« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »

2013年4月

2013年4月30日 (火)

追悼ヤーノシュ・シュタルケル

インド亜大陸の音楽巡りの途中ですが、大家の訃報が入りましたので、今日はシリーズをお休みします。
20世紀の大チェリストの一人、ヤーノシュ・シュタルケルが4月28日に88歳で亡くなりました。彼はカザルス以降の最も偉大なチェリストの一人だったと言って良いでしょう。80年代の初め頃、私もコロムビアのLPで初めてJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第3番とコダーイの無伴奏チェロ・ソナタを聞きました。TVでも見ましたが、ゆるぎないテクニックの冴えと豪快な演奏に圧倒されました。これまでに当ブログで何度か取り上げていて重複しますが、コロムビア盤と同じカップリングで、J.S.バッハ第3組曲の前奏曲とコダーイの一楽章をアップしておきます。88年の東京ライヴで、TVで見たのはこの時の映像だったような気がします。余談ですが、亡くなってから彼がユダヤ系だったことを知りました。昔の弦楽器奏者には非常に多いのですが、シュタルケルもだったか!という思いで一杯です。
心よりご冥福をお祈り致します。

Janos Starker - Bach Cello Suite 3 I. Prelude

Janos Starker - Kodály Cello Solo Sonata I. Mvt

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2013年4月29日 (月)

シッキムのチベット仏教

ダージリンの北隣のシッキムと言えば、ブータンとネパールの間の小さな王国だったイメージが強く、インドの州の一つになっていることを今回はっきり確認しました。ゴアの次に小さい州だそうです。多数派のネパール系の宗教はヒンドゥー教なのだろうと思いますが、2割ほどのチベット系住民の信仰しているのはチベット仏教がほとんどのようです。ダライ・ラマが訪問した時の映像がありましたので、一本目に。二本目は金曜のDARJEELING & SIKKIMシリーズの一本目で、途中におそらくチベット仏教音楽とは異なる伝承のシーンが見えます。例のレプチャの映像でしょうか? 日本語の起源はレプチャ語であるとする安田徳太郎の『万葉集の謎』がベストセラーになり一時話題になったことがありました。

His Holiness Visits Ravangla in South Sikkim

DARJEELING & SIKKIM PART 1 OF 5

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月26日 (金)

DARJEELING & SIKKIM

昨日はダージリンの音楽関係はないか探している内に居眠ってしまいまして(笑)m(_ _)m 大分前にどなたからか頂いたダージリン・ティーを飲んでいましたが、睡魔が勝ってしまったようです。
DARJEELING & SIKKIMと題されたシリーズの映像がありまして、3本目の終わり辺りにようやく太鼓や舞踊が入っていました。この辺りはやはりチベット系の住民が多いのでしょうか。ダージリンの北隣のシッキム州はネパール系に混じってレプチャを含むチベット系も2割余りいるようです。
この両面太鼓を見て、VDE-Galloの「ネパールのネワール族の音楽」を思い出しました。ネワール族もチベット系でした。チベット系の広がりは想像しているより広いように思います。
チベットでの紅茶の飲み方と言えば、何と言ってもバター茶が有名で、お茶にバターを入れるのかと少しギョッとしたものですが、考えてみればミルク・ティーの濃厚な感じなのかも知れません。高山での栄養補給に最適らしいバター茶は、インド領のダージリンやシッキムでも飲まれているのでしょうか?

DARJEELING & SIKKIM PART 3 OF 5

Darjeeling, der Champagner unter den Tees

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月24日 (水)

दार्जीलिङ्ग

今日のタイトルはネパール語で「ダージリン」と書いてあります。アッサムの辺りに来ていましたので、同じく紅茶の名産地として有名なダージリンについて取り上げてみました。今日初めて知りましたが、ダージリンは西ベンガル州に入っているようです。熱帯のベンガル湾から、北に向かって細長くヒマラヤのダージリンまで伸びていたとは、驚きです!
この辺り特有の伝統音楽があるのかどうか、まだよく分りませんが、ダージリンと平野部をつなぐダージリン・ヒマラヤ鉄道とこの町を取り上げた素晴らしいドキュメンタリーを一本上げておきます。東インド会社の頃からの歴史が刻まれている町です。この鉄道は1999年にユネスコの世界遺産に登録されています。ダージリンとコルカタ(カルカッタ)は、距離で言えば、日本の東北と東京くらいでしょうか。人々の顔はチベット系、アーリア系など様々で、どちらかと言えばチベットの方が多そうな感じです。2000メートルを越える高山にへばりつくように広がっている霧の中の町並みが非常に印象的です。

