ナイマン、メルキト、オイラト
シベリア南部のテュルクでは一番有名なトゥヴァが残っていますが、少しモンゴル系の方向も探していたら珍しい映像が見つかりまして、今日はその辺りを取り上げてみます。
タイトルに3つの部族を上げました。いずれもモンゴル系とはっきり記述はありませんが、モンゴル、テュルクと並べるなら、モンゴルに近い方なのではと思います。この辺には遊牧部族集団をどちらに位置づけるかの難しさが表れているように思います。
ナイマンと言えば、イギリスの現代作曲家マイケル・ナイマンを即座に連想しますが、ナイマンという名前の部族がチンギス・カンのモンゴル統一以前にいまして、その部族名です。現在もカザフスタン東部で40万人以上のナイマン族が居住しているそうです。
オイラトは、モンゴル高原の西部から東トルキスタン(新疆)の北部にかけて居住する民族で、オイラト人と呼ばれる人々は今ではモンゴル民族の一員とみなされているので、モンゴル音楽として知られているものでもオイラト系の音楽が多いのかも知れません。(ですので、今日はオイラトのyoutube検索は外しました)大分前に取り上げましたカスピ海北部のカルムイクは、モンゴル系の飛び地と書きましたが、正確にはこのオイラト系になるようです。
メルキトはモンゴル帝国以前の時代にモンゴル高原北部から東南シベリアにかけての地域に割拠していた遊牧民の部族集団で、ブリヤートに近い民族系統になるようです。ルーツはウラル系のサモエード、後にテュルク化を経て最終的にはモンゴル化したらしい、という流れはブリヤートと同じです。
これらの民族については追分ロードにも密接に関わってきそうですので、またそれぞれ個別に当たってみようかと思っています。
Монгол Төрийн Найман Их Хүлэг
ナイマン族関連の資料。音楽はモンゴルのオルティンドーだと思いますが。
Песня "Беш меркит"/ "Besh Merkit" song
メルキトの伝統音楽ですが、これはキルギスやカザフの音楽にかなり似ています。そこに喉歌も入ります。
| 固定リンク
「ウラル・アルタイ」カテゴリの記事
- バシキールの民舞と民謡(2018.08.24)
- バシキールの縦笛クライ(2018.08.23)
- バシキールのウズリアウとモンゴルのホーミー(2018.08.22)
- バシコルトスタンの伝統音楽(2018.08.20)
- キプチャクとマジャール(2018.07.19)
コメント
面白かった ナイマン人の事あまり 知らないので どんな 服装着て どんな顔してた だろうな。
投稿: チンギス | 2012年1月26日 (木) 08時01分
チンギス様
有難うございます。ナイマンと聞くと激しく反応してしまうのは、やはりマイケル・ナイマンの名を連想するからだと思います。それがこの記事のきっかけになりました。
投稿: Homayun | 2012年1月27日 (金) 12時56分