urvan→盂蘭盆
お盆の正式名称「盂蘭盆」は、サンスクリットの「ウランバナ」から来ていることは比較的知られていると思いますが、そのまたルーツは、と言うと古代イランの言葉で「霊魂」を意味する「ウルヴァン」(urvan)が語源だとする説が有力になっているようです。一方、何年か前にTVでソグドの遺跡を取材した番組で出演されていた加藤九祚教授は、ソグド語には「お盆」のルーツに当たる「ウルヴァン」という言葉がある、とクイズの答えとしておっしゃってました。ソグドもイラン系ですから、古代から中世まで中央アジアのイラン系民族の間で使われていたのでしょうか。古代イランのゾロアスター教(拝火教)の文化が仏教に及ぼした影響というのは、勿論これだけではないようです。西のユダヤ教やキリスト教への影響も見逃せないもので、旧・新約聖書の中に表れています。(ここでは触れませんが)
そんな東西の繋がりを遠く感じながら、お盆の大文字焼きなどの送り火や、おわらでの提灯?などを眺めると、確かにしっくりとイメージがわいてきます。例の徳島のドキュメンタリーに出てきた阿波踊りのルーツ、津田の盆(ぼに)踊りでは、確か迎え火が焚かれていました。「おとう、もんといでよ~」と海に向かって叫んでいました。南国徳島でのストレートな愛惜の表現に対して、実に奥ゆかしいというか、リズミカルではないけれど、おわらのストイックなまでの様式美も凄いなと思います。
2009おわら風の盆(深夜の町流し)
おわら風の盆 午前2時
おわら風の盆 午前5時
夜明けの「おわら」
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コメント
深夜もあるのですね。たっぷり聞けて、よかったです。
投稿: 百本八本 | 2011年8月25日 (木) 22時04分
百本八本様
夜を徹して開催されるようですね。しかし、同じ人がずっと踊っている訳ではないのでは。
投稿: Homayun | 2011年8月26日 (金) 23時20分