 

The Darjeeling Himalayan Railway

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月23日 (火)

ボド・ポップス

ボド語はアッサム州の公用語の一つになっているように、ボド族はアッサムと東ネパールの主要民族のようですから、youtubeも色々と上がっています。昨日の民族舞踊では、どこか日本の祭の太鼓と笛を思い出させましたが、今日の一本目のようなポップス(映画関係かも)を聞いていると、やっぱりインド風味が色濃いなと思いました。ボド族の人は、遠目にはアーリア系のようにも見える人も目立ちます。
一方、二本目の音楽は大分アジア寄りに聞こえますし、日本人と見紛うような人もいます。サーリンダのような擦弦楽器と、曲名のbwisaguというのが何を意味するのか、気になるところです。

Bodo Album...Ansula Nwng Jiuni Lwgw.DAT By Nijira Iswary

bwisagu songs

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月22日 (月)

アッサムのボド族の踊り

インド東北部は、意外性や不思議が一杯詰まった地方で、面白い映像が色々見つかります。アーリア系だけでなく、東南アジア系やチベット系の民族が入っているからだろうと思います。今日の踊りも、旋律や太鼓の音色からリズムまでが、どことなく日本の祭太鼓に似て聞こえて仕方ありません。
アッサムなどインド東北部やネパールに住むボド族の話すボド語は、シナ・チベット語族、チベット・ビルマ語派、ボド・ガロ語支に属するそうで、やはり音楽の印象通りでアーリア系ではなく、ガロ族に近い民族でした。しかし、懐かしい感じの笛と太鼓の音です。

Folk Dance-Bodo Tribal Dance-Assam,India

Sanjaha Swrangbai - Bodo Song.DAT

ボドの女性歌手。独唱の割りに動きが多いです。 民謡だと思いますが、大衆歌謡の一種になるのでしょうか?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年4月19日 (金)

ガロ族の太鼓と踊り

一昨日のガロ族の映像はカメラが遠かったので、もっと至近距離から撮ったものを上げておきます。樽型両面太鼓はインドにもインドネシアにもありますが、この太鼓はどちら寄りでしょうか。パカワジやムリダンガムよりも随分細長い太鼓です。マディア・プラデーシュに住むインドの先住民ゴンド族(瑞VDE-Galloから音源あり)にそっくりの太鼓がありました。もしかしたらそちらの流れかも知れません。
目当てのゴングはここでは脇役ですが、太鼓、踊り共に興味深く、ステレオタイプのインドのイメージを大きく裏切ってくれていると思います。ガロのビデオは、モダナイズされた彼らの生活やポップスのものの方が多く、民族舞踊の映像は少な目です。かつては「首狩り族」と恐れられた彼らも、すっかり文明化されているようです。

Achik Mande - The Garos from the hills!

Garo tribal dance!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月18日 (木)

アルナーチャル・プラデーシュの舞踊

インドシナ半島のゴング音楽についてはインドを一巡りした後で当っていく予定ですが、例えば今日のような舞踊音楽もインドシナのゴングやケーンの響きが遠く聞こえてきそうな感じです。アルナーチャル・プラデーシュ州は、南はアッサム州、東はミャンマー、北は中国、西はブータンと接していて、中印の国境紛争地帯において、インドが実効支配している領域のようです。プラデーシュの名の付くインドの州は他にも、ウッタール、アーンドラ、ヒマーチャル、マディヤの各プラデーシュ(「~の地」のような意味)があります。

Folk Dance (ARUNACHAL PRADESH) KV Samana

Folk Dance from Arunachal Pradesh-Incredible India

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月17日 (水)

