フォーレのピアノ五重奏
フォーレのピアノ五重奏曲は、ヴァイオリンが1本増えて、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1の、つまり弦楽四重奏とピアノという編成になり、響きがより厚く豊かになりますが、個人の音や妙技は四重奏ほど目立たなくなっているように思います。作曲年代は四重奏の方は1870~80年代なのに対し、五重奏は20世紀に入ってからの作品で、特に2番の方は、弦楽四重奏曲と並んで晩年の作品です。
ピアノ五重奏曲も結構youtubeがありますが、それらの中から演奏風景が確認できるもので、印象的な楽章の映像を拾ってみました。息の長いフレーズはフォーレの音楽の特徴ですが、ピアノ四重奏のような意外性のある転調は少ないようにも思います。モネかセザンヌの絵を連想させるようなピアノ四重奏より色彩感も渋い感じ。
Fauré, Piano Quintet No. 1, op. 89 (1), Radivo, Mennesson, Oswald, Hartmann, Robilliard
1番は作曲者自身のピアノ、イザイの弦楽四重奏団の演奏で初演され、イザイに献呈されたそうです。確かにこの曲はフランコ=ベルギー派のヴァイオリン音楽(イザイやヴュータン等)に近い印象があります。
Fauré, Piano Quintet No. 1, op. 89 (3), Radivo, Mennesson, Oswald, Hartmann, Robilliard
1番の終楽章。この冒頭のピアノの旋律は一度聞いたら忘れられない、フォーレらしい洗練された洒脱な音楽。
Faure - Piano Quintet No.2 Op.115, Ⅰ.Allegro moderato
これは珍しい。ロシアの女性奏者達による演奏。2番はポール・デュカスに献呈された曲。
А.Соломина-фортепиано
Я.Свистунова-1 скрипка
В.Бородянская-2 скрипка
А.Фирсанова-альт
Н.Новикова-виолончель
Fauré - Piano Quintet No.2, Op.115 - Andante Moderato
この2番の3楽章がフォーレ最高の作品と言う方も結構いらっしゃるようです。
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