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2012年4月

2012年4月27日 (金)

サバー、テヘラーニ、パイヴァール、ホルモズィ Vn調弦の話

今日の動画のタイトルは、アボルハサン・サバーとなっていて、一応最初にヴァイオリンを弾くサバーが出てきますが、残念ながら音がありません。しかし、多分動くサバーが見られるのは、これだけかも知れません。その後には、サントゥールのファラマルズ・パイヴァールとトンバクのホセイン・テヘラーニ、ヴァイオリン奏者は不明ですが、こちらも貴重な映像には違いありません。テヘラーニの部分は他にも確か短いものがアップされていて、何年か前にトンバクの枠でアップしたことがあったと思います。終わりの方には、セタールとタールを弾くサイード・ホルモズィ(1897-1976)も出てきます。音と映像がずれていたり、空白の部分があったりと、よく分からないビデオではありますが、非常に貴重な古い映像が目白押しです。
ペルシア古典音楽でのヴァイオリンの調弦の件ですが、久々にブルーノ・ネトルの「世界音楽の時代」を開いたら、以下のように出ていました。「西洋と同じ(上から)e-a-d-Gという調弦の他に、e-a-d-A、d-a-D-G、e-a-e-Cという伝統的なイランのリュートの調弦に由来するものも使われている。」 D線やG線を一音上げるところだけ、そんなことをして大丈夫なのだろうかとも思いました(笑) まぁ太い方の弦ですから何とかなるのかも知れません。先日書きました(下から)ソレソレ(あるいはドソドソ)と言うのは、確か南インド古典のヴァイオリンの調弦だったように思います。読後20年も経つと記憶がかなりあやふやになりまして(笑)。お詫びして訂正いたします。
なお、連休の間ですが、時々アップが飛ぶこともあるかも知れませんが、どうかご了承下さい。

sabaa

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2012年4月26日 (木)

ペルシアン・ヴァイオリン

イランの古典音楽でのヴァイオリン奏法が分る映像を少しアップしておきます。これらを見て、西洋音楽のヴァイオリンに慣れている方は(慣れている方ほど)、かなり驚かれるのではないでしょうか。イランに元からある同じ擦弦楽器ケマンチェの奏法をヴァイオリンに応用したのだろうと思いますが、調弦だけでなく、ボウイングや装飾の入れ方等々、かなり違います。構え方こそ西洋式と同じですが。ケマンチェのような枯れたサワリ音こそありませんが、フリーリズムの部分に重きを置くペルシア音楽にはよく合う楽器だろうと思います。
一本目はホマーユン・ホラムの演奏でおそらくダシュティ旋法。二本目はハビブッラー・バディイーの独奏で、途中からトンバクが入ります。素晴らしい音色とテクニック! 三本目はアサドッラー・マリク。昨日のヤハギさんは、なかなか動画では良いものが見当たらないので、今回は見送ります。ッラー(アッラーの短縮)と付く名前がイランのヴァイオリニストには多いようですが、偶然なのでしょうか?

M4V

(قطعه دشتی از استاد حبیب الله بدیعی

persian classical violin asadollah-e-malek

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2012年4月25日 (水)

ホメイラ&パルヴィーズ・ヤハギ夫妻

ピアノだけでなく、イランの古典音楽に使われるヴァイオリンも独特で、チューニングは西洋式とは異なることが多いことは前に書きました。(下からソレラミではなく、高い方の弦を一音ずつ下げたソレソレが多いそうです) ペルシアン・ヴァイオリンは、特にイラン革命前に盛んだったようです。最近ではヴァイオリン奏者はほとんど見かけないように思います。
ヴァイオリンの名手ですが、古い人ではアボルハサン・サバーがいます。Mahoor Institutの盤には、ダシュティ旋法のデイラーマンがトップを飾っていますが、ヴァイオリン・ソロで、正に人が歌っているかのように聞かせる驚きの演奏でした。彼の後の世代では、アサドッラー・マリクとかパルヴィーズ・ヤハギなどが有名です。ヤハギは特に録音も多く、トンバクだけの伴奏から、アンサンブルまで広く古典音楽をこなす人です。
先日、女性歌手ホメイラについて調べていて、そのパルヴィーズ・ヤハギと夫婦だということを知り、とても驚きました。革命後かなり大変な状況にあったようですが、どうやら現在はアメリカ西海岸に落ち着いているようです。今日はヤハギのヴァイオリン演奏と、ホメイラの代表曲ダルヴィーシャンをアップしておきます。92年頃日本でも一部で話題になって、ダルヴィーシャン収録の盤がかなり人気を集めました。