メーガーラヤ州のガロ族

インド東北部のゴングはなかなか見当たらないので、アッサムの南隣のメーガーラヤ州のガロ族について調べてみました。インド東北部の中心はアッサム州ではありますが、周囲に小さい州がいくつかあります。アッサムとバングラデシュの間にあるのが、メーガーラヤ州。
ガロと聞くと、マニアックな漫画雑誌や「学生街の喫茶店」を思い出してしまう世代ですが(笑)、彼らはチベット・ビルマ語族に属している通り、日本人のような顔立ちの人もいます。かつては首狩り族としても恐れられていたようですが、音楽はのどかな感じに聞こえます。鍋のような楽器が使われていますが、それがゴングの流れを汲んでいるようです。この映像の中にも両面太鼓と並んで、その楽器が見えます。ガムランのように朗々と鳴り響かせるのではなく、カチカチ叩いている感じですが。
フランスのOcoraから、バングラデシュ側でのガロ族の音源が出ていました。

Meghalaya- Garo Hills- Wangala Dance-1

Meghalaya- Garo Hills- Wangala Dance-2

Meghalaya- Garo Hills- Wangala Dance-3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月16日 (火)

アッサムの漁民の歌

アッサム語というのは、東南アジア系ではなく印欧語族に入るそうですが、今日のような映像を見ていると、日本人と変わらない風貌の人がほとんどで、印欧語というのがちょっと信じられないような気もしてきます。漁民になるのでしょうか、彼らはアッサムの中の少数民族かも知れませんが。歌も一般的な「インド」のイメージからかなり遠い感じがします。
インド東北部のゴング音楽というのが気になって調べています。ゴングと言えば、インドネシアが余りに有名ですが、その古層とも言えそうなゴング文化がヴェトナムやラオスなどのインドシナに残っていますので、アッサムなどインド東北部にもあるのなら是非見てみたいものです。

Community Fishing (Bomani beel) Assam.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月15日 (月)

アッサムの踊り

ベンガルとバングラデシュを離れて、東部に飛び出したアッサム州の映像を探してみました。映画のワンシーンでしょうか、Bihu Danceという踊りが出てきています。アッサムと言えば、何と言っても紅茶で有名で、この地に住む人々はタイやミャンマーに近い風貌の人も多いように見受けられます。インドはアーリアやドラヴィダだけでなく、東南アジア寄りの少数民族も東部にはいます。この映像に出てきている男優もそちら方面の民族では?
大分前にドイツのWergoから、「サンタル族の村の音 HoneyWind」というCDが出ていて、インド東北部のオーストロ・アジア系(北西部から入ってきたアーリア系や南インドのドラヴィダ人より先にインドに住み着いた民族でクメール系等と遠縁)のサンタル族の音楽等が収録されていました。インド系打楽器を用いながらリズム面でインドシナのゴング音楽に繋がる要素が見えたり、東北部ということでバウルの音楽に似た面も聞き取れたりで、かなり興味深い音源だったことを、このアッサムの映像を見て思い出しました。

Best Bihu Dance from Assam, India

Bihu Dances from Assam, India

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月12日 (金)

Nazrul Sangeet by Firoza Begum

昨日は風邪気味でブログはお休みしましたm(_ _)m  朝晩は4月とは思えない寒さで、これからも一桁前半の最低気温が続くようです。まだ灯油が欠かせません。皆様もお気をつけ下さい。
さて、ベンガルの詩人ノズルル・イスラムの歌に戻りますが、色々映画の映像など上がっていますが、やはりフィロザ・ベグムの歌唱は古典的なスタイルを保っていて、ベンガルらしい叙情性溢れる柔らかい歌声で、特に良いと思います。季刊ノイズ91年のインド特集が出てきましたが、その中には彼についての記述が見当たらなかったので、やはりパオ(包)だったかなと思っています。タゴール・ソングも映画の映像など探せば色々出てくるでしょうし、ノズルル・イスラムと聞き比べたりするのも面白いかなと思いますが、またの機会にして、そろそろインドの他の地方に移りたいと思います。

'Amai nohe go' - Nazrul Sangeet by Firoza Begum

PATHA CHALITE JADI CHOKITE Feroza Begum

Firoza Begum talks about her life - part1 of 4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月10日 (水)

