは余りに遠いのでは、と思ったりしたものですが、最大版図の時はほぼ両方がすっぽり帝国内に収まっています。
皆様からのご意見をお待ちしております。

タンタ、タタタという急速な6/8拍子(通称ハチロク)は、人々を踊らさずにはいませんが、終始飛び跳ねるように踊るタランテッラに比べると、そっくりなリズムでも、レズギンカでは何と女性は優雅、男性は勇壮なことでしょう。

Tarantella Calabrese - Malandrina - VERY RARE!

イタリアの爪先部分に当たるカラブリア地方のタランテッラの古い映像。

Tarantella Calabrese - U Zu Cicciu D'America

カラブリアのタランテッラ。ダンサーはアメリカ人?

Tarantella Calabrese - Gitana (Gypsy)

ジプシーのタランテッラ映像もありました。

Tarantella

こちらはイタリアの踵部分に当たるプーリア地方のタランテッラ。

Lezghinka, emozioni a passo di danza

ダゲスタンの舞踏団によるレズギンカですが、タイトルがイタリア語になっているところに惹かれました(笑) イタリア公演の模様だとしたら、タランテラを聞きなれたイタリア人はどう思ったのでしょうか。ロシア連邦内の北コーカサス諸国の一番東に位置するダゲスタンは、レズギンカ発祥の地と言われることも多いそうです。

taraf de haidouks live

おまけで、何度も来日してすっかり大人気のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスによるレズギンカ。これは「剣の舞」で有名なハチャトゥリアン作曲のレズギンカです。アルバム「マスカレード」収録。4回彼らのライブを見ましたが、レズギンカはまだです。というか最後に行ったのが04年なので、レズギンカはまだレパートリーになる前でした。

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2010年7月20日 (火)

エピルス地方の音楽

ギリシアに戻って、北西部のエピルス(イピロス)地方の音楽をもう少し見てみようかと思います。
Al Sur盤(今はなき中東~地中海音楽のレーベルでエピルスもありました)など聞いていても、明らかにその印象はギリシアと言うよりバルカン。明るい地中海音楽という印象が薄れて行きます。アルバニアに接していて、その影響かと思っていましたが、アルバニア系住民自体が多いことは今回初めて知りました。クラリネットの音色と、古めかしい合唱に一番特徴が出ていると思います。

Music of Epirus: Kenge per Celo Mezanin

This song is a tribute to the Çam Albanian hero Çelo Mezani.
The song is being narrated by his friends with whom he fought since his early years, and finally saw him get shot three times while fighting with them... which to them seems unbelieveable. This song is a "slow motion" description of this event.

Music of Epirus - Delvina me Camerine

Xaris Alexiou - Delvino kai Tsamouria

このハリス・アレクシーウの歌唱は前に一度アップしましたが、どうやらこの曲はエピルスの歌のようです。この泥臭さは、どこか日本の民謡にも似たところがあります。

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2010年7月19日 (月)

タランテッラとレズギンカ

見れば見る程、謎が深まるマグナ・グレキアです。いくつか音楽面で手がかりになりそうな映像をアップしておきます。タランテッラのリズムをよく耳にしますが、もしかしたらこのリズム自体がギリシア系住民のもたらしたものなのでしょうか。おそらく急速な6/8拍子だと思いますが、これはコーカサスのレズギンカのリズムに似ています。コーカサス南部にはギリシア文化の影響が強かった訳ですから、もしかしたら?などと妄想が膨らみます(笑)

Magna Grecia Mare

「マグナ・グレキアの海」というタイトルのシリーズ。音楽は完璧にタランテッラ系。

Top Italian Folk Music - Tarantella Pugliese - Music of Italy

典型的なタランテッラですが、解説にGrecia Salentina - Torchiarolo (PUGLIA)とあります。ますますあやしいです(笑)

lezginka

07年の暮れに集中的に取り上げましたが、コーカサスのレズギンカの踊りの映像を一本上げておきます。これは北コーカサスのサーカシアン(チェルケス、アディゲ辺り)でしょうか。ハチャトゥリアンのバレエ音楽「ガイーヌ」の中のレズギンカで一般に広く知られるようになったと思います。

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2010年7月18日 (日)

