ネアクシュの弾き語り
それでは昨日の内容を受けて、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの今は亡きニコラエ・ネアクシュの弾き語りを一本目に上げておきましょう。TV収録は93年ですから、まだ世界的な大ブレークよりは前で、ベルギーのCramWorldの数枚が一部のワールドミュージックファンの間で話題になっていた頃でしょう。
この人の歌唱を聞いていると、日本の節談説経に近いものを感じます。語りと歌の境が不明瞭になるような、語るように歌い、歌うように語るという、吟遊詩人の一つの理想形のように思います。
2本目にカリウと並んで出てきますが、タラフのヴァイオリン2トップの一人、大柄なコスティカも、たまに甘い歌声を披露していました。しかし語るように歌うタイプではなかったように思いました。色の浅黒いいかにもジプシーという風貌のカリウは、もっぱらヴァイオリン専門で、彼の歌声は聞いたことがありません。聞いてみたい気もしますが(笑)
2本目はタラフの新旧世代の揃った素晴らしい演奏で、ネアクシュも出てきます。若手の中でも負けずにエネルギッシュに弾いているネアクシュ翁の姿が確認できます。老いてもダンディで格好良いですね! この映像を見て、DVDに収められていたアンサンブルを指導する姿を思い出しました。
タラフの芸風の変遷(やっぱりあるように思いますが)を、彼はどう思っていたのでしょうか。気になるところです。
Taraf de Haidouks TV 1993 - Balada lu Corbea
Taraf De Haidouks - Tot Taraful
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コメント
2本目、本当に素晴らしい演奏だとおもいました。
画面に拍手しそうになっちゃいました。
投稿: 百本八本 | 2012年2月15日 (水) 22時26分
百本八本様
いつもコメント有難うございます。最近書きっ放しでレスがいつも遅くなりまして済みませんm(_ _)m
9月に来日しますから、未体験でしたら一度ライヴに行かれることをお薦めします。私は04年来日時に行ったのが最後で、あの頃は関東にいましたが、今は大分遠くなってしまったので、多分行けないでしょう(T_T)
投稿: Homayun | 2012年2月17日 (金) 00時20分