« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »

2014年4月

2014年4月30日 (水)

Tran Quang Haiのスプーン、口琴、倍音唱法

Tran Van Kheの息子Tran Quang Hai(トラン・カン・ハイ)の演奏は、口琴中心に何年か前にアップしたことがありました。北アジア枠だったと思います。彼は口琴名人として有名ですが、スプーンを使った妙技も凄まじいものがあります。スプーンと口琴はもちろんのこと、3本目の倍音唱法を聞いても、リズムの大切さを痛感させられる演奏です。父はヴェトナムの伝統音楽、息子はヴェトナムの少数民族の音楽に重心をおいていると言えるのかも知れません。

Tran Quang Hai plays the spoons

TRAN QUANG HAI plays the Vietnamese Baby Dan Moi

TRAN QUANG HAI sings with the biggest number of overtones

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月28日 (月)

トラン・ヴァン・ケーの歌と指揮

トラン・ヴァン・ケーの器楽演奏の動画は意外に少ないようですが、歌や指揮の映像もありました。月琴を模したエレキ・ギターでのフレキシブルな伴奏も秀逸です。母音唱法の部分は、インド声楽のサリガマで歌う部分に似て聞こえます。カルナティック(またはヒンドゥスターニ)の歌を意識しているのかどうか、気になるところです。キム・シンを歌で行くような、「ヴェトナムのブルース」と交錯して聞こえます。
楽団を指揮している方は歌いながらで、それだけでも世界中で珍しいと思いますが、同時に歌っている自分に対して、また聴衆にたいしてのモーションやアピールを含んでいるようで、それがヴェトナム語の音韻の豊かさとあいまって、非常にユニークで示唆に飛んだものに思えます。

Giáo sư TRẦN VĂN KHÊ & Nguyên Lê ngẫu hứng Jazz "CHIỀU TIỄN ĐƯA" (the 2nd time)

GS Trần Văn Khê hát vai chàng cà lăm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月25日 (金)

Tran Van Khe

トラン・ヴァン・ケーと言えば、Ocoraから出ていたImprovisationsでの名演と名録音で知られていたと思います。息子のトラン・カン・ハイも口琴などの名手として有名で、一本目ではスプーン?で共演しています。フランスを拠点にヴェトナム音楽を発信し続ける親子の目指すのは「伝統的な楽器と演奏技術に基づく新しい音楽」。親子揃って卓越した演奏家であると共に、民族音楽学者でもあります。

Đàn tùy hứng giữa đàn kìm (Trần Văn Khê) và muỗng (Trần Quang Hải)

Sầm Giang Tái Ngộ 13 - Trần Văn Khê - Ngâm thơ và đàn tranh

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月23日 (水)

カ・フエにもダン・バウ

5日間のブログ休暇明けですが、やっぱり余り時間が取れないので、短いですが。古都フエの歌(カ・フエ)にも、一弦琴のダン・バウが使われていました。この楽器が入ると、どちらかと言えば、中国的に聞こえるように思いますが、北のハノイ辺りだけでなく中部のフエでも使われると言うことが確認できます。南部のサイゴン(現ホーチミン市)辺りはインド的な伝承があるようにも聞きますが、南でダン・バウが使われるかどうか、また当ってみようかと思います。

ca hue 6

Ca Hue tren song Huong

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月17日 (木)

カ・フエ

カ・チューは素晴らしい映像が沢山あって見飽きませんが、次に行きます。カ・チューは、王宮や上流階級で流行しただけあって、やっぱり高踏的なイメージがありますが、中部ヴェトナムの古都フエの古典的な歌、カー・フエ(カーが歌の意味)は、もっと民謡寄りの庶民的な印象があります。特に今日のような曲はそうでしょう。
明日18日から22日まで、所用のためブログはお休みしますm(_ _)m

Ca Hue 1

Ca Hue 2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月16日 (水)

ヒストリカル・カチューとヴェトナム美術

おそらくヒストリカル録音と思われるカ・チューの歌と演奏の素晴らしさはもちろんですが、ここに出てくるヴェトナム美術も忘れられない印象を残します。女性の歌と木片、フレットが深く表現力豊かな弦楽器Dan Dayと、一緒に聞こえてくるのは小さい太鼓を叩く音ですが、このピシッピシッと決まる太鼓は聴衆によるものだとか。儚なげで繊細なヴェトナム伝統音楽の代表格のようなカ・チューですが、座敷歌謡としての艶っぽさのようなものが垣間見えるような気がします。どんな歌詞内容なのか、気になるところです。

Ca Trù: NSND Quách Thị Hồ, Hồng Hồng Tuyết Tuyết (Version 1)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月15日 (火)

Ca Tru

次はヴェトナムの静謐な語り芸として知られるCa Tru(カ・チューという表記を多く見かけます)です。日本で言えば、地唄か小唄のような粋な芸が近いでしょうか。女性によって歌われる一種のお座敷音楽と言えそうです。弦楽器の余韻と、木片を叩く音だけの伴奏でしっとりと歌われます。
一本目は珍しい少女歌手の歌唱。2本目は貴重な映像資料では。音源としては、Budaやイネディに良い録音がありました。

CA TRU ( Xam ) - Viet Nam Music nature song by a teen

Ca Tru Vietnam

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月14日 (月)

Khac Chiのダン・バウ

Khac Chiという男女二人のユニットの盤が、大分前にアメリカのHenry Streetから出ていて(「ヴェトナムの月の光」)、確かダン・バウ(一弦琴)も弾いていたなと思って調べてみたら、ありました。Ho, Chi Khacは、ダン・バウの世界初のヴィルトゥオーソとして知