南伊のアルベレシュの歌

マグナ・グレキアの音楽事情を探るには、まずギリシア系住民の映像を見たいところですが、意外にもギリシア系よりもアルバニア系の方が豊富なようです。南イタリアのいわゆるマグナ・グレキア辺りに住むアルベレシュ(アルバニア系住民)の歌を中心に今日もアップしてみます。一本目の器楽部分ではタランテッラのリズムなども出てきますし、独唱もかなりイタリア化しているかなという印象を受けました。3本目のシチリアの映像が今日の目玉で、こんな驚きがあるからブログは止められません(笑) あと数日で通算1000ページに到達します。

Αρμπερέσηδες - Arberesh, Δεν Ξεχνάμε Magna Grecia (Part 1)
この映像にアルベレシュについてのよくまとまった解説がありましたので、ペーストしておきます。
ABOUT ARBERESH

The Arberesh that form the Arvanites communities of southern Italy, left Greece (Peloponnese) in 1534 after the fall of the castle of Koroni and their surrender to TurkAlbanians and settled in Southern Italy and Sicily.
In the Arberesh traditional songs the word home is identified with the word Moré= Morias in Peloponnese. Cities like Nafplio, Corinth and Crete are also mentioned.
As with the Arvanites of Greece, words like Albania or Albanian are not found in their songs
The Arberesh communities in southern Italy maintained and still do, their Greekness through the church masses and the rituals of the orthodox church. They made many struggles with the Italians who tried to force them to become Catholics.
Their presence stimulated the Greek Orthodox faith of the Arvanites and other Greeks who had already settled earlier in southern Italy and particularly in 1468, after the death of Georgios Kastriotis , were they almost latinized.
Efforts to dehellenize the Arvanites continues until today. An example is the renaming of the village Piana dei greci to Piana dei albanesi in 1939 by Mussolini's regime, although until today it is called HORA. Today the Albanians are in charge for the dehellenization of the Arberesh people, trying to convince them that they are Albanians and not Greeks. However history speaks through the Arberesh tradition and this will never change.
We already hear the crerub (herouviko) hymn, chanted by the Contess Kuchma in August 1981 in the cathedral of pianan dei greci of Sicily, in the original Greek language, the liturgical language in the Arberesh Orthodox faith.
The official Greek language has always been the language of the Arberesh -Arvanites in Italy and Greece in writing and in their Greek-Orthodox worship, while the Arberesh and Arvanitika idiom used only in everyday life.
Proof of this is the lament folk song we will hear. It talks about the expatriation of the Arberesh people from Koroni in Peloponnese to southern Italy. Father Giuseppe Farako sings from the village of Agios. Dimitrios Koronis in Calabria in 1981 the following song:
We left behind in Coron(Pelopnnese-Greece) our possessions and our goods, but have taken Christ with us, oh my beautiful Morea (Peloponnese). Deeply sad,with tears in our eyes,we grieve for you Arberia. My swift-flying little swallow,when you return once more to Coron, you will not find our homes,nor our handsome lads,but only a dog(the Τurks),may a death come upon him. When the ships spread their sails and our lands was lost to the eyes,all the men with a sigh and the women with a wail cried out: Get out Ghost, devour us. oh my Morea. oh Arberia!

Arberesh songs - I bukurithi shesh

これはアルバニア本国のポリフォニーを想起させるような重唱です。

Arbëresh Villages in Sicily

シチリアのアルベレシュ・コミュニティーの映像もありましたので、併せてアップしておきます。シチリアの楽器を使ったりしてイタリア化している部分はありますが、言葉はアルバニア語で、リズムにはバルカン的な面が目立ちます。Horaという村ではアルバニア語によるビザンツ典礼を保っているのに対し、Sëndastinaではラテン語によるカトリックの典礼に変わっているのがこの映像から分かるようです。

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2010年7月16日 (金)