Parviz Yahaghi Shoor mode

Homeyra Darvishan

مصاحبه ی منوچهر نوذری با استاد پرویز یاحقی و بانو حمیرا

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2012年4月24日 (火)

ホセイン・マレクのサントゥール

もう一人、60~70年代頃が全盛期だったと思われるサントゥール奏者に、ホセイン・マレクがいます。ドイツからのユネスコ・シリーズが出ていたレーベル、ベーレンライター・ムジカフォンのLP音源の再発CD化がアメリカのラウンダーから出ていたので、聞かれた方もいらっしゃるかと思います。
小泉文夫氏が著書でしばしば言及されていたサントゥール奏者は、この人だったと思います。パイヴァールやメシュカティアンのことは触れられてなかったような気がします。パイヴァールは1933年生まれなので、小泉さんがイランに留学された頃、パイヴァールはまだ若手だったでしょう。メシュカティアンは更に下の世代ですから。
マレクのyoutubeは2本見つかりました。マハジュビーでもそうですが、古い時期の生演奏動画はやはり見当たらないことが多いです。マハジュビーのピアノに似た感じなのは、パイヴァールよりはマレクかも知れません。より古風でありながら、とても鮮烈な音楽を奏でる人です。特に独奏が素晴らしかったです。

Ostad Hosein Malek 1

Ostad Hosein Malek 2

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2012年4月23日 (月)

オコラ盤の2曲目

昨日に続いてサントゥールの巨匠ファラマルズ・パイヴァールの演奏ですが、今日の一本目は例のOcoraからの「ペルシアの音楽」に収録されていた2曲目の演奏と同じだったと思います。この盤はオコラのCD第一号であるだけでなく、LPの頃から出ていた名盤ですので、聞かれた方はペルシア音楽の中でも屈指の多さかも知れません。
パイヴァールは2009年に亡くなりました。その際にも何か書いたような気もします。youtubeには追悼の映像もいくつかありました。この演奏は、パイヴァールの音の清々しさだけでなく、冒頭部分のホセイン・テヘラーニのトンバクの技巧にも驚かされます。どれだけ表現の引き出しがあるんだろうと、感嘆する演奏です。さすが「トンバクの神様」、その面目躍如たる演奏です。
ここまで書いて一旦アップしましたが、確認のためオコラ盤を聞いてみたら、ダストガーはセガーで、このyoutubeとは別でした。この演奏はMahoor InstitutのZard-e Malije収録のもので、カセットの頃に同じ音源がありました。何故勘違いしたかと言いますと、導入部のトンバクの手がほとんど同じだからでした。失礼致しました。m(_ _)m(笑)

زرد ملیجه : اجرای زنده یاد فرامرز پایور و حسین تهرانی

Ostad Payvar and Tehrani

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2012年4月22日 (日)

バナーンの古典歌唱 パイヴァールのサントゥール

ないなと思っていたバナーンの古典を歌った映像が見つかりました。解説の通りでGolhaye Javidan 139ということですから、例のラジオ番組ゴルハーの録音で、DastgahはChahargah、演奏はVocals: Ostad Gholam Hossein Banan, Piano: Ostad Morteza Mahjoobi, Violin: Ostad Ali Tajvidiとなっています。3分位からマハジュビーのピアノ伴奏に乗ってバナーンが登場します。タハリールたっぷりの美声を聞かせています。バナーンの音盤では、こういう軽古典ではないオーソドックスな古典声楽の歌唱はほとんど聞いた覚えがありません。これは貴重かも。
そして2,3本目には、ペルシアン・ピアノとの比較で度々言及していましたサントゥールですが、最も有名なファラマルズ・パイヴァールの演奏を上げておきましょう。特に80年代位までは、ペルシア音楽と言えばパイヴァールの音源を指すほど、有名な人でした。
最初の方は「トンバクの神様」ホセイン・テヘラーニの伴奏。名手がお互いにインスパイアしあった凄演です。後の方はテヘラーニよりは後の世代のモハンマド・エスマイリーのトンバク伴奏。バックにアブドルワハブ・シャヒーディーの姿が見えます。おそらく仏OcoraからのCD化第一号「ペルシアの音楽」の頃の演奏でしょうか。

Saz o Avaz - Chahargah - Banan Mahjoobi Tajvidi

payvar,4mezrab segah

faramarz payvar 4mez shur

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2012年4月20日 (金)

