金曜の内容を受けて、ギオラ・ファイドマンのリベルタンゴを上げておきます。クレズマー枠で何度も取り上げた名手で、King of Klezmer Clarinetとも呼ばれていました。アルゼンチン出身なので、ピアソラも取り上げたのでしょうが、ユダヤの音楽との接点を何処かに見出していたのかどうか、出来ることなら聞いてみたいものです。
今日はウィキペディアのミロンガの記事に載っていたもう一つの代表曲、ラ・プニャラーダ La puñaladaで調べてみました。ピンティン・カステジャーノス(Pintín Castellanos)作曲で、1936年発表。原題は、『ナイフの一突き』という意味だそうです。何やら物騒な気もしますが(笑)、きっと深い意味(おそらくは艶っぽいような?)があるのでしょう。
さて、先週末にはタンゴのミロンガを少し見ていましたが、ピアソラやタンゴの歌でない、実際の踊りでのタンゴのミロンガはどんな感じなのか、少し探してみました。ミロンガはタンゴのダンスパーティーのことを意味する言葉でもあるそうなので、実際のミロンガ名曲と言う事で「ラ・トランペーラ La trampera」という曲で当ってみました。この曲は、アニバル・トロイロという私でも知っている有名なタンゴ楽団のリーダーの作曲でした。こんな古い時期の貴重映像が手軽に見られるのも、youtubeならではです。ギターとバンドネオンによるデュオなどもあって、これもなかなか興味深いです。 ミロンガは、元々ラ・プラタ川辺りのバントゥー系黒人の踊りにルーツがあるそうですが、タンゴでは結構古い時期から洗練されているように見えます。
ANIBAL TROILO " LA TRAMPERA "
Anibal Troilo: La Trampera - Milonga by Duruoz, Trivisonno
スペインの大歌手に、メゾ・ソプラノのテレサ・ベルガンサがいますが、彼女の名盤の一つに、スイスのClaves原盤の「エマよ、さようなら ベルガンサ南米歌曲を歌う」がありました。ブラジルのヴィラ=ロボスの「こわれたギター」という名曲に始まりますが、サンバ(Zamba)もその中にありまして、アルゼンチンの現代作曲家カルロス・グアスタビーノの「渇きの底から(Abismo de sed)」という曲がそれでした。冒頭の「こわれたギター」が個人的に特に好きでしたが、この曲はモジーニャというブラジルの抒情歌曲の系譜に属するとのこと。「昔のサンバ」というヴィラ=ロボスのサンバ・カンソンの曲も入っていますが、こちらはよく知られたSambaの方です。つまり、一枚にZambaとSambaの両方が入っていることになります。(上記クラーヴェス盤がキングからLP発売された時の濱田滋郎氏の解説を参照)
EL CHE VIVEには、ビクトル・ハラの歌う「チェのサンバ」という名曲も入っていました。ZambaはブラジルのSambaとは全く別で、アルゼンチン北西部の8分の6拍子の舞曲。確かユパンキの歌や、グアスタビーノの歌曲などにもサンバの名曲がありました。 今日のZamba del Cheでは、ハラの重く引きずるような哀切な歌声が胸に迫ります。チェ・ゲバラへの熱い追悼歌であると共に、数年後のハラ自身の壮絶な虐殺死を思い起こさずにいられない一曲。フォルクローレ(民謡)も、このように南米の国や地方、歌手によってかなり印象が異なります。
VÍCTOR JARA - Zamba del Che
Víctor Lidio Jara Martínez (Spanish pronunciation: [ˈbiktor ˈliðjo ˈxaɾa marˈtines]) (September 28, 1932 -- September 16, 1973) was a Chilean teacher, theatre director, poet, singer-songwriter, political activist and member of the Communist Party of Chile. A distinguished theatre director, he devoted himself to the development of Chilean theatre, directing a broad array of works from locally produced Chilean plays, to the classics of the world stage, to the experimental work of Ann Jellicoe. Simultaneously he developed in the field of music and played a pivotal role among neo-folkloric artists who established the Nueva Canción Chilena (New Chilean Song) movement which led to a revolution in the popular music of his country under the Salvador Allende government. Shortly after the Chilean coup of 11 September 1973, he was arrested, tortured and ultimately shot to death with 44 bullet shots by machine gun fire. His body was later thrown out into the street of a shanty town in Santiago. The contrast between the themes of his songs, on love, peace and social justice and the brutal way in which he was murdered transformed Jara into a symbol of struggle for human rights and justice across Latin America.
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