南イタリアとエピルスのアルバニア人

今日はアルバニアの音楽ということになりますので、バルカン枠で入れました。昨日書いたように、南イタリアには古代ギリシア以来現在までギリシア人の住む地方(正にマグナ・グレキアの名残)がありますが、アドリア海を挟んで対岸のアルバニアの人々も少数民族として住んでいて、彼らは15世紀頃に南イタリアへ移住したアルベレッシュと呼ばれるアルバニア人のグループ。音源として思い出すのはLyrichordの一枚くらいですが、youtubeは色々あるようです。
アルバニアはスラブ人が南下して来る前からバルカンに住んでいた民族で、2000年ほど前のバルカンのイリュリア人やルーマニアの先住民ダキア人との繋がりが指摘されています。アルバニア語は、系統的にはラテン系言語(ラテン語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ルーマニア語等)やギリシア語とは別系統の印欧語になります。そんなバルカンの古民族が、言語的にラテン化しないまま、北西ギリシアならまだしも、南イタリアにもいるという事実には昔(Lyrichord盤を聞いた頃)大変驚いたものです。彼らの音楽も独特で、特にポリフォニーは古風な趣を持ち大変印象的なものです。今日アップするクラリネットの音色も独特です。

ARBERESH-GEWRGIOS KASTRIWTHS-MAGNA GRECIA (part 6)

Music of Epirus: UNESCO on Albanian Polyphonic Heritage

ギリシア北西部のエピルス(イピロス)地方のアルバニア音楽。

Music of Epirus: Hajde Djalo

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2010年7月15日 (木)

マグナ・グレキア

ギリシアとローマの古代音楽の話が出たところで、マグナ・グレキアで何かないか探してみました。世界史で出てきたなと覚えてる方も多いはず。古代のイタリア半島の南端やシチリア島沿岸には、ギリシア人のポリスがたくさん出来てマグナ・グレキア(大ギリシア)呼ばれていました。数学者のピタゴラスも住んでいたそうですが、現在も少数ながらギリシア語(グリコ語)を話す人々が3万人ほど残っているようです。南イタリアには他にもアルバニア系住民もいたり、アラビア語の影響も受けていたり、数年前から日本でも人気のタランテッラだけでない多様な文化が見られる所です。余談ですが世紀の二枚目俳優ルドルフ・ヴァレンティノが生まれたのは、南イタリアのプッリャ州でした。

MAGNA GRECIA-ΜΕΓΑΛΗ ΕΛΛΑΔΑ

MAGNA GRECIA - ΜΕΓΑΛΗ ΕΛΛΑΔΑ

2 Simposio "Magna Graecia - Μεγάλη Ελλάς" - Sibari 16/04/2010

音楽はタランテラ、ギリシアのシルタキ、タランテラ、シルタキの順で出てきます。興味深い催しです。

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2010年7月14日 (水)

古代ギリシアとローマの歌

先日のFirst Delphic Hymn to Apolloは、紀元前138年頃の作とのことでしたが、考えてみればこの時期のギリシアは、既にローマ帝国に入っていたのではと思われます。今日は他の古代ギリシアの音楽の解釈と、古代ローマの音楽の演奏を並べてみました。後者はAmiataからCDが出ていたSynauriaの演奏だと思います。

ANCIENT GREEK MUSIC II AD - MUSICA GRIEGA ANTIGUA SIGLO II

これはとても興味深い一本。パピルスに書かれた古代ギリシアの旋律を歌っているようですが、古代の単旋律聖歌風に聞こえるところもあります。AD2世紀ということは、キリスト教は既に発生していましたが、まだローマ帝国で国教になる前で、徹底的に弾圧されていた頃。そういう時期ですから、宗教的な内容なのかどうかが気になります。ギリシア文字の上に書かれている記号が、旋律の抑揚を表しているのでしょうか。Fuente interesantísma: William A. Johnson, Department of Classics, University of Cincinnati, website: Ancient Greek Music on Papyrus: Two New Fragments.

Musica della Grecia Antica - Anakrousis.

再度グレゴリオ・パニアグア盤の冒頭曲。Musica della Grecia Antica. Anakrousis, Orestes Stasimo. CD Musique de la Grece Antique - Atrium Musicae de Madrid - Gregorio Paniagua - Harmonia Mundi.

Musica della Grecia Antica - Inno a Nèmesis.

Musica della Grecia Antica: Inno a Nèmesis.
Atrium Musicae de Madrid. Gregorio Paniagua
Immagini: Prassitele.

Musica dell'Antica Roma - Pavor

これは確か「古代ローマの音楽」1枚目の管楽器編の冒頭の曲です。異教的な香りがぷんぷん漂うような演奏です(笑) 

Musica della Antica Roma - Animula Vagula.