黒メガネのバナーン

昨日のタイロン・パワーのような美男の写真ではぴんと来ない方が多いかも知れませんが、今日の黒メガネのジャケットなら見覚えのある方が多いはず(笑) カルテックス等で90年代頃盛んに出ていた名歌手バナーンの写真です。こちらは黒澤明に似ているかも。
しかし、あれだけ見事なタハリール唱法を聞かせる人なのに、軽古典の録音が多いのが不思議に思っていましたが、思えば50~60年代頃はそういう方向性の全盛期だったのでしょうか。女性ならデルキャシュやマルズィエ、男性はバナーンが軽古典を沢山入れていたようですが、ゴルハーの音源には、アブドルワハブ・シャヒーディーやファーテメ・パリサーのような、完全に古典を歌う歌手の録音も結構ありました。古典寄りが多かったのは、CALTEXよりもTaranehだったと思います。他にマームーディ・ハンサリやナデル・ゴルチンもありました。

Bia a Saghi (Ostad Banan)

Raze Negah (Ostad Banan)

استاد بنان - آمدی جانم به قربانت ولی حالا چرا؟

Banan - Elahe Naaz

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2012年4月19日 (木)

バナーンとマハジュビー

今日はダシュティ旋法の「デイラーマン」を一躍有名にした往年の名歌手バナーン。同じダシュティ旋法の歌唱です。
世界的な民族音楽学者の故・小泉文夫氏は「世界で最も美しい歌」とペルシアの歌を賞賛しましたが、自著やラジオ放送でも特別にこのデイラーマンを取り上げていましたので、「最も美しい」という形容はこの曲辺りもイメージされていたのかも知れません。そのデイラーマンを聞かれたのも確かバナーンだったと聞いたような記憶があります。「イラン近代音楽の父」ルーホッラー・ハーレギーの曲など、軽古典的な楽曲を耳にすることの多い歌手です。優しく美しいタハリール(「鶯の声」)の入ったバリトン・ヴォイスのバックには、ダシュティらしく穏やかなペルシアのオーケストラ。この中にマハジュビーもいるのでしょうか。2本目が、そのバナーンの歌唱による「デイラーマン」。
今回マハジュビーについて調べていて、「黒いチューリップのうた」(Song Of Black Tulips)という絵本付きアルバムが出ていることを知り大変驚きました。Mahoor Institutからの2枚のマハジュビーの音源が使われているようです。Morteza Mahjubiと検索すると上の方に出てきていました。なお、この中では「モルテザー・マフジュービー」という表記になっていました。

Che Shabha - Mahjoobi-Navab Safa- Banan Mode: Dashti

Daylaman by Ostad Banan

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2012年4月18日 (水)

マハジュビーとマルズィエ

ここ数日マハジュビーとの共演シリーズになっています。今日は往年の女性歌手マルズィエ。1995年にAuvidis Ethnicからアンサンブル・サマーとの共演盤が出ていましたが、この盤は欧州(おそらくイギリス)への亡命後に収録されたものでした。1942年には本国イランでデビューしたと言う彼女は優れた才能に恵まれ幅広い活動を展開。しかし1979年のイラン革命後、女性音楽家は活動が禁じられ、その辛い時期を耐え忍び、94年遂に亡命。15年の歳月を経た亡命後のAuvidis Ethnic盤のジャケットではすっかり白髪になっていました。
今日のyoutubeは例のゴルハー時代のものと思われますから、50年代でしょうか。モルタザー・マハジュビーアボルハサン・サバー(ヴァイオリン)と言った、当時の大御所との共演です。古典、軽古典のどちらもこなす歌手で、そのいくつかはタラネーなどに録音が残っていたと思います。今日のyoutubeはホマーユン、シュールのいずれも軽古典の方の歌唱になります。マハジュビー、サバーの伴奏も古典の時より軽快です。

Marziyeh - Mahjoobi-Saba - Mode: Homayoon

Persian-Tuned Piano - Marziyeh-Mahjoobi Shoor

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2012年4月17日 (火)

マハジュビーと両ハンサリ

モルタザー・マハジュビー伴奏のアーヴァーズ、今日は二人のハンサリ。(長母音を正確に書くならハーンサーリーとなりますが) 往年の二人の名男性歌手のマハムーディ・ハンサリとアディブ・ハンサリのことです。前者は米西海岸のレーベルTaranehからのGolhaシリーズから確か2枚、後者はMahoor Institutから3枚組が出ています。マフムーディーの方は不明ですが、アディブは1901年生まれ82年死去ということなので、マハジュビーとは同世代。ゴルハーの録音だからかも知れませんが、比較的ライト・クラシカルな印象がありましたが、一本目のyoutubeでは極めて正統派のアーヴァーズを聞かせています。素晴らしい声です。アディブの方は、Mahoor Institut盤を聞いて、その少し癖がある声色に独特な味わい深さを感じました。
マハジュビーは1955年以来ラジオの音楽番組「ゴルハー」の制作に関わるようになり、ピアノ独奏やオーケストラとの共演、作曲も手がけるようになり、作曲作品は三十数曲あるそうです。しかし、今日の2本で聞く限りでは、西洋クラシックとの折衷的な感じはほとんどなく、ソロの時と同じで、サントゥールの音をそのままピアノで表現したような枯淡の演奏を聞かせています。

