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2011年2月 1日 (火)

セーケイの音楽と踊り

ジメシュの西隣のセーケイ地方の音楽を見てみたいと思います。大分前にアップしたことのあるポントゾーのような男性の踊りが目立ちます。その陽気さは、トランシルヴァニアについての一般的な先入観を覆すものかも。
セーケイ人(ルーマニア語ではセクイ人)はトランシルバニア東部のセーケイ地方に住んでいるハンガリー系住民ですが、彼等の起源は諸説あって、アッティラが率いたフン族の子孫という古い説、また別な遊牧民族アヴァール起源説というのも登場しているようですが、どれも伝説の域を出ず、いずれにしても彼らは自他共に“ハンガリー人の中のハンガリー人”と呼ばれているとのこと。マジャールの古い文化を最も色濃く残す場所の一つです。
そもそもハンガリーのフン族語源説(Hun-gariaの綴りから明白なように)がある位ですから、フン族の子孫という説が出てきても不思議でないような気もします。セーケイについての説は小説「ドラキュラ」にも記述がありまして(つまりドラキュラ冒頭の舞台でもありますが)、「セーケイ人自らフンの後裔だと語っている」とありました。この辺りは19世紀末には知られていた話なのでしょう。マジャールとフンは、実際は別な民族で、前者がウラル系~フィン・ウゴル~ウゴルと枝分かれする系統なのは前にも書いたように明らかですが、フンは民族の系統が分かっていないようです。

Szekely

Felcsíki székely verbunk és féloláhos Táncháztalálkozó 2010 / Szekler Man's Dances



セーケイのヴェルブンク。ここでもガルドンが使われています。

Kodály Zoltán Székely fonó (A csitári hegyek alatt)



セーケイ民謡に基づくコダーイの声楽作品。

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コメント

セーケイのヴェルブンク、聴き入ってしまいました。笛の音。
ななめ笛の様ですが・・・ななめに構えているようにも、たてに構えている様にも見えますが・・・笛は、上唇に押しつけられている様なので、横向きに息を吹いているのでしょうか。
くわえている様にもみえませんし・・・
ナーイしか聴いたことがなかった私には、「こんなのありか!」という思いと、親近感となぜか安心がおこってきました。

投稿: 百本八本 | 2011年2月 2日 (水) 23時39分

百本八本様
いつも有難うございます。
この笛は例のタラフのフルートに似ているかも知れません。そう言えば、スロヴァキアにこの吹き口の大型のものがあったと思います。リコーダーのようなものではないし、イランのネイのようにただの筒でもない、もしかしたらトルコのネイの口に似てるのかも。

投稿: Homayun | 2011年2月 4日 (金) 00時36分

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