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2013年5月

2013年5月31日 (金)

カタック・ダンス

東インドのマイナーな民族舞踊だけでなく、バラタナーティアムやオリッシーなど、代表的なインド舞踊はいずれそれぞれ見ていく予定ではありますが、ここでそれら「インド的」な舞踊の代表格として、カタックを少し見ておきましょうか。
カタックと言えば、イスラーム色の強い北インドの舞踊というイメージが強いですが、ルーツはヒンドゥー教寺院で振りを交えて語っていた語り部(Kathaka)にあるそうで、その後のイスラーム王朝であるムガール朝の頃からでしょうか、イスラームの芸術文化を融合するようになり、華やかな宮廷舞踊として成長しました。興味深いことに、このカタックはスペインのフラメンコとも共通点が見出せるそうです。ラジャスタン辺りにいたジプシーの祖先たちがスペインまで伝えたのでしょうか? 余談ですが、語り部(Kathaka)は、南インドのカタカリにも繋がっていったのかな、と想像しましたが、どうなのでしょうか。
今日はまず長い長い一本を上げておきます。

Kathak - The Dance Of Vibrance - Guru Rohini Bhate

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2013年5月30日 (木)

ミゾラム州のバンブー・ダンス

興味深いボトル・ダンスのあるトリプラについては、他の音楽や舞踊についてよく分らないままですが、今日から東隣のミゾラム州の方へ移ります。先日マニプルの踊りでは?ということで引用された踊りは、やはりミゾラムの主要民族ミゾ族の踊りだったようです。この辺りはバンブー・ダンスの西限とも見られているようです。インド東端のチベット・ビルマ系の民族に、こんなポリネシアン・ダンスのような踊りがあるとは、驚きです。
3本目には、おまけでトリプラの踊りを。Reangというのが部族名で、Hojagiriというのが舞踊名でしょうか。素晴らしい映像ですが、短いのが残念。しかし、シナ・チベット系とチベット・ビルマ系の違いがあるのでしょうか、すぐ隣の州で随分踊りの雰囲気が異なるものだなと思います。どちらも「インド的」ではありませんが。

mizo cheraw kan

Mizo Bamboo Dance

Tripura's Hojagiri-reangs01.wmv

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2013年5月29日 (水)

トリプラのボトル・ダンスと歌

何とも不思議なトリプラの踊りを見ていましたが、昨日はその背景や歌など見ている内に、早く始まった梅雨の湿気も手伝ってすっかりクローズしてしまいました(笑)m(_ _)m 年のせいか、遅くまで起きているのが困難になってきたので、早くアップせねばと思っています。
頭上の蝋燭に見えたものはボトルのようです。ボトル・ダンスと言えば、大分前に当ブログでも見ましたが、ウイグルの旋回の入る舞踊や東欧系ユダヤにもありました。蓋のようなものを両手に持って、時々壷の上に乗って踊るスタイルは、どれも共通しています。小さい州ですが、このスタイルの踊りは一部の部族だけのものかも知れません。タブラがリズムの中心ですが、メロディはシナ・チベット系に聞こえます。3本目には民謡調の大衆歌謡と思しき女性の歌を上げておきます。日本人にそっくりな風貌です。

Tripura Dance

Tripura Dance - A traditional performance

Tripura song

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2013年5月27日 (月)

トリプラ州の踊り

インド北東部関係は音源や映像資料もほとんど皆無に近いので、youtubeで色々確認できるのは有難い限りです。今日はトリプラ州という小さい州の伝統音楽や舞踊を調べてみました。バングラデシュに接しているので、ベンガル人も多く流入しているようですが、大体はシナ・チベット語族が多いようです。戦後の東パキスタン(現バングラデシュ)独立後ベンガル人が流入し、旧住民(おそらくアーリア系ではなくシナ・チベット系でしょう)との間で民族紛争にも発展していたようですが、日本にはこの辺りの情報はほとんど(全く?)伝わってきてないように思います。
この舞踊の音楽は日本の祭の音楽や音とどこか似て聞こえる部分があります。大きな蝋燭?と鍋の蓋や壷状の道具を使ったなかなかアクロバティックな踊りです。

hojagiri dance from Tripura

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2013年5月24日 (金)

