バラトン湖の波 (フバイ~シゲティ)
ハンガリーのジプシー音楽を聴いていて時々はっとするような曲に出会うことがありますが、今日の「バラトン湖の波 (Hullamzo Balaton)」も哀愁味溢れるメロディがとても印象的な佳曲です。CDでもいくつか記憶がありますが、シャーンドル・ラカトシュなどが確か吹き込んでいたと思います。
作曲したのは19世紀の名ヴァイオリニスト&作曲家のイェネー・フバイで、本人はユダヤ系ドイツ人のようですが、名前もハンガリー風な表記に改め、書いていた曲がこれまたハンガリーの民族色豊かな曲が結構あります。彼はブラームスとの音楽活動で有名なヨーゼフ・ヨアヒムの高弟で、弟子にはあの名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・シゲティもいます。
タイトルのバラトン湖はハンガリーだけでなく、中央ヨーロッパ最大の湖で、湖水浴を楽しむ観光地として知られますが、そういう面と、この曲の哀感とはイメージがかなり違うように思います。英語で「バラトンの思い出」と訳されていたこともあったので、その辺に秘密がありそうです。
Bokor János: Hullámzó Balaton tetején
バラトン湖畔でのジプシー楽団の演奏。歌入り。
Joseph Szigeti- Hubay: Hullamzo Balaton Op.33
何とシゲティの映像がありました。
Hubay Czardas No.3 for violin & orchestra
フバイはチャールダーシュも書いていました。弟子のヨーゼフ・シゲティの演奏。
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