サーランギ
カタック・ダンスにも使われていた擦弦楽器サーランギは、先日書いたようにムスリムの音楽家が演奏する楽器と言うイメージが強いのですが、周辺諸国にも同系統の楽器が色々あって、ネパールの場合はムスリムではないように思います。
今日は北インド古典音楽とラジャスタンのマンガニャール、ネパールの演奏を貼っておきます。カタックの伴奏の場合は、ターラ周期を明確にするための同じフレーズの反復が多かったように思いましたが、本格的な古典演奏ではもっと柔軟な即興演奏が展開されています。サーランギと言えば、スルタン・カーンとラム・ナラヤンが特に有名だと思いますが、生映像が見当たらないので、サブリ・カーンの演奏で。
ラジャスタンの名人芸はサーランギ演奏では特に有名だと思いますが、彼らはムスリムなのでしょうか? ネパールの場合はBudaに「ヒャンギャのガイネ」という盤があったように、大道芸の吟遊詩人の伝統で伴奏楽器として使われるようですが、細かい装飾の音使いが実に素晴らしいです。中央がえぐれたような形状は、パキスタンのサーリンダやイランのゲイチャクに似ています。
小泉文夫氏がインド留学した際にまずサーランギに興味を持った云々という記事を読んだ記憶がありますが、演奏弦の少なさ(3本)と対照的に共鳴弦が多く、玄妙な音色が出るようです。慣れるまでは、爪と指の間に弦が食い込んで激痛が走るというエピソードもありました。
Sarangi Samrat Ustad Sabri Khan Saheb
Lakha Khan and the Sarangi
sarangi player
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