再びTetseo Sisters

そろそろ他の州に移ろうと思いながら、ナガランドの音楽がかなり面白いので少々長居しています。インド東北部の小さな州ですが、部族は幾つかいるのでしょうか、ガロ族とも繋がってくる「首狩り」の風習に関するような物騒な映像もありましたが、あと一日ということで、Tetseo Sistersの歌唱をもう3本見てみましょう。美しく可憐な歌声を聞かせる彼女らが、そのような部族でないことを祈って(笑) 一本目は特に鮮明な映像で、弓琴のような楽器の奏法もよく確認できます。

Rinyielü Lizo, by The Tetseo Sisters

Vesetsolü Lizo

Tetseo sisters at the Hornbill festival Nagaland

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2013年5月23日 (木)

ナガランドの女声ポリフォニー

用事続きで2日ブログをお休みしましたm(_ _)m
ナガランドの女性の歌を更に見ていましたが、先日のTetseo Sistersよりもっと伝統的な二重唱もありました。一本目の歌唱などは、「~のポリフォニー」として紹介されておかしくないように思います。台湾原住民の合唱に少し似ているでしょうか。インド的な面は皆無なように聞こえます。一本目、二本目は多分同じ曲だと思いますが、コンテンポラリーなTetseo's Sistersの歌唱(二本目)も素晴らしく、とても興味深いサンプルです。
政情が不安的なのもあるのでしょうか、ナガランドやインド東部のことは余り知られてないように思いますが、youtubeでは色々と出てくるのが嬉しいところです。Tetseo Sistersの持っている弓琴かブラジルのビリンバウのようなプリミティブな楽器も気になりますが、彼女らの歌声が幾分西洋的なのは、キリスト教徒が多い土地柄からなのでしょうか。彼女ら自身教会で歌っている映像(三本目)もありました。

Chakhesang singers from Nagaland!

Folk song Tetseo's Sisters

Tetseo sisters singing 'love lifted me' in Chakhesang dialect!

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2013年5月20日 (月)

Tetseo Sisters

テツェオ・シスターズという読みで良いのだろうと思いますが、ナガランドの女性歌手3人組の歌唱です。サムネイルを見た時は、一瞬ミャンマーの首長族として有名なカレン族かと思いました。
ナガランドの伝統的な歌に少しポップなアレンジを施したと思しき、何ともユニークで爽やかな歌声。こういう重唱は、CDでは「ポリフォニー」として紹介されることも多いように思いますが、音の重ね方が面白い反面、発声は少し西洋的にも聞こえます。東インドではこんな新鮮な驚きが色々あります。
なお、明日は所用のためブログをお休みします。m(_ _)m

O Rhosi, by The Tetseo Sisters!

Tetseo Sisters perform live in Kohima!

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2013年5月17日 (金)

ナガランドの音楽

インドにありながら「インド離れ」した音楽や芸能を探っている感じですが(笑)、今日はマニプル州の北隣のナガランドの民族楽器を使った演奏から。これはポップス、でしょうか? この衣装で、胡弓のような一弦の擦弦楽器をヴァイオリンのように構えて弾き語る様は、相当にインパクトがあります。この辺りは、文化的にはインドと言うより、ミャンマーやインドシナの延長と見た方が良い場所なのでしょう。二本目はゴスペルとありますが、ほとんどポップスに聞こえます。ヒンドゥー教徒の多いインドにあって、ナガランドではキリスト教徒が圧倒的に多く、インドからの独立運動が1947年のインド独立以来現在まで続いている場所です。他にもアップ候補がありましたが、酸鼻を極める映像が含まれていたため外しました。

Tangkhul Naga Folk Song by Reuben

tangkhul gospel song anim

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2013年5月16日 (木)

Manipuri Folk Dance

なかなかゴングが見つからないまま、色々見ていると実に多様なマニプルの舞踊や音楽が出てきます。最初に見たような女性の優美なタイプ(ここにゴングらしき音が出てきたのですが)だけかと思っていましたが、男踊り(一本目?)もあったり、何より民俗舞踊のものが特に面白いと思いました。
女性の優美な踊り(二本目)はインド的ですが、民舞の方(一本目)では様々な周囲の民族の要素が入っているように見えます。一本目後半の歌では、チベットかヴェトナムの歌のような揺り節が入るのが特に興味深く、激しく耳が反応しました。

