追分ロード
昨日で記事数1200になってました。いつの間にやらという感じです。さて追分ロードと題して、以下の「日本民謡辞典」(東京堂出版)の解説を参照しながら各地の追分を見てみたいと思います。松坂と言うのは三重県の松坂市のことではなく、越後でかつて歌われた祝唄を指しています。座頭や盲目の女芸人、瞽女(ごぜ)が三味線弾き語りで越後から東北、北海道にまで広めたジャンルとして知られているかと思います。
追分の流動伝播のあとは、今日、常識的には碓井峠の馬子唄が、中山道の浅間三宿(追分、沓掛、軽井沢)の飯盛女の三味線唄〈追分節〉となり、越後に伝わって〈越後追分〉、さらに日本海の舟によって運ばれ、途中に〈酒田追分〉〈本荘追分〉等を定着せしめつつ、北海道まで運ばれて〈江差追分〉を派生したというのが定説になっている。(中略)おそらく〈追分節〉は信濃追分宿が発祥地であろうが、一説には中山道沿いに流れてきた馬子唄が〈小室節〉となり、追分にわって〈追分節〉となったともいい、その他〈江差追分〉には独自にアイヌと義経伝説がからんでいたり、越後の松崎謙良という検校が北海道へ渡り〈越後松坂くずし〉をうたったのを〈ケンリョ節〉と呼んだのが北海道の追分の源流であるとか、その発生にはさまざまの伝えを残している。
越後追分 櫛野節謡
信濃追分 早坂光枝
本荘追分 ゆかり
南部追分(弾き語り) / 小柴昇
これは南部ですから、岩手の追分になります。
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コメント
越後追分、ソイ掛けがあるんですね!
浮くも沈むも、の歌詞も、江差追分の歌詞として聴いたことがある様に記憶しています。
投稿: 百本八本 | 2011年4月 1日 (金) 22時38分
百本八本様
ソイは結構色々な唄に出てくるのでは。特に尺八だけの伴奏の時に多いような気がします。
江差追分の歌詞は基本以下の3段編成ですが、違う歌詞が入ることもあるのでしょうか。
(前唄) 国を離れて 蝦夷地が島へ 幾夜寝覚めの 波枕
朝な夕なに 聞こゆるものは 友呼ぶ鴎と 浪の音
(本唄) 鴎のなく音に ふと目を覚まし あれが蝦夷地の 山かいな
(後唄) 月をかすめて 千鳥が鳴けば 波もむせぶか 蝦夷の海
投稿: Homayun | 2011年4月 4日 (月) 00時55分
浮くも沈むも・・・気になって、調べてみましたが、見つかりませんでした。
歌詞自体は、本唄は代表的なのが3種類あって、それをヴァリエーションしてもよいらしく、本唄に合う前唄と後唄も代表的なのがいくつもあり、それぞれ組み合わせを変えても、ヴァリエーションをつけても、新しい歌詞を作ってもいいらしいですでした。
私は、本唄の最初に覚えた歌詞は、忍路高島およびもないが、せめて歌棄磯谷まで
で、
最初に覚えた後歌の歌詞は、浮くも沈むもみなそのひとのね、梶の取りようと腕次第、というものだったと思います。
投稿: 百本八本 | 2011年4月 4日 (月) 23時06分
百本八本様
いつも有難うございます。お詳しいですね。
元々はそちらがご専門ですか?
いずれにしても、七五調の言葉自体からして美しいですね。
江差追分と言えば、1ヶ月程前にFMの民謡番組で古い(戦前?)録音を流していて大変に興味深いものがありました。
餡子として新内を入れることもあったそうです。新内を入れると江戸風の洒落た感じになるというこのとようです。
投稿: Homayun | 2011年4月 7日 (木) 00時30分