Potta Gézaの至芸
チャールダーシュは都会(ブダペスト)で演奏される音楽というイメージが強いですが、田舎にもケレマスキ・ジリのような素朴な農村ジプシー音楽ではなく、チャールダーシュやヴェルブンコシュ系の音楽を演奏する人がいて、それがかなり印象的だと思います。そんなジプシー・ヴァイオリンの名手の一人にポッタ・ゲザという人がいます。Folk Europaから出ていたアルバムSzulettem mint primasは、とても素晴らしい内容でした。彼はスロヴァキアの国境に近い村に1933年に生まれたジプシー・ヴァイオリイストで、youtubeでも田舎の小編成のチャールダッシュやヴェルブンクが聞けます。正に歌うようなヴァイオリンですが、弾き語りも聞かせています。ヴァイオリン弾き語りと言えば、チェコのイヴァ・ビトヴァを思い出させますが、こういう伝統はこの辺りに昔からあったのでしょう。
Potta Géza és Pimasz
Potta Géza és zenekara - Csárdások simán (Születtem mint prímás)
上記のFolk Europa盤から
416 Potta Géza: györkei verbunk
Potta Géza mókázik a Zsigulival
418 Potta Géza: brácsásáról Pimaszról beszél
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コメント
ヴァイオリン、あごに、はさまないんですね。
となりの方の弾かれているのも、ヴァイオリンなのでしょうか?
投稿: 百本八本 | 2011年2月 9日 (水) 22時07分
百本八本様
いつも有難うございます。
クラシックでは音の急速な跳躍が多いため、あご当てと肩当は必須ですが、ジプシー音楽では細かい音のメリスマ(コブシのような)は多くても、大きな音程の跳躍は多くないように見えますので、クラシックで必要な二つの小道具は不要なようです。大体第1か3ポジション中心に弾いているようです。肩当をする代わりに、左手の手のひらの下の方でネックを支えているように見えます。これだと急なポジション移動には対応しにくいはず。
これまでいくつもアップしましたように、伴奏のヴァイオリン(もしくはヴィオラ)は、左の方のように立てて構えるのが普通です。こちらはあご当ても見えません。調弦も強烈な重音が出るようにしているようです。いずれも西洋的な弾き方からは考えられない点です。
以上、私自身ヴァイオリン(もちろん西洋式ですが)を弾いていましたので、多少は詳細に見られるかと思います。
投稿: Homayun | 2011年2月10日 (木) 00時44分