ヴェルブンコシュとヴェルブンク
ヴェルブンコシュ音楽は、チャールダーシュとして都会的に洗練される前にハンガリーで流行った音楽で、募兵活動で使われた男性の踊り、ヴェルブンクが中心になっています。新兵を募集する踊りや行進曲の伴奏音楽が元にあるので、ヴェルブンコシュの流れを汲むチャールダーシュにもマーチ的に感じられる部分があると思います。どちらもジプシーの極度に技巧的なヴァイオリンが中心に演奏されますが、ヴェルブンコシュの素朴で荒削りな魅力と言うのは、現代のヴェルブンクにもたっぷりと感じられます。特に一本目の踊りは、グルジアの踊り以来の驚きでした。
Romafest Gypsy Dance Theater - Verbunk
Szatmári verbunk
こちらはハンガリー北東部サトゥマール地方のヴェルブンク。
SZATMÁRI CSÁRDÁS
12日にアップしたサトゥマールのチャールダーシュ映像ですが、上のサトゥマールのヴェルブンクと同じ曲です。ステップなどが違うのでしょう。
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コメント
以前にグルジアンダンスの記事にコメントさせていただいたものです。その後も時々のぞかせていただいては知らない音楽に触れさせていただいております。
一本目のVerbunkにはびっくりしました。すごいパワーですね。と同時に南アフリカのガムブーツダンスを思い出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=iSgFAG0mtac
こちらもショーアップされたものを見て知りました。
http://www.youtube.com/watch?v=ce_2p9wQRS4
こういう身体を打楽器のようにして踊る踊りというのはきっとあちこちにあるんでしょうね。
投稿: SIVA | 2011年1月19日 (水) 03時27分
SIVA様
コメント有難うございます。ロマフェストというのは日本でもありましたので、ヴェルブンクも東京でも見られれたのかも知れません。映像を見るのは初めてだったもので、正直たまげました(笑)
南アフリカの方も興味深いですね。南アはオランダ領だったこともありますので、もしかしたらルーツはヨーロッパにあったりして、などと想像してしまいました。普通に考えて暑いアフリカの黒人の社会でブーツを履いて踊るという行為は出てこないような気がしたものですから。
投稿: Homayun | 2011年1月20日 (木) 21時36分
かつて炭鉱などで使役されていた黒人たちがいろんな所から集まってきていて言葉が通じにくいうえに暗がりでは身振り手振りが通じないので口笛とブーツを叩く音でコミュニケーションを取るようになったのがガムブーツダンスの始まりだという説を聞いたことがあります。
アイリッシュダンスなども宗教上男女が触れ合わないようダンスが抑圧されていたからとかイングランド人から派手な音曲を禁止されていたからとかの抑圧的なものへの反発で起こったという説を聞きますが、歌や踊りというものはどう抑圧されても奪われることがないものなのでしょうね。
投稿: SIVA | 2011年1月21日 (金) 00時39分
SIVA様
いつも有難うございます。遅レス済みません。
なるほどそういう経緯があったんですね。その炭鉱を興したのとブーツを持ち込んだのは、やはり西洋人なのでしょうね。そう言えば、アメリカのブルースも、搾取される黒人たちの一種の作業歌から発したのでは。
アイリッシュ・ダンスの件も初めて知りました。搾取されたり抑圧されることで、より強度の高い音楽が実際生まれているように思います。
投稿: Homayun | 2011年1月28日 (金) 21時45分