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2011年1月23日 (日)

マジャールの民謡

ハンガリーの自称は「マジャール」ですが、彼らのルーツの地がウラル山脈周辺であることは、当ブログを始めたころに触れたことがあります。これからしばらくジプシー音楽をできるだけ外して、ハンガリー古来の民謡、マジャールの民謡を探してみたいと思います。マジャールの民謡と言えば、バルトークのピアノ曲などに出てくるように、五音音階が目立ち、その印象からアジア的とのイメージを持ちますが、そう簡単な話でもなさそうです。ウラル民族は人種的にはやはりノルディーデに近いようですから、外面的にはヨーロッパ人に近い風貌が元々多かったのではと思われます。ウラル民族の国と言えば、ハンガリー以外ではフィンランド、エストニアが代表格で、彼らもハンガリー人と近い関係になりますが、両方が収まっているフィン・ウゴル系民族の中でウゴル系の方にハンガリーは入ります。フィン・ウゴル諸語が集中しているのが、ヴォルガ中流域のマリ(旧称チェレミス)周辺で、この辺りの五音音階の民謡とマジャール民謡の類似は古くから指摘されていましたが、ハンガリー語により近いのは西シベリアのウゴル諸語になります。音的にはフィン系のヴォルガ中流域、言語では西シベリアというのがユニークなところではと常々思っていました。そんなマジャールの歴史は興味尽きないものがあります。

679 Hortobágy 1936. Hungarian folk music. Magyar népzene.



これは素晴らしい映像です。戦前のホルトバジーでの映像でしょうか。例の「エチェル村の結婚式」に出てくる民謡があります。ロマの楽士も出てきています。

Art of Klara Takacs (Klára Takács) 031/03 Bartók B.: Five Hungarien Folk Songs for Voice & Piano



バルトークの歌曲ですが、2曲目は古いハンガリー民謡の引用例として有名。いかにもマジャール的な民謡です。バルトークの蝋管録音にも入っていました。

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