オランダのインド音楽シーン

Saskia Rao-de Haasのリンクから他のオランダ人のインド音楽家映像も上がっていました。今日はLenneke van Staalenという女流ヴァイオリニストの演奏を上げておきます。大好きなラーガ、キルワーニだったので即決でした(笑) タンプーラ伴奏の男性は、2本目では西洋クラシックのスタイルですが、チェロを弾いています。ハンガリーの作曲家コダーイのチェロ曲と、北インドのラーガ・マルカウンスを並べて演奏する試みのようです。どちらも泥臭い5音音階ですから、確かに似た感じはあります。オランダにはPanのような優れた民族音楽のレーベルも存在しますので、民族音楽の研究や演奏も盛んなのでしょう。こういう映像を見ると、そう思います。

Kirwani - Lenneke van Staalen & Heiko Dijker

Kodaly & Malkauns - Kailash Ensemble

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 9日 (火)

共鳴弦付きチェロ

Saskia Rao-de Haasのチェロですが、よく見るとシタールのように共鳴弦が4本の弦と指板の下に付いていました。これでサーランギのような共鳴音が出てくるのでしょう。指板はA線側(高い音の方)が長く残って、C線側が短くカットされています。これは共鳴音をより響かせる工夫でしょうか。タブラとのデュオのように、エンドピンを全く出さず床に本体がついた状態で弾く様は、何かダルマのようで不思議な感じもあります(笑) この人のクラシック演奏を聞いてみたくなりまして探していましたが、どうもyoutubeは上がってないようです。

Saskia Rao-de Haas performing Miyan ki Malhar Part 2

Red Flower-Tribute to Tagore.mov

タゴール・ソングらしき曲を弾いています。

Saskia Rao de Haas learning from Pt Hariprasad Chaurasia

巨匠ハリプラサド・チャウラシアのレッスンを受けている場面

Raga playing students at Rotterdam Conservatory

Interview with Saskia Rao de Haas in Hindi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 8日 (月)

チェロによる北インド音楽

ベンガル・シリーズの途中ですが、今日はチェロによるヒンドゥスターニ音楽を上げておきます。FBフレンドのIさんからの情報で、これはチェロ弾きの一人として見過ごせない演奏でしたので。
女流チェリストSaskia Rao-de Haas(表記はサスキア・ラオ-デ・ハースで良いと思います)はオランダ人のようですが、民族音楽学をアムステルダム大学で学び、ロッテルダム音楽院ではバンスリ名人のハリプラサド・チャウラシア等に師事する内に、インド音楽に傾倒していったようです。その後、本場インドのデリーで師事した内の一人、シタール奏者のShubhendra Raoと結婚して、この名前になったとのこと。彼女は西洋クラシックの熟達したチェリストでもあり、東欧の民族音楽なども弾いたり、更には作曲家でもあるそうです。夫のシュベンドラ・ラオとニューデリーに住み、西洋とインドの音楽の架け橋として活躍しているサキア・ラオ・デ・ハース。北インド古典音楽では、ベース・シタールのスルバハールのような低音楽器もあるので、不自然さは感じられず、ガマクの艶かしさは擦弦楽器ならでは。ヴァイオリンに比べてチェロは音程(指)の間隔が倍なので、演奏は至難だろうと思います。1本目はソロのミヤン・キ・マルハール。雨のラーガです。2本目は夫妻の共演。

Saskia Rao-de Haas on her Indian Cello performing Miyan ki Malhar

Shubhendra & Saskia Rao at Kennedy Center for web.mov

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 5日 (金)

ノズルル・イスラムの歌

ノズルル・イスラムは、タゴールと並ぶベンガルの詩人として知られ、映画、 演劇、音楽、ダンスの創作も手がけました。タゴールが良家の出身だったのに対し、ノズルル・イスラムは下層階級出身。文盲がほとんどの階級の中にあって、苦学して創作を続けた彼の詩は、崇高な輝きを放っているようです。彼の名を初めて見たのは、20年余り前の季刊ノイズだったでしょうか。現在行方不明のため何を書いてあったかよく思い出せませんが、見つかりましたらまた情報を追加したいと思います。イスラムの歌を得意としていた歌手にフィロザ・ベグム(3本目)がいました。

Poem "Rabi Hara"by Kazi Nazrul Islam's own voice

タゴール逝去の際にイスラムが詠んだ詩の朗読自演。

The National Poet of Bangladesh

chowk gelo- nazrul sangeet by Firoza Begum

Nazrul Sangeet By Rafi : Aalga Kar Ogo Khopar Badhon Dil Wohi Mera Fas G

ポップなアレンジもほどこされ現在も親しまれているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 4日 (木)