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2010年7月13日 (火)

Christodoulos Halaris 版 Ancient Greek Music

今日も「古代ギリシアの音楽」になりますが、この映像の盤、見たことあるなと思ったら、90年頃にギリシアのOrataから出た一連のビザンチン音楽の一枚でした。リーダーはChristodoulos Halaris(クリストドゥーロス・ハラリス) 。タイトルはAncient Greek Musicとされていますが、11日に書いたように古代ギリシアではなくて、せいぜい中世のビザンツ帝国時代の音楽をイメージした内容だろうと思われます。ですから、Ancientは「古い」位に訳すべきのように思いますが、ジャケットなどのアートワークは明らかに古代ギリシアをイメージしているようでした。今日のyoutubeでもビザンツ風というのが聞き取れるかと思います。幾分オスマン的ですらあります。
昔話になりましたが、六本木にあった某店のクラシック担当だった頃に、Orata盤を含めて企画を組んだことがありました。ちょうど当時はベルリンの壁が崩壊、東欧諸国では革命が起こり、民主化が進み、91年にはソ連も解体するという、歴史のダイナミズムがはっきりと見られた頃でした。この企画には確か「東方の風」のような看板を作った記憶があります(笑) その中心アイテムとしてオラータ盤を据えましたが、実はマリー・ケイルーズのビザンツ聖歌~受難と復活(HMF)を聞いて思い立ったプランでした。その話は前にレバノンの時にも書いたと思います。それ程ケイルーズの歌唱は鮮烈でしたが、泰平のビザンツ時代を思わせるような一連のオラータ盤の音楽は、ギリシア語歌詞内容(しかも中世のギリシア語かも)の分からない日本人には、いくつも聞くには少々退屈さを醸し出させるものでした。ジャケットのイコンは、当時非常にインパクトがありましたが(笑) オラータは、今はどうなっているのでしょう。

Music of Ancient Greece - Hymn to the Muse - by Halaris

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2010年7月12日 (月)

グレゴリオ・パニアグア&アトリウム・ムジケー

昨日アップした後に例のグレゴリオ・パニアグア&アトリウム・ムジケーのハルモニア・ムンディ盤の一曲目のトラックを見つけました。ないかと思ったらありました。スペインが美しいパス・サッカーと素晴らしいゴールで優勝しましたので、今日はスペインが誇る古楽グループの創立者の演奏を中心に。

ANCIENT GREEK MUSIC

Music of Ancient Greece - First Delphic Hymn to Apollo

これが例のグレゴリオ・パニアグアの「古代ギリシアの音楽」のジャケット。このアポロ神へのデルフォイの最初の賛歌は本物の古代ギリシアの歌の一つで、昨日のサイトによると、アポロンの聖地デルポイにあるアテナイ人の宝庫跡で発見した大理石に刻まれていたそうです。記譜はネウマ譜などのもっと原初的な感じのものなのでしょうか? 前138年ころの作とのこと。

ANCIENT GREEK TEMPLES-2nd Delphic Hymn to Apollo and others

これは別な団体の演奏。ブブゼラのような音が出てきますが(笑)、ユダヤのショファルに似た笛かも。6月25日に書いたようにユダヤのショファルが吹き始められたのは、これより1000年近く前になるようです。

Ancient Greek Music, Macedonia is Greek

こちらは昨日書いたように、オスマン帝国時代の影響の濃い音楽で、「古代ギリシア」と言いながら、バルカン色がはっきり出ていると思います。

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2010年7月11日 (日)

