Yine Bir Gülnihal
オスマン・トルコ時代の大作曲家イスマイル・デデ・エフェンディの佳曲Yine Bir Gur Nihalについては、大分前に何度か取り上げましたが、久々に見てみたら、また色々な演奏が上がっていました。シェヴァル・サムが歌っていればと思いましたが、どうも見当たらないようで。代わりに例のシャルクの名歌手ネスリン・スィパヒや、サナートの名歌手ゼキ・ミュレン、トルコ出身の名ピアニストのファジル・サイ、更にはギター独奏まで、驚くほど色々ありました。この曲がいかに愛されているかということでしょうか。ゼキ・ミュレンの歌い方は、発音などに独特な癖があって、ちょっと抵抗がありましたが(笑)
この曲、ジョシュクン(Coskun)から出ている「トルコ古典音楽のファスル(組曲) Vol.5~デデ・エフェンディ」で初めて聞いて以来、耳について離れず、後にトルコ・ウードを独習している時に、ウード教本にこの曲が移調されて何度も出てきたことなども前に書いた記憶があります。
Nesrin SİPAHİ-Yine Bir Gül Nihâl Aldı Bu Gönlümü (RAST)R.G.
Zeki Müren - Yine Bir Gülnihal Aldı Bu Gönlümü
Yine bir gülnihal Fazıl Say
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コメント
ハジュ・アーリフ・ベイ(1831-1885)の傑作Vücud iklimininとかどうでしょうか。
男性歌手のMehmet Kemiksizが歌っているのとか大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=3t4K5A2jaRw
この歌の形式はシャルク、マカームはニハーヴェント、ウスールはジュルジュナです。
投稿: 白いりんご | 2013年11月28日 (木) 12時32分
白いリンゴ様
ハジュ・アリフ・ベイも作曲家シリーズでよく目にする人です。この曲にはメヴレヴィー的な印象を覚えましたが、シャルクになるのですね。
投稿: Homayun | 2013年11月29日 (金) 00時41分
個人的にオスマン帝国時代の都市で行われた芸術音楽の3大音楽家はウトリー(1640-1712)、デデ・エフェンディ(1778-1845)、ハジュ・アーリフ・ベイだと思っています。
ウトリーのネヴァー・キャールは大変素晴らしいです。男性歌手ムスタファ・ドアン・ディクメンMustafa Doğan Dikmen(1957-)の良い録音があります。デデ・エフェンディは天才です。多くのマカーム、形式で作品を残し、トルコ芸術音楽の基本となっているように思います。しかも旋律が美しい。ハジュ・アーリフ・ベイは軽く、分かりやすい形式であるシャルクの声楽曲をたくさん作った方です。今日のトルコ芸術音楽のコンサートではシャルクのみ演奏することは珍しくなく、現在にまで影響を与えている方です。
投稿: 白いりんご | 2013年11月29日 (金) 12時23分
白いりんご様
ウトリーという作曲家だけ、はっきり記憶がありません。また探して聞いてみます。ハジ・アリフ・ベイもシャルク作品が多いことは初めて知りました。有難うございます。
投稿: Homayun | 2013年11月30日 (土) 00時24分
ウトリーItrî(トルコ語ではIとIの上に点のあるİを区別します。ここではIを、とりあえず「ウ」としています)の代表作はネヴァー・キャールとナアト、セギャーフ・アーイーンと言われています。この3つは聞く価値があります。
※ナアト:ムハンマドを讃える詩の、ラースト・マカームの自由リズムの歌です。
※セギャーフ・アーイーン:メヴレヴィー教団の定番の典礼音楽です。
イスタンブルに生まれ、最初の音楽教育をイスタンブルのイェニカプ地区にあるメヴレヴィー教団の修道場で受けました。ハーフズ・ポストに学んだ方で、オスマン帝国第19代皇帝メフメト4世(在位:1648-1687)の時代の宮廷音楽家、また、詩人で書家でもあります。古典的な様式に誠実である多くの作曲家が、大なり小なり彼の影響を示しています。生没年には異説があります。
投稿: 白いりんご | 2013年11月30日 (土) 13時58分
白いりんご様
お返事遅くなりました。いつも貴重なお話有難うございます。Iの上の点の有る無しで、イかウになることは知っていました。シャルクも、最初は間違えてシャルキと読んだものでした(笑)
ウトリーの名前は、綴りで見れば、非常によく目にする名前でした。例のウード教本にも楽譜があったと思います。
投稿: Homayun | 2013年12月 3日 (火) 00時24分