Manipuri Folk Dance

Manipuri dance by Bimbavati Devi Radha Roop Varnan Invis Multimedia DVD

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2013年5月15日 (水)

マニプルのリチュアル舞踊

華やかで洗練されたインドネシアの舞踊から、北東インドのマニプリに戻ります。引き続きインド北東部のゴング系楽器を探しております。
1本目のMaibi Danceという踊り、ゴングらしき楽器ははっきり聞こえませんが、かなりチベット風な印象を受けます。鉦の音が更にそのイメージを強めているようです。この踊りを見て、グルジェフの舞踏を連想するのは、私だけでしょうか。これは狭義のマニプリとは別の儀礼的な舞踊のようです。
2本目はマニプルの踊りかどうか不明ですが、近くの踊りであることは間違いないと思います。日本人と見紛うような人々の風貌と独特な民族衣装、チベット風な踊りと音具、しかしそこは紛れもないインドであるという、とても不思議な印象を覚える舞踊の映像です。

Ritual dance of Manipuri priestess - Maibi Dance

Khamba-Thoibi dance depicting the epic love story of a poor boy and Moiran

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2013年5月14日 (火)

ジャワの舞踊

序にジャワの舞踊と音楽の方も少し見ておこうかと思います。インドネシアのガムラン音楽では、80年代頃はバリの方が人気が高かったように思いますが、最近はジャワのしっとりした趣きの音楽への注目度が上がっているように見受けられます。イタリアFelmayの「中部ジャワのガムラン」シリーズなども、その中で近年稀に見るロングセラーになっていました。私も長らく声楽入りのしっとりしたジャワのガムラン音楽に惹かれて来ましたが、昨日のような映像を見ると、どちらも奥深い余韻に満ちた素晴らしい伝統芸能であることがよく分ります。
バリとジャワの芸能の背景においての大きな違いは、宗教がヒンドゥーとイスラームに分かれることだろうと思います。しかし、今はインド亜大陸のゴングについて調べている途中でしたから、バリとジャワの芸能の比較は、また後日インドネシアに回ってきた際に見て行きたいと思います。

Javance Dance GAMBYONG SUKO RETNO From MANGKUNEGARAN PALA

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2013年5月13日 (月)

バリ舞踊

そもそも何でインド東北部のゴングにこだわっているかと言いますと、その同種楽器がヴェトナムやラオスなどのインドシナ半島にもあり、それらの鄙びた趣の素朴なゴングよりもはるかに有名なのは、言うまでもなくインドネシア(バリジャワ)のガムランのゴングですから、すっかりインドネシアのカラーに染まっているかに思えるゴングのルーツに当るような楽器が、大陸にあったという興味や驚きから、に他なりません。大陸の方が古い歴史を持っているのでは、という点に焦点があると言って良いでしょう。
しかし、ここで最も有名なバリのガムランを数本見てみたりすると、すっかりその華やかな美しさに参ってしまうような映像が色々出てくる訳でして(笑) ガムランは、高音域の旋律を受け持つグンデルと、ベースやリズムを刻むゴング、両面太鼓、竹笛のスリンなどからなっています。一本目ではグンデルとゴングが対等に動いていますが、二本目ではワヤンの音楽のようにグンデルが華やかです。どちらもバリ伝統芸能のメッカ、ウブドでの映像のようです。

Tari Kreasi Penyambutan Dara Dewi

Gabor Dance Performance at Ubud Royal Palace

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2013年5月10日 (金)

ムリダング

マニプリのゴング系の楽器はまだ見つかっておりませんので、何度か出てきている両面太古の基本奏法らしき映像を上げておきましょう。右手の方が高い音で、もしかしたらこの音が金属的に聞こえていたのかも知れません。タブラのカイダのように口で唱えながらのデモ演奏です。このビデオによると、この両面太鼓はムリダングと呼ばれているようです。言うまでもなく、南インドのムリダンガムをすぐに想起させる名前です。

Mridang Vadan

Karaikudi Mani and G Harishankar - Mridangam and Ganjira Drum Solos

比較のために、南インド古典音楽のムリダンガムとカンジーラのデュオを一本。カライクディ・マニとハリシャンカルの超絶デュオ。

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2013年5月 9日 (木)