古代ギリシアの音楽

今晩は選挙とワールドカップの決勝のダブルでとても賑やかな宵です。この2日間ブログに手が回らず書けませんでした。オペラはこの位にして、他のギリシアの音楽を見てみたいと思います。
今日は古代ギリシアの音楽で探してみましたが、これがまた結構あります。このタイトルでまず思い出すのは、スペイン古楽界の鬼才グレゴリオ・パニアグアの「古代ギリシアの音楽 Musique De La Grece Antique」(Harmonia Mundi France)でしょう。残念ながら現在は廃盤のようですが。近年は弟エドゥアルド中心にPneumaから諸作が出ていますが、兄のグレゴリオは早々グループから独立してしまったようです。80年代に話題になった「臀上の音楽」の頃には兄の奇抜な才能が開花していましたが、その頃に出た「古代ギリシアの音楽」もリスナーをあっと驚かせたものです。古代ギリシアの音楽についてはこちらが参考になります。
西洋音楽のベースになった教会旋法では、ドーリア、フリギアなど、名称において継承されていますが、現在にまで伝わる幾つかのギリシアの旋律(上記盤のHymne Delphique À Apollonなど)は、教会旋法とは異なる、とらえどころのないような不思議なメロディを持っています。一方youtubeに見られる古代ギリシア音楽と付けられた映像は、古代までいかない中世のビザンツ時代か近世のオスマン時代の影響の濃い感じの音楽がほとんどのようです。
古代ギリシアの音楽は、同時代のペルシア音楽などに影響を与え、間接的に現在のイスラーム圏の古典音楽に入り込んでいるのでしょう。西洋ではなく、イスラーム圏の音楽の方が、古代ギリシア音楽直系と言えそうです。

Ancient Greek Music - Delphic Paean

こちらは数少ない本物の古代ギリシアの旋律。

Hymn to Zeus

ゼウスへの賛歌となっていますが、本当に古代の旋律かどうかは不明。

Akousate (Ancient Greek Music)

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2010年7月 8日 (木)

イゾルデの愛の死 (イタ語、独語)

5日にちょっと書きましたが、例のワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」のラストを飾るアリア「イゾルデの愛の死」のイタリア語版が見つかりましたので、元のドイツ語版と併せて上げてみました。マリア・カラスの歌唱を支える指揮者はCDも出ているヴィットリオ・グイかと思いましたが、1957年のアテネ・ライヴで指揮はアントニオ・ヴォットーのようです。このワーグナーの濃密な音楽世界をイタリア語でドラマティックに表現できるのは、カラス以外にいないように思います。しかし、やはり地中海的に聞こえてはきますが。
この曲、クラシックに余り馴染みのない方でも、シュルレアリスム方面に関心のある方は、ルイス・ブニュエル監督の映画「アンダルシアの犬」に使われていたことはご存知かも知れません。今なおこの「トリスタンとイゾルデ」が、西洋クラシックの一つの最高峰であることは周知の通りでしょう。2本目のドイツ語の方を歌っているのは、ワーグナー歌手として名高いビルギット・ニルソン。それぞれに歌詞を付けておきました。

Maria Callas: Dolce e Calmo *LIVE* (Liebestod)

Dolce e calmo, sorridente,
Ei dischiude gli occhi belli.
Nol vedete?
Come chiara Fiamma ei brilla:
Viva stella in alto ciel!
Nol vedete?
Come fiero balza il core?
Sgorga in lui qual magico fonte!
Sul suo labro calmo appar
La dolcezza del sorriso.
Dite! Ah! Non lo vede alcun?
Odo io sola questo canto?
Voce arcana, voce pia.
Calma, pura come il pianto,
Dolce incanto, inno santo,
Che penètra l'esser mio,
Risuonando a me d'intorno?
Cresce appressa, già m'invade.
Sei tu l'onda de le brezze?
Sei tu nube fatta d'incensi?
Che m'inonda, che mi avvolge.
Ch'io ti aspiri! Che in te spiri!
In te immersa e sommersa
Sento l'esser mio svanire!
Ne l'immenso ondeggiar,
Nel crescente clangor (fragor?).
Nel fulgor d'una luce immortal
Attratta, rapita, me smarrir!
Sommo ben!

Birgit Nilsson - Liebestod

Mild und leise, wie er lächelt
Wie das Auge hold er öffnet,
seht ihr, Freunde?
Seht ihr's nicht?
Immerlichter, wie er leuchtet
Sternumstrahlet hoch sich hebt?
Seht ihr's nicht?
Wie das Herz ihm mutig schwillt
Voll und hehr im Busen ihm quillt?
Wie den Lippen, wonnig mild,
Süsser Atem sanft entweht
Freunde! Seht!
Fühlt und seht ihr's nicht?
Höre ich nur diese Weise?
Die so wundervoll und leise,
Wonne klagend, Alles sagend,
Mild versöhnend
Aus ihm tönend, in mich dringet,
Auf sich schwinget
Hold erhallend um mich klinget
Heller schallend, mich umwallend,
Sind es Wellen sanfter Lüfte?
Sind es Wolken wonniger Düfte?
Wie sie schwellen, mich umrauschen,
Soll ich atmen, soll ich lauschen?
Soll ich schlüfgen, untertauchen?
Süß in Düften mich verhauchen?
In dem wogenden Schwall
In dem tönenden Schall
In des Weltatems, wehenden All
Ertrinken, versinken, unbewusst
Höchste Lust!