شوشتری همایون محمودی و محجوبی

Adib Khansari & Morteza Mahjubi - - Avaz Homayun

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2012年4月16日 (月)

マハジュビー&ガヴァーミ

これまた懐かしい名前を発見。アーヴァーズのホセイン・ガヴァーミは、70年代にオランダ・フィリップスから出ていたユネスコ・コレクション(LP)に収録されていた歌手で(日本盤はフォノグラムから)、これが個人的に初めてのペルシア音楽体験でしたから、よく覚えています。アスガール・バハーリー(ケマンチェ)、ホセイン・テヘラーニ(トンバク)、ホセイン・マレク(サントゥール)、ハッサン・キャサイ(ネイ)などとの共演でした。
このyoutubeのモルタザー・マハジュビーとのポートレートでは、若き日のガヴァーミの姿が見えます。アーヴァーズに寄り添うマハジュビーのピアノが、70年前後では屈指のサントゥール名人だったホセイン・マレクの演奏に、とても似て聞こえます。いつも思うことですが、ピアノの場合の同音連打(これがピアノの場合のリーズ奏法になると思いますが)はどうやって弾いているのか見てみたいものです。
ユネスコ盤では、マレクやバハーリーの伴奏で大御所の年代に差し掛かったガヴァーミが渋い吟唱を披露していました。しかし、あの白地に写真が数枚載った蘭ユネスコ盤は、遂にCD化されることがありませんでした。80~90年代に出ていたAuvidis Unescoでは、一部で蘭フィリップス音源もありましたが、イランの盤は再発されませんでした。

Avaz Mahoor - Hossein Qavami & Morteza Mahjubi

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2012年4月15日 (日)

モルタザー・マハジュビー

数年前にもイランのピアニスト、モルタザー・マハジュビー(Morteza Mahjubi 1900-65)については少し書いたことがありますが、あの頃はyoutubeは見当たりませんでした。久々に調べたら続々と登場していました。
私が最初に彼の演奏を聞いたのは、1980年のNHKFM「世界の民族音楽」での柘植元一氏の放送を通してで、その時に流れたのは、ダストガー・ホマーユンの独奏でした。音源は70年代にAhang-e Ruzから出ていたLPで、05年頃Mahoor InstitutからCDで出たのは同じ音源のようです。一聴するなり非常に気に入り、サントゥールをそのままピアノに置き換えたような古雅な演奏には驚愕。メズラブではなく指で弾いているのに、サントゥールのメズラブ(撥)の動きが見えるような演奏です。以来、Mahoor Institutからの再発まで、どうにかして手に入らないものかと密かに25年間探していた録音でしたから、マーフールから再発された時は正に欣喜雀躍したものです(笑)
彼の演奏が近年一部でかなり話題になってきていたようです。その焦点としては、おそらく微分音を入れている所も大きいのかなと思います。ペルシア音楽では、旋法ごとに平均律にない微分音が入る訳ですが、その「西洋音楽に慣れた耳には外れた音」も、マハジュビーは正確に調律して演奏していると思います。独奏だけでなく、伴奏者としてもバナーン、ハンサリ、タージ・エスファハーニ、ガマル・アルマルーク等、当時の名歌手の多くと共演して録音が残っています。
なお、彼の名前の表記ですが、柘植氏の記事では長母音を性格に綴った「モルタザー・マハジュービー」となっています。アルファベットからは「モルテザー」と読めそうですが、アの口でエと発音するような音に近いと思いますので、モルタザーの方が近いと思われます。
今日はノスタルジックなダシュティ旋法と、哀愁に富んだエスファハーン旋法の独奏を上げておきます。(柘植氏のチャシュム誌への連載第39回、2001年5月号を参照)

Persian-Tuned Piano - Morteza Mahjoobi - Dashti

Persian-Tuned Piano - Morteza Mahjoobi - Esfahan

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2012年4月13日 (金)