マニプリの太鼓とグジャラート舞踊

Sanskruti Kunjと言うのは、インド西部のグジャラートで毎年行われている民族芸能フェスティバルの名称だそうですから、その祭にマニプリも出ていたということでしょう。
昨日の英語のコメントのように、マニプル州の南隣のミゾラム州の踊りかも知れないそうですが、いずれにしてもチベット・ビルマ系少数民族の芸能ということにはなります。
今日はマニプリの打楽器を取り上げた映像と、グジャラートの舞踊も比較で一本上げておきます。インドの西と東では、かくも文化が違うのだなということが、踊りや音楽からも窺えます。グジャラートの方は、明らかにラジャスターンやイスラーム圏の感じが強いと思います。
マニプリの太鼓は、例のゴング系は見えず、この少し細長い両面太鼓の形からは、インドのどの地方か忘れましたがコールという太鼓を連想させます。明日からは引き続きゴング系が明瞭に見える動画を探してみたいと思います。

Pung Cholom Manipuri Drums

Tippani Folk Dance of Gujarat

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2013年5月 8日 (水)

マニプルの民俗舞踊

今日はクリッタさんからお知らせ頂いたyoutubeを再度上げておきます。ここに見えるのはマニプル州の民俗舞踊(Folk Dance)のようですから、マニプリのようなヒンドゥー色の強い古典的な舞踊とは違うものだろうと思います。左手の伴奏陣の中に、フライパンか鍋の蓋のような打楽器が見えますが、これは明らかにゴングでしょう。こういう土着の民間レベルの舞踊と音楽(楽器や音色の好み)が、インド的な舞踊(マニプリ)にも影響していると見て良いのではと思いました。
更には、絶えず動く竹?の間を縫うようにステップする様は、ポリネシア辺りの舞踊も思わせるものがあります。コメントに、Its not a manipur folk dance its a Mizo dance called CHERAWとあるのと、タイトルのSanskruti Kunjが何を意味するのか(Sanskrutiはサンスクリットでしょうか?)が気になりますが、非常に興味深い踊りと音楽です。

Sanskruti Kunj 2012 Day 9 Manipur Folk Dance

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2013年5月 7日 (火)

マニプリ

連休明けの一本目は、やはりインド東北部ですが、マニプル州の踊りマニプリです。インドの舞踊と言えば、南インドのバラタナーティアムや、オリッサ州のオリッシーなどが特に有名で、もちろんマニプリの名も知ってはいましたが、ミャンマーに隣接する極東部の踊りだったことは今回初めて知りました。
いかにもインド的な優美な舞踊と音楽ではありますが、踊り手の顔立ちはインドシナが近い感じがありますし、よく聞いていると太鼓の金属的な音が、もしかしたら例のインドシナのゴング系の楽器かも知れないと思いましたが、どうなのでしょうか。パカワジに似たようなインドの両面太鼓であっても、どうしてもこの甲高い音はゴング的に聞こえてしまいます。

Manipuri dance by Bimbavati Devi Part 3, Invis Multimedia Vasant Ras DVD

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2013年5月 2日 (木)

ガントクの街 シッキムの自然

昨日は夜になって寒くてフリーズしてしまってアップできずでしたm(_ _)m 今朝の最低気温は5度だったそうで。もうこれで今シーズンは終わりだろうと思ったのも何度目でしょう、またもや灯油を買いに行きました。5月に入ってストーブがついているのは初めてのことで。全く異常ですね。皆様の所ではいかがでしょうか。
シュタルケルの追悼の一文の前には、ヒマラヤ山中のシッキムの映像を見ていました。今日は音楽ではありませんが、州都ガントクの街並みと美しい自然の映像です。こんな山の上によく町を作ったなぁと、驚嘆してしまいました。ダージリンは2000メートルを越える高地でしたが、少し低いシッキムも山の険しさでは上を行っているように見えます。何故か音楽はフリオ・イグレシアスです(笑)
明日からGW後半です。一応3~6日までブログはお休みする予定です。m(_ _)m

THE GANGTOK ROPEWAY IN FULL HD

Sikkim

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