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2010年7月 7日 (水)

Callas Assoluta

不世出の大歌手マリア・カラスがギリシア語で話しているインタビューは見つけましたが、さすがに歌まではないでしょうか。もう少し探してみますが。
彼女の生涯と芸術がコンパクトにまとめられて、日本語字幕も付いた映像がありましたので、こちらを併せてあげておきます。そう言えば、何度かナツメロ枠で取り上げた奈良光枝さんとマリア・カラスは、生没年(1923-1977)が全く一緒なんですね。驚きました。

Callas Assoluta trailer (2007)

最初の部分は、没後30周年の時に製作され、ユーロスペースで上映された「マリア・カラスの真実」のプロモ映像のようです。インタビューや舞台映像が続いて出てきます。

Callas in Greece speaks greek. Interview August, 4, 1957

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2010年7月 6日 (火)

乾杯の歌~サムソンとデリラ

カラスのギリシアの歌を探していましたが、今日はちょっと時間がなくなったので、取りあえず椿姫の乾杯の歌と「サムソンとデリラ」を上げておきます。乾杯の歌は、おそらく全オペラ中で最も有名なシーンでしょう。ヴィオレッタの相手役アルフレードは、ジュゼッペ・ディ・ステファーノではないと思うので、例の55年のヴィスコンティ演出のスカラ座の録音ではないですが。

Maria Callas-Libiamo ne' lieti calici

Maria Callas - SAMSON (Greek Subtitles)

サン・サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」の名高いバッカナーレの部分から始まります。ここはオリエンタルな音楽が横溢していて、ベリーダンス・ファンの方などには受けがいいはず。実際そういう舞台も見たことがあります。ギリシア語字幕が入っていますが、歌詞はフランス語です。

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2010年7月 5日 (月)

マリア・カラス

ハリス・アレクシーウ、サヴィナ・ヤナトゥ他、ギリシアの歌姫を色々見てきましたが、もう一人絶対に忘れてはいけない人がいます。ジャンルはクラシックになりますが、マリア・カラスです。この人がイタリア・オペラにおいて20世紀屈指の(私は一番だと思いますが)大歌手であることは論を待ちません。異論を唱える人も少ないはず。サバタ指揮1953年録音のプッチーニ「トスカ」のスカルピアとの凄絶な二重唱を聞いた時など、鳥肌が出て収まりませんでした。
今から30年ほど前に最初に聞いたのは、ジュリーニ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団の「椿姫」で、録音の悪さを越えてくるカラスの名唱や、「乾杯の歌」「プロヴァンスの海と陸」などにも酔いしれました。演出は「ヴェニスに死す」などの映画監督として有名なルキノ・ヴィスコンティ。このトラヴィアータやプレートル指揮のカルメンなど、決定版は数多くて数えられませんが、ベッリーニやドニゼッティの名作も最高です。
若い頃はドイツ・オペラも得意にしていて、ワーグナーのトリスタンとイゾルデの「愛の死」などの録音も残っています。冒頭「ミルト・ウント・ライゼー~」と歌い出す所を「ドルチェ・エ・カルモ~」とイタリア語で歌っているのには思わず笑ってしまいましたが、これはこれで素晴らしい歌唱です。カラスの「トリスタンとイゾルデ」の全曲が出れば即ゲットと思いながら、いまだ見たことはありません。
しかし、なぜにこれほどギリシアという所は、各ジャンルに傑出した素晴らしい歌手(特に女性)が出てくるのでしょうか。90年代初頭の一時期取付かれた様に寝ても覚めてもカラスの歌ばかり聴いたことがありましたが、あの時は映画「ディーヴァ」の主人公の気持ちがよく分かりました(笑) 明日はカラスが母国のギリシア語で歌ったものはないか、探してみようかと思います。

Casta Diva -- Maria Callas (Best)

カラスが十八番にしていたベッリーニのオペラ「ノルマ」中で最も有名なアリア「カスタ・ディーヴァ」。

Maria Callas - La Traviata

コロラトゥーラの技法を盛り込んだ「椿姫(トラヴィアータ)」中で最も有名なアリア「ああそはかの人か~花から花へ」。

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2010年7月 4日 (日)

ヤナトゥとプラトノスのクレプスキュールな音楽

ヤナトゥの歌に戻って、気になっていた2本を上げてみます。レナ・プラトノスはサヴィナ・ヤナトゥとの共同作が多く、プラトノスが作曲または編曲(ハジダキスの曲もありました)し、ヤナトゥが歌うというパターンで、プラトノスの声は直で聞いたことがあるようなないような、、、という印象。不思議な音楽家です。
今日の2本はギリシアの詩人Kostas Karyotakis (1896-1928)の詩につけられたもの。ギリシア彫刻の一本目が特に目を引きますが、内容は往年のクレプスキュール・レーベルかディップ・イン・ザ・プール(甲田益也子(vo)他)辺りを思わせるような、静謐でノスタルジックかつ高雅なイメージの楽曲です。筆者はその両者含むニューウェーヴ界隈の音楽に80年代はどっぷりだったので(後者は当時ライヴも見ましたし)、結構懐かしいイメージで聞いてしまいました(笑) ヤナトゥとプラトノスがその辺のムーヴメントを知っているのかどうか、気になるところです。

KARYOTAKIS - PLATONOS

KARYOTAKIS 2 - PLATONOS

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2010年7月 2日 (金)

サロニカのセファルディー

昨日の内容を受けて、ギリシア北部の町サロニカのセファルディーの映像はないか調べてみましたら、ありました。一本目のアディオ・ケリーダは、メロディの哀切な美しさが際立っているセファルディー民謡です。サロニカのシナゴーグの合唱団による演奏のようです。タイトル通りユダヤ・スペイン語(ラディノ語)による歌で、ラディノと聞かなければスペイン語だろうと思ってしまう程、語感はそっくりですが、ヘブライ語やアラム語の語彙もかなり出てくるので、そこで分かるかと思います。3本目はサロニカ(テッサロニキ)の歴史と文化紹介のビデオ。残念ながら全て埋め込み禁止でした。

Adio Querida
http://www.youtube.com/watch?v=t5J9Jk-4b6Y

Yassé Shalom
http://www.youtube.com/watch?v=iCUUYlBJVfg&NR=1
同じ合唱団による「オーセ・シャローム(平安を造り給う方)」。Yasseとありますが、安息日の歌オーセ・シャロームです。こちらはヌリート・ヒルシュ作曲のヘブライ語の歌で、コミュニティーで言えばアシュケナジームの方になりますが、この映像のようにセファルディー社会でも歌われるようです。

SALONICA MEMORIES
http://www.youtube.com/watch?v=-gHO9DC3w-s&feature=related
Old Pictures from Salonica (Thessaloniki), Greece. A city where Muslims, Jews and Christians lived together from 15th to 20th century. A city of ghosts from the past. Today, the second largest city of Greece, capital of the Macedonia province.

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2010年7月 1日 (木)

セファルディーの歌でのヤナトゥ

ギリシアの女性歌手サヴィナ・ヤナトゥの歌に戻ります。今日はセファルディーの歌です。彼女がセファルディー歌謡を歌う時に必ずと言って良いほど伴奏している「サロニカの春(Primavera En Salonico)」の名にある通り、ギリシア北部のサロニカ(テッサロニキ)に残るセファルディー(スペイン系ユダヤ人)の民謡に触れたことがきっかけだったとどこかで読んだ記憶があります。母国ギリシアに今も息づくスペイン系ユダヤの歌を発見した驚きが大きかっただろう事は容易に推測が付きます。1492年前後にイベリア半島を追放されたユダヤ人は、対岸の北アフリカや当時のオスマン帝国領(ギリシアを含むバルカン半島やトルコなど)に離散していきました。広く地中海の歌を探究するヤナトゥにとって、色々な文化がクロスしているセファルディーの歌は、非常に魅力的に映ったに違いありません。

Savina Yannatou - Nani Nani

Primavera en Salonico - Tres Hermanicas Eran

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