ブラームスのピアノ四重奏曲1番終楽章のツィゴイネル風味
クラシックのジプシー音楽風作品と言えば、ブラームスのハンガリー舞曲や、リストのハンガリー狂詩曲、サラサーテのツィゴイネルワイゼン(スペインの作曲家なのにハンガリー風音楽)がやはり筆頭ですが、他にもシューマンの「流浪の民」、モンティのチャールダーシュ、カールマンのオペレッタ「チャールダッシュの女王」辺りが割と広く知られてきたのではと思います。
19世紀後半のヨーロッパでは、一種のエスノ音楽(異国趣味)としてジプシー音楽の要素を入れると人気が出る傾向があったようです。ブラームスの場合、ハンガリー舞曲集が作曲家として名声を上げるのに一役買ったのも事実のようですが、彼はジプシー音楽に深く共鳴する所が元々あったのではと推察されます。なぜなら、彼独自の純音楽の中にもジプシー風のメランコリックな主題が組み込まれる場合がいくつか見られるためで、その例として、ブラームスのピアノ四重奏曲1番の終楽章が上げられるかと思います。現代音楽の幕を開けた作曲家シェーンベルクが管弦楽編曲したことからも、大衆に迎合するような外面的効果に留まらないブラームス独自のテクスチャ的な充実度がうかがえます。ブラームス本来の深く渋い音楽性にジプシー音楽が組み込まれ、それをあのシェーンベルクが編曲するという注目の一曲です。
オケ版は色々候補がありますが、原曲はやはりGidon Kremer, Martha Argerich, Mischa Maisky & Yuri Bashmetのドイツ・グラモフォン盤でしょうか。
Brahms: Piano Quartet No. 1 (orch. Schoenberg) / Simon Rattle · Berliner Philharmoniker
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏で。
Brahms Piano Quartet Nr. 1 G minor Opus 25 Camerata Busoni
こちらは原曲のピアノ四重奏曲版。カメラータ・ブゾーニとはまた良い名前です。
| 固定リンク
「ハンガリー」カテゴリの記事
- バルトークの44のヴァイオリン二重奏曲のスロヴァキア民謡(2024.11.28)
- ディ・ナイェ・カペリエのカルパチア風味(2024.04.08)
- MarmaroshとムジカーシュのSzol a kakas mar(2023.12.13)
- ブダペストのドハーニ街シナゴーグ(2023.05.26)
- コル・ニドライとコール・ニドレイ(2023.05.25)


コメント