スルヤナラヤナのヴィーナ
インドの放浪芸もなかなか興味深い世界で(日本の類似の芸との比較においても)、ベンガルのバウルなどもその内に入る部分があるかなと思いますが、この辺はまた後日にして、年末に見ていたラーガ・バイラヴィと南インド音楽関連に戻ります。
今日の演奏家は、南インド古典音楽の花形楽器ヴィーナの名手スルヤナラヤナです。ヴィーナなら、来日もしたチッティ・バーブやバーラチャンダーの方が有名ではという声は当然あると思いますが、スルヤナラヤナは個人的に一番最初に聞いた南インド古典音楽(カルナティック音楽)だったもので、思い入れがやはり強く、その同じLP音源がアップされていて、非常に嬉しく思った次第です。LPは78年に出ていて私は79年に聞きました。このヴィーナ特有の深みのある音色と華やかな技巧、ムリダンガムのリズムの複雑さに強く魅了されました。
ただ、B面のラーガ・マーリカー(ラーガの花輪)の演奏時間が長いのは色々なラーガを経巡る楽曲形式から分りますが、A面のラーガ・バイラヴィはLPに合わせて長めに弾いているのかな、と今では思います。通常なら20分を越すような演奏は、即興重視の北インド古典ならともかく、南インド古典ではそれほどないはずですから。ほとんど唯一あるとすればRagam Thanam Pallaviの形式でしょう。この演奏はディクシタールのバーラ・ゴーパーラによる展開、と解説にありました。
この音源は、オランダ・フィリップスからのユネスコ・コレクションの一枚で(国内LPは日本フォノグラムからリリース)、90年代前半にフランスのAuvidisからユネスコ盤CDのシリーズが出た時はラインナップから漏れていました。(大分前にも書きましたが、このシリーズのイランも漏れていました) スルヤナラヤナのインド盤というのも、何故かほとんど見たことがありません。youtubeには彼の教則映像がかなり上がっています。
RAGA BHAIRAVI - SURYANARAYANA PLAYING THE SOUTH INDIAN VINA
RAGA MALIKA - SURYANARAYANA PLAYING THE SOUTH INDIAN VINA
Advanced Veena Lessons - R.K.Suryanarayana - Varaveena - Part 5
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