サハのホムス1
長く厳しい冬を過ごさなくてはいけないサハの人々の感情が高揚する現場に遭遇したようなスパニッシュの後は、いよいよ国民楽器とされるホムスです。口腔内を様々に共鳴させる玄妙な音色は、春の訪れを告げる喜びの表現そのものと言われます。口琴は世界に数あれど、表現力と音色の豊かさではやはり「口琴の王者」なのでしょう。演奏している時の表情や空気感も非常に大事な要素だろうことは、ヤクーツクのホムス大会の映像を見ると分かります。大地のインスピレーションを感じながら、自然に湧き出るような悠揚迫らぬリズムと音色は実に素晴らしいです。ロシア化後も北アジアの大地に生き続ける「シャーマニズムの心」と言えるでしょうか。
93年にイヴァン・アレクセイエフとスピリドン・シシーギンのライヴを聞きに行きましたが、彼らのような大御所の演奏のyoutubeはすぐには見つかりませんでした。ありましたらまた後日アップします。
ヴェトナムのトラン・カン・ハイの妙技も3本目に上げておきます。この人は世界のどの口琴を弾いても驚異の演奏を聞かせますが、さすがにサハの空気感までは表現するのは難しいでしょうね。やはりサハの冴え渡った(行ったことはないので想像ですが)空の下で聞きたい楽器です。音源情報
Khomus player Fiodorova Natalia
Fiodorova Natalia is nominated as "charming sounds khomus player" on competition "Khomus Kuo" in Jakutsk in 2009.
Khomus player Kulichkina Maria
Kulichkina Maria won khomus player competition "Khomus Kuo" in Jakutsk in 2009.
Tran Quang Hai improvizes with the Yakut Khomus Jew's harp
| 固定リンク
「シベリア」カテゴリの記事
- ブルガリアン・ヴォイス&フーン・フール・トゥ(2021.01.28)
- スキト=シベリア(スキタイ~シベリア)(2011.06.15)
- озеро байкал(2011.06.09)
- Шамхандаа(2011.06.08)
- ヴィソーツキーとコージンの歌うマガダン(2011.06.06)
コメント