ラジャスタンのコブラ使いの笛
小沢昭一さんの放浪芸シリーズの続編的なものに、「新・日本の放浪芸~訪ねて韓国・インドまで」というDVDがありました。この映像作品は見ることのないまま何年も経ってしまいましたが、インドの放浪芸と言えば、コブラ使いの笛(プーンギー)などをまずイメージしてしまいます。実際この辺りの演奏も入っているようです。
今日はプーンギーと両面太鼓ドーラクなどの演奏を選んでみました。このいかにもインドらしいリズミカルな音楽は、西部のラジャスターン州の職能芸人ランガーやマンガニャールの演奏で、彼らの音源も20年余り前まではArion、Ocora、Saydisc盤くらいでしたが、現在では随分タイトルが増えました。
ジプシーのルーツの地とも言われるラジャスターンの、ターバンを巻いた芸人達の達者な芸と陽気な音楽は、シタールとタブラよりももっと一般的なインドのイメージに近いかも知れません。楽器の種類の多さも特筆ものだろうと思います。プンギーは組笛の一種で、片方がドローン(持続音)になっているようです。鼻から吸って休みなく口から吹き続ける、循環呼吸で吹かれるのが最大の特徴でしょう。ランガーの名人はさらりと演奏しています。
Pungi Rhythm of Rajasthan: Rajasthan Folk Music/Dance Culture
Tere dwar khada ek jogi
プーンギーに似ていますが、この組笛はサタラという名だったと思います。ラジャスタンの口琴モールチャンも強力に伴奏。カッワーリーにも使われるドーラクの叩き出すリズムも大変かっこいいです。
Indian Musicians Playing Fabulous Instrument Bean
これは似ていますが、ラジャスタンではなくハリヤナ州のようです。エクタールが派手に使われています。
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コメント
人間バグパイプですね。えへ。
同じタイプの楽器でも、いろんな音楽になるのですね。
どれも、長く聞いていたい様な気持がしました。
2曲目の口琴の使い方も、3曲目のエクタールの音も、初めてききました。
両方とも、楽器自体は、日本にも売っていつので、知ってはいましたが、聴くのは、初めてでした。
楽しかったです。
投稿: 百本八本 | 2013年1月20日 (日) 10時14分
百本八本様
そうですね、人間バグパイプ、確かに(笑)
頬がディジー・ガレスピーのように膨らんだり、しぼんだりして、ほんとにバグパイプのようです。
エクタール(一弦)とベンガルの吟遊詩人バウルが使うゴピチャンドは同じ系統の楽器だと思いますが、どうなんでしょうか。前から気になっていたことです。
しばらくインドに居ますので、また近々取り上げます。
投稿: Homayun | 2013年1月22日 (火) 00時44分
先月YouTubeを始めた新米です。インドの音を探して、このページに漂着しました。
BGMに「2013年1月18日 ラジャスタンのコブラ使いの笛」の使用、許可いただけるでしょうか?
3分動画と詳細欄の最後に、こちらの名前を記載しました。不許可であれば公開を取り下げますので、ご連絡お願いします。
音楽を軸にした旅、とても魅力的です。
私の“RV車で国境を超える!”は、夢のまま終わりそうですが…、今後のレポート楽しみにしています!
投稿: YokoTanigawa | 2020年5月12日 (火) 10時16分
YokoTanigawa様
コメント有難うございます。貼り付けている各動画は、動画そのものの管理者に権限がありますので、必要でしたらそちらにお問い合わせ下さい。画面右下の「YouTubeで見る」を開くと、動画をアップしたユーザー名が出て来ます。こちらではブログに埋め込んでいるだけですので。
投稿: Homayun | 2020年5月12日 (火) 22時43分