Bangla Folk Song

バングラデシュと言えば、最近ならモデルのローラさんを思い出す人が多いかも知れません。彼女はバングラデシュとロシア、日本の血が入っているとか。しかし、それ以上はなかなかイメージが湧かないのでは。その位、一般にはイメージのつかめない国でしょう。
今日はバウルとタイトルに付かないベンガル民謡(Bangla Folk Song)を少し見てみます。バウルと付く演奏には、何故かほとんどの歌手がヴァイオリンを持っているのが謎です(笑) 民謡においては、「歌と踊りで神との合一を目指す」ような熱さは控えめで、のどかな田園風景が目に浮かぶような曲が多いです。バングラデシュのバウルの音楽がカッワーリに似ているのは、「歌と踊りで神との合一を目指す」という点では両者が一致しているので(カッワーリの背景にはスーフィズムがありますが)、当然なのかも知れません。イネディからバングラデシュのバウルの盤が出ていましたが、今度確認しておきます。

Bangla Folk Song, Sylhet Region, Bangladesh - 63 [Tumai Shudhu Chai]

Bangla Folk Song, Sylhet Region, Bangladesh - 9 [Longing For You]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 3日 (水)

バングラデシュのバウル

インド東部の西ベンガル州に隣接するバングラデシュは、同じベンガル語圏の国。宗教面ではイスラーム教徒が大多数でも、文化的には同根の部分が多いようで、バウルの歌もバングラデシュにあります。しかしイスラーム圏だからでしょうか、今日の映像で見る限り、パキスタンのカッワーリと酷似した音楽に聞こえます。昔は東西のパキスタンと言われていましたから、今でも繋がりが深いのでしょうか。ベンガルのバウルのように、一種哲学的な内容の歌詞を歌う聖なる物乞い、というイメージは、ほとんど全く見えません。例外がないか、明日以降もう少し探してみます。
ヴァイオリンの弾き語り、繋がった眉毛、両面太鼓ドーラクの形状と右手の付け爪?など、色々な点でなかなかに興味深い映像です。

bangla baul song

Bangla Baul Pala gaan kajol deowan and Choto Abul

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 2日 (火)

Prithwindra Mukherjee

例のStudio SMのバウルの盤(bauls : Les fous de l`absolu)は、Prithwindra Mukherjeeの翻訳(仏訳)、解説で出ていて、バウルの名前よりもプリトヴィンドラ・ムケルジーの名が大書されています。3人のバウルの名は、Sudhirdas Baul, Narottamdas Baul, Rana Pratapでした。彼らのyoutubeはさすがに見当たらないようです。バウルの名の前にavec(with)と付いているので、もしかしたらムケルジーもフィールドワークだけでなく演奏に加わっていたのかも知れません。
この盤は1973年と1980年のベンガルでの現地録音で、陋巷の雰囲気が髣髴とされる素晴らしい演奏でした。加えて耳に残る旋律が多いです。Studio SMと先日のChant du monde盤の2枚とも、現在はほぼ入手不可なのが残念なところです。youtube検索すると、ムケルジーの最近の映像が一本だけありましたので、上げておきます。既に高齢にさしかかったコルカタ(カルカッタ)出身の民族音楽学者(作家、翻訳家でもあるそうで)の仕事場訪問のような映像です。

Battling all odds

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 1日 (月)

Gour Khepaの歌声

Gour Khepaの映像はびっくりするほど沢山あって驚きました。念入りに探せば「世界の中心にはネズミ取りがある」も見つかるかも知れません。
バウルには寺院や経典はなく、物乞いをしながら生活し、歌と踊りで神との合一を目指すのが本来の姿ですから、そのもののようなイメージのGour Khepaは筋金入りの存在なのではと思います。内なる神を見ながらも、世相を(皮肉って?)即興で歌っているのではと思ったりもしますが、どうなのでしょうか。彼の弾いているのは、二股の棹のようなものがないので、エクターラの方でしょう(棹のあるのはゴピチャンド)。
Studio SM盤(カルカッタ出身の民族音楽学者Prithwindra Mukherjee監修)収録のバウルは、Narottamdas Baulなどで、こちらはyoutubeが今の所見当たりませんが、もう少し探してみます。

Na Bujhe Mojona Piritey

Gour Khepa speaks

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »