ヴァンパイアを追い払う曲
ハローウィーン(ハロウィーンと表記する方が一般的になっているようです)の夜ですので、前々から暖めてありました吸血鬼ネタを。今日のタイトルは、びっくりするようなタイトルだと思いますが、現に以下のCDの曲目のタイトルになっていました。その盤とは仏OcoraのYusoslavie-Les bougies du paradis(セルビアの音楽 「楽園の蝋燭」)で、18曲目のMelodie pour chasser les vampiresが今日のタイトル名の曲です。大分前の盤(録音は内戦以前の70年代)で、CDでもほぼ廃盤状態なのが残念ですが、東セルビアの山岳地帯の、スラヴだけでなくケルトの伝統も受け継ぐというヴァラキア族の音楽が収録された盤でした。
特に注目なのはヴァンパイア~ドラキュラ伝説にも密接に繋がるという「死」の儀礼音楽。12~19曲目がその部分に当たります。今日の映像では、バグパイプ(ガイダ?)とヴァンパイアを追い払う曲の笛(おそらくフルーラ)の音が重ねられています。件の曲は、吸血鬼になりそうな死者に杭を打ち込む時に奏されるとのこと。意外に飄々とした笛の音からは、そんなおどろおどろしいイメージは沸かないかも知れません。
なお、ヴァラキア族というのは、おそらくヴラフ人(ルーマニア系)のことではと思います。吸血鬼伝説の故郷と言われるスラヴ世界と、ドラキュラのモデル(ヴラド・ツェペシュ)が実在していたルーマニアの文化がクロスする場所での貴重な記録です。
明日以降この音源の舞台であるMiroc村周辺の映像を当たってみます。
Pădure, soro pădure / Sister forest
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