シュランメル音楽
ワルツもヨーデルもオーストリア西部のアルプス山麓のチロル辺りから始まったそうなので、ワルツはウィーンへ、ヨーデルはスイスにも広まって、本家より有名になった、ということだろうと思います。ウィーンで19世紀末頃から広まった音楽にシュランメルがありますが、楽器や編成ではクラシック的でも、素材としては当時の民謡が中心のようです。現在も盛んに演じられているとのこと。(ですので、意外に思われるかも知れませんが、昨日はレスに大衆音楽と書きました) この音楽はシュランメル兄弟が始めたので、こう呼ばれています。兄がヨハン・シュランメル(1850ー1893)、弟がヨーゼフ・シュランメル(1852ー1895)ですから、二人とも19世紀の人です。
ウィーンは今でもクラシック音楽の中心都市であるのは、言うまでもありませんが、一方この町は長らくオスマン帝国と接し、オーストリア・ハンガリー帝国の中心でもありましたから、東方世界の文化を北ドイツより柔軟に取り入れたとされます。ツィターもそう言えば東方からもたらされたようです。伝統と異文化の同居する都には、新ウィーン楽派という現代音楽に繋がるムーヴメントも生まれました。
シュランメルの編成は、ヴァイオリン2本、コントラギター、G管クラリネットかボタンアコーディオンという編成が一般的で、その楽団の事を「シュランメルン」と「ン」をつけて呼びます。クラシカルな響きで、華やかな技巧を駆使しながらも、大衆的という興味深い音楽です。
Elisabeth Jess-Kropfitsch crosses over to the famose "Schrammel Quartett"
コントラギターの代わりのチェロ、ということでしょう。弦楽器の鳴らし方、フレージング等々、とても興味深いものがあります。
Wintergruen Boarischer - Guitar & Schrammel Guitar Volksmusik Duet
こういうギターデュオもあります。左がコントラギター
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