サトゥマールのフィドルとSzól a kakas már
サトゥマールの音楽と言えば、フンガロトンの「サトゥマール地方のハンガリー音楽 Szatmari Bandak」(残念ながら廃盤のようです)をどうしても思い出しますが、その中には一昨日の一本目のヴェルブンク(チャールダーシュとも言えるようです)が2曲目に入っていて、更にはムジカーシュ&マルタ・セバスチャンのハンニバルからの名盤「マラマロシュ(トランシルヴァニアの失われたユダヤ音楽)」の白眉ソール・ア・カカシュ・マールも入っています。マラマロシュ(現在のルーマニア北部のマラムレシュ辺りのようです)に伝わっていたユダヤの哀歌は、迫害によって歌そのものの主を失ったようですが、この地のロマの音楽家によって記憶されていたというもの。この余りに印象的なメロディは、西に隣接するサトゥマールでも伝承されたのでしょう。一昨日見た舞踊も古いスタイルを保っているように思いました。
この地方、ハンガリーの民族音楽学者の間では「Hungary`s Transylvania」と形容もされるようです。その位この地方には古いハンガリー音楽の伝統が残っている所として知られています。
Szól a kakas márについては、ちょうど一年程前にもユダヤ音楽枠で取り上げました。「サトゥマール地方のハンガリー音楽 Szatmari Bandak」のライナーノーツは、Brave Old Worldのマイケル・アルパートも書いています。これは見逃せないポイントでしょう。
一昨日書いた「ウクライナのカルパチア西麓の地方名」とは、ルテニアでした。2008年2月12日にブログにも書いていました。
Keller Dániel - Szatmári egyveleg
素晴らしいテクニックのプリマーシュです。II. Prímásverseny Kecskemét 2009. Keller Dániel - Szatmári egyveleg. Folk Band Leader Violinist Competition, Kecskemét Hungary 2009. Hungarian music from Szatmar.
Bara zenekar - Szatmári muzsika
年末にハンガリーシリーズを始めた時に見た女性フィドラー(グループ名はバラ・ゼネカル)。サトゥマールのグループなのか、この地方の音楽をやっているのか、どちらかは不明ですが。
Muzsikás & Sebestyén Márta: Szól a kakas már - Pe loc
ムジカーシュ&マルタ・セバスチャンのSzól a kakas már
| 固定リンク
「ハンガリー」カテゴリの記事
- ディ・ナイェ・カペリエのカルパチア風味(2024.04.08)
- MarmaroshとムジカーシュのSzol a kakas mar(2023.12.13)
- ブダペストのドハーニ街シナゴーグ(2023.05.26)
- コル・ニドライとコール・ニドレイ(2023.05.25)
- カディッシュ(2023.05.24)
コメント