オスマン時代の名残りのルーマニア古楽 国歌
ドラキュラのモデルとして知られるヴラド・ツェペシュ公の、酸鼻を極めた抵抗は有名ですが、結局15~16世紀にワラキアとモルドヴァ、そしてトランシルヴァニア(以前はハンガリー領)もオスマン帝国の属国になりました。その後、ハプスブルク家のハンガリー領に戻ったトランシルヴァニアを残して、ワラキアとモルドヴァは1877年に独立。今日の映像の音楽は、その頃のものでしょうか。どこかオスマン的な香りがあります(特に1,2本目)。更にはオスマン以前のビザンツ的な感じも透けて聞こえるので、そうなるとギリシアの古楽とも似てきます(3本目)。
ルーマニアの音楽と言うと、ワラキアやモルドヴァのジプシー音楽やラウタルの音楽、トランシルヴァニアのハンガリー系音楽ばかりが有名になっている感がありますが、今日の映像のようなオスマン朝の影響の聞こえる音楽や、それ以前からのルーマニア正教会のドローン豊富な音楽などもあって、この国の音楽はかなり多面的だと改めて思いました。特にオスマン風というのは、他と比べて異質です。
最後5本目にルーマニア国歌を。TVRでよく耳にするこの荘厳で憂いに満ちた旋律は、とてもルーマニアらしい曲調です。
Old romanian music: Inima mi'e plina
Old romanian music: Bordeaias, bordei, bordei...!
Old romanian music - Lelita Saftita !
Romanian Hussars (after the 1859 Union of Principalities)
Imnul Romaniei (Romanian Anthem)
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