ガマル・アルマルーク・ヴァズィーリーのモルゲ・サハル

モルタザーと言えば、ピアニストのマハジュビーも思い出しますが、また数日後にします。今日は伝説の女性歌手ガマル・アルマルーク・ヴァズィーリー(1905-58)の歌うモルゲ・サハル関連の映像を上げておきます。
20世紀イラン最初の女性歌手と言われるこの人の録音は、いずれもSP時代のもので、90年代にC&Gからカセットが出ていました。その同内容でしょうか、最近CDが出たようです。C&Gからはレザー・ゴリ・ミルザザリも同時に出てまして、最近のCDリリースも同じ二人でしたから、同音源の可能性は高いかなと思っています。
しかし、こういう歌唱を聞くと、昔の歌手は凄いなぁ、敵わないなぁと思います。大らかで華麗なタハリール入りの歌は本当に素晴らしいです。彼女の歌うアーヴァーズやタスニーフの多くは、タールの名手モルタザー・ネイダーヴードの伴奏でレコード化され、モルゲ・サハルはその内の一枚ということになります。
マハジュビーもガマルも、柘植先生のチャシュム誌の関連記事がありまして、上記では参考にさせて頂きました。マハジュビーについても、また後日参考にしながら書いてみたいと思います。

Best of Ghamar

これがモルゲ・サハルですが、残念ながらガマルの歌ではないようで。なかなか良い歌唱ですが。

قمرالملوک وزیری - نرگس مست

短調に転調した部分に少し感じが似ていますが、別な曲。

قمر الملوك وزيري --- اي که گفتي هيچ مشکل

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2012年4月12日 (木)

アゼルバイジャン女性歌手のモルゲ・サハル

何とアゼルバイジャンのムガームの若手女性歌手が、例のモルゲ・サハルを歌ったビデオがありました。シャジャリアンだけでなく、古くはガマル・アルマルーク・ヴァズィーリーなども歌っていたイランの名歌をムガームの歌手が歌うとは、かなり驚きの一本。トルコ系言語で聞くモルゲ・サハル、言葉の響きが面白いです。
二本目にはムガームのオーソドックスな歌唱を上げておきましょう。旋法はバヤーテ・シーラーズですから、例のNHKFM「世界の民族音楽」テーマ曲のハビル・アリエフのケマンチェ演奏を思い出してしまいます。更にこの旋律は、どことなくトルコのウシュクダラにも似ています。タハリール入りの非常に素晴らしい歌唱を聞かせる彼女の名前にはアゼルバイジャン語の文字が見えますが、カミラ・ナビイェヴァと言う表記で大体近いのでは、と思います。

Morgh Sahar performed by Azarbayjani singer Kamila Nabiyeva in Azari language

Kamilə Nəbiyeva - Muğam müsabiqəsi 2011 (22.02.2011)

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2012年4月11日 (水)

Shahla Sarshar ペルシャン・ポップス

昨日のネイダーヴードとの共演では、見事なタハリール唱法を聞かせたShahla Sarshar(シャフラ・サルシャル)の、他の映像をたどって見ます。日本でもグーグーシュやハイェーデ、ホメイラ、マハスティ、デルキャシュなどの女性歌手は、90年代頃にも一部で大いに話題になりました。しかし、今ではほとんどグーグーシュだけが一部で人気を博している位でしょうか。ほとんと皆、軽古典的歌唱からポップスを中心的なレパートリーにしていましたが、Shahla Sarsharのようにタハリールを隠し技?として持っているのかも知れません。ハイェーデは素晴らしい古典歌手でもあって、ゴルパとのデュエットはビデオも出回っていました。デルキャシュは、昔の歌手だからでしょうか、タスニーフや軽古典が中心で、ポップスは歌ってなかったように思いますが、逆にグーグーシュにもタスニーフ的な(つまり古典声楽寄りの)歌唱が若干ですがありました。それがまたマーフール旋法だったのもあって、清々しく素晴らしかったです。
そんな中、Shahla Sarsharは、今回初めて知った歌手。コメントによると、クルド系の歌手でハメダン出身とありました。グーグーシュは実はアゼルバイジャン系でしたが(大分前にOstad Ali Salimi作の名曲Airiliqを彼女が歌った映像を取り上げたことがありました)、イランのポップス系の歌手には彼女らのような周縁的(マージナル)な民族出身の歌手が多い傾向があるのでしょうか? 2,3本目に行くに従って段々とポップス調になりますが、1,3本目ではレングのハチロク・リズムが横溢しています。

Shahla Sarshar - Az Negahe Yaran

Shahla Sarshar - Shahre Gharib - ( tooye in shahre gharibam)

Shahla Sarshar Yare

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2012年4月10日 (火)

ネイダーヴードの実演

一昨日の話題に戻します。例の名歌モルゲ・サハルを作曲したモルテザー・ネイダーヴード(1900-90)の晩年のものと思われる映像がいつくかありましたので、今日は何本か上げておきます。タールを手に、女性歌手Shahla Sasharの伴奏もしていますが、90前後とは思えない矍鑠とした演奏です。Mahoor Institutの2枚にもあるように、この人はタール専門だったようです。
Shahla Sasharは、クルド系の歌手との書き込みが見えますが、どちらかと言えばペルシア古典よりは、軽古典~ポップスの歌手のようです。しかし、一本目の通りタハリールの技は素晴らしいです。ハイェーデのように、どちらもいける歌手のようです。

Shahla Sashar & Ostad Nay Davood - Bayate Turk

Ostad Morteza Neydavood & Ostad Mahmoud Zoufonoun Part 5

Ostad Morteza Neydavood & Ostad Mahmoud Zoufonoun Part 6

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2012年4月 9日 (月)

千五百一夜にシェヘラザード全曲

今日は当ブログ1501話ということで、このタイトルをつけてみました。本当は1001夜に盛大に?やりたかったところですが、その時はすっかり忘れていました(笑)
千一夜と言えば千一夜物語(正確には千夜一夜物語。通称「アラビアン・ナイト」)、そしてその語り部としてのシェヘラザードをすぐさま思い出す訳ですが、19世紀ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフの名曲でもよく知られています。イランに近いロシアだからでしょうか、イランの民族音楽のリズムがそのまま出てくる箇所があります。遠く離れたイギリスの作曲家ケテルビーの「ペルシアの市場にて」もよく知られた曲ですが、ここでは中国風なメロディが出てきたりするのとは大違い。オリエントを勘違いしていた部分があるのは否めないのかも知れません。
今日の一本には、交響組曲「シェヘラザード」全4楽章入っています。そして何と、イランのオーケストラによる演奏! ペルシア語訛りが聞き取れると言う意見もありますが(笑)、例えば「月の沙漠」を思い出させるようなロマンチックで、かつ官能的な3楽章「若い王子と王女」の中間部の8分の6拍子の部分は、明らかにイランの舞曲レングですから、これは本家本元のリズム感ということになるでしょうか。(類似の内容で数年前にも書いた記憶がありますが、この演奏でアップするのは初です)

RIMSKY-KORSAKOV Sheherazade (complete) V.Khadem-Missagh, Alexander Rahbari, 1997

Vahid KHADEM-MISSAGH, violin solo - Persian International Pilharmonic - Alexander RAHBARI, conductor (rec: 5-13 June 1997, Bregenz, Austria - (p) 1998 Discover International)

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2012年4月 8日 (日)

第1500話 Morghe Sahar

今日で記事数がちょうど1500になりました。記念すべき1500回目は、例のモルゲ・サハルについて。イランの知人によると、この曲(タスニーフ)はモルテザー・ネイダーヴードによるもので、詩はモハンマド・タギ・バハール(1884-1951)という人の作だそうです。バハールは、マレコショアラー・バハール=詩の王バハール、とも呼ばれているとのこと。4日の動画解説にはダルヴィーシュ・ハーンの名が見えましたが、どうもネイダーヴード作のようですね。この人の音源はMahoor Institutから3枚組と一枚ものが出ていました。
モルタザー・ネイダーヴード(1900-90)は、世代としてはムーサ・マアルフィより少し下。アーガー・ホセイン・ゴリーやダルヴィーシュ・ハーンに師事した往年のタール名人で、ホマーユン旋法の演奏に自身の名を付けたと思しきグーシェがありました。モルゲ・サハルが入っていたかどうかは、手元に現在はないため確認出来ませんでした。
今日は、シャジャリアンの2007年の歌唱と、イラン人オーケストラ伴奏の幾分クラシック的な歌唱でアップしておきます。シャジャリアンの方では、歌い出した途端に喝采が起こっています。いかにこの曲が愛されているか、よく分かります。後者も別な趣があって興味深い映像です。

Morgh-e Sahar (2007)

Morghe Sahar

Composition: Siavash Beizai on a Tasnif by Morteza Neydavood
Neydavood on a poem by Mohammad Taghi (Malek-o-shsho`ara-ye) Bahar. The above piece is based on this Melody. It consists of an Introduction (Pishdaramad), a song (Avaz), Morghe Sahar (as composed by Neydavood but harmonized and orchestrated), and a Coda (Reng). On this video you see only the two last part of the whole composition.
This video is from a concert in summer 2005 in Talare-Rudaki in Teheran.
Lyrics: Salar Aghili

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2012年4月 6日 (金)

ダルヴィーシュ・ハーンのチャハールメズラーブ

一昨日の3本目で見たダルヴィーシュ・ハーンのチャハールメズラーブの他の演奏をちょっと見てみたいと思います。「もえいづる春」を実感するような名調子だと思いますが、いかがでしょうか。
チャハールメズラーブとは、その名の通りで「四つの撥」とか「4つのビート」と訳せると思いますが、4拍子のようで大体一拍が3連譜になっているので、実質8分の12拍子では?と思えることがほとんどです。非常に速いテンポで演奏され、器楽奏者の腕の見せ所です。
一本目のSahba Motallebiのタールによる演奏では、華麗なメズラブ(撥)さばきに魅了されます。Mahoor Institutの「タールの若き名手たち Presentation of the Young Artists  (Tar navazi)」に彼女の演奏が収録されていましたが、この盤のリリースより先にyoutubeで話題になっていて、何年か前に当ブログでも取り上げました。

Sahba Motallebi - Chahar Mezrab

Chahar Mezrab - Darvish Khan

Sahba Motallei was born in 1978 in Tehran, Iran, and started playing traditional Persian music very early on. she is a graduate of Tehran Conservatory where she mastered playing Tar and Setar (traditional Persian instruments) under the instructions of master Fariborz Azizi.
She further enhanced her performance of the renowned capabilities by enjoying the direct guidance of the renowned master of traditional Persian music, Hossein alizadeh, and the respected music theoretician, Dr Mehran Rouhani. She continued her formal music studies in composition at St Petersburgh Conservatory, Russia. Sahba has recorded several CDs and composed numerous theatrical peaces.

Setar Chahar Mezrab by Ostad Ahmad Rahmanipour

往年のアフマド・エバーディーやアボルハサン・サバー、ジャリール・シャフナーズに教わったと言うアフマド・ラフマニプールによる独奏。この演奏はダルヴィーシュ・ハーンの原曲を元に、後のアボルハサン・サバーが編曲?したヴァージョンで弾かれているようです。確かにエバーディーに似ています。音色や構え方はもちろん、ご本人の雰囲気もどことなく。

Setar Char Mezrab by Ostad Ahmad Rahmanipour

A student of Ebadi, Saba and Shahnazi, he preserves the old Persian musical traditions.

This tasnif's original melody was originated by Darvish Khan; however, the arrangement that Mr. Rahmanipour is playing was constructed by Abdolhassan Saba.

He currently resides in Los Angeles.

Darvish Khan Mahour

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2012年4月 5日 (木)

セタールのリーズ

セタールは右手人差し指中心で奏でられる弦楽器で、リーズも一本で奏されます。いつも、よくこんなに細かく指先を動かせるなぁと感心してしまいます(笑) ちょうどダルヴィーシュ・ハーンのピシュダルアーマド(器楽による前奏曲のような楽曲)を演奏している映像がありました。アフシャーリー旋法らしい古風な趣の、とても美しい曲です。細かく震わせるように右手人差し指を動かしているのがセタールの場合のリーズ奏法で、一種のトレモロ奏法とも言えるでしょうか。
フレットですが、ギターなど弾かれる方はこの映像からでもすぐお分かりかと思いますが、平均律の間隔にはなってなくて、ペルシア音楽特有の微分音が割り当てられた、一見不均等な並びになっています。第一フレットからして、開放弦の半音上ではなく、更に4分の1音上がった音(4分の3音になると思います)になっています。タールも同じフレットの並びのようです。

Pish Daramad Afshari ,Darvish Khan

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2012年4月 4日 (水)

ダルヴィーシュ・ハーンの楽曲

こんな時こそ、とことんペルシア音楽!という事で続けておりますが、今日はダルヴィーシュ・ハーンの楽曲を幾つか取り上げます。1872年生まれで1926年に亡くなったという大昔の人で、西洋ならモーリス・ラヴェルとかが世代的に近いでしょうか。しかし、現在もよく演奏される小楽曲をかなり残してもいる人で、あの美しく感動的なモルゲ・サハルもどうやら彼の曲のようです。詞は後で付けられたのでしょうか? それとも最初からハーフェズやサアディなどのペルシア古典詩に付けられた曲でしょうか? 歌詞がこちらに英訳されていました。この名曲についてはもう少し調べてみて、訂正を後日入れることになるかも知れません

Shajarian Morghe Sahar Bam

2003年末にイランのバムで起きた大地震の犠牲者を追悼するコンサートのライヴDVD収録の映像で、コンサートのラストに演奏されたモルゲ・サハル。何度見ても感動的な歌唱で、確かこれで当ブログ3回目位の登場です。上記サイトによれば歌詞の最初のmorgh’e sahar, naale sar konは、morning bird, mourn(朝の鳥は嘆き悲しむ)となります。この一行とマーフール旋法の明朗なメロディ、この意外とも思える組み合わせだけでも深いなぁと思ってしまいます。

Morghe Sahar - مرغ سحر in chahargah ideas Persian setar audio right hand only

そのモルゲ・サハルを、セタール一本で、更にマーフールからチャハールガーに転調?した独奏。これは非常に興味深い演奏です! テンションの高いチャハールガーの音が混じると短調混じりのように聞こえてきて、「嘆き悲しむ」というのも自然に感じられるかも知れません。後半は同じくダルヴィーシュ・ハーン作のチャハールメズラーブ。3本目と同じ曲ですが、こちらもマーフールからチャハールガーに変わっているようです。

Re: Dariush Talai - Setar

同じチャハールメズラーブを、名手ダリウーシュ・タライーの独奏で。元のマーフール旋法のオーソドックスな演奏。

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2012年4月 3日 (火)

ダルヴィーシュ・ハーンのタール

しかし強烈な風雨でしたが、皆様の場所ではいかがでしたでしょうか。伊予では朝方猛烈な雨が降り、昼からは車のハンドルが取られる程の強風でした。
昨日のデルショデガーンのモデルと思われるダルヴィーシュ・ハーンについても、大分前に取り上げたような気がしますが、いくつかアップしておきましょう。この口髭を蓄えた写真を見ると、いつも小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と見間違えます。しかも、同じハーン(笑) すっかり「ダルビッシュ」という表記が一般的になってしまいましたが、同じつづりですから、やはり「ダルヴィーシュ」が正しいはず。
イランのMahoor Institutからの何枚かに彼の録音が入っていますが、残念ながら廃盤になってしまった一番最初の「カージャール朝のタールの芸術」が一番壮絶な演奏だったように思います。この盤にはデルショデガーンのモデルではと思われるアーガー・(ミルザー)ホセイン・ゴリー(1851-1916)とダルヴィーシュ・ハーン(1872-1926)の演奏が入っていました。ゴリーはアリ・アクバル・シャーナズィーの父で、兄のミルザー・アブドゥッラーと並び賞される現代ペルシア音楽の父。彼の弟子の一人ダルヴィーシュはターヘルザーデなどの伴奏もしていた名人。

DARVISH KHAN, Plays Tar

Darvish Khan: pishdaramad in mahoor

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2012年4月 2日 (月)

Delshodegan

もう15年くらい前から名前は聞いて知っていましたが、なかなか見る機会がなく、DVDもゲットできてなかった映画「Delshodegan」も、youtubeに11本組で上がっていました。カージャール朝末期の楽士5人がレコード製作のためパリを訪れるというイラン映画「デルショデガーン」ですが、その主人公デルナヴァーズのモデルは、ミルザー・ホセイン・ゴリーの高弟ダルヴィーシュ・ハーンか、師匠のどちらかだろうと見られているようです。ハイトーンヴォイスのターヘルザーデも同行メンバーの一人。現代のペルシア音楽の直接の大先達の足跡を辿る映画ですが、イラン映画らしくかなりファンタジックに(あるいは詩的に)見えます。この辺りの古い音源はこちら。柘植元一氏のチャシュム誌(イラン協会刊)の連載に詳しいことが書かれていましたので、探して見つかったらまた補足したいと思います。
挿入歌、というか挿入アーヴァーズを歌うのはシャジャリアンで、今日の2本目のように、いつにも増して気迫の溢れた素晴らしい歌声を聞かせています。

Delshodegan 01/11

Delshodegan 07/11

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2012年4月 1日 (日)

shajarian, pirniakan, andalibi & morteza ayan

今日もシャジャリアンの歌唱ですが、伴奏陣ががらりと変わります。ネイのジャムシド・アンダリビは、アリザーデのネイ・ナヴァー(Kereshmeh, Mahoor共)でネイを吹いていた人。彼の名を聞いただけでも、どうしてもあの憂愁の音色が脳裏に浮かびます。トンバクのモルタザー・ハージェアリー・アーヤンは、パリサー他の「ペルシア絶唱」(JVC)の伴奏者。セタールのピルニアカンについては、以下の通りです。

Daryoush Pirniakan
1955年東部アゼルバイジャン州生まれのタール奏者。Ali-Akbar Khan ShahnaziからMirza Hoseyn-Qoliのラディーフを教わる。そしてDaryush Safvatが代表の「イラン音楽保存普及センター」の活動に参加し、Yusef Forutan, Saeed Hormozi, Mahmud Karimiなどの影響も受けながら、1979年からはシャジャリアンのコラボを開始。教鞭も取りながら演奏活動を続けてきた中堅奏者。

shajarian, pirniakan, andalibi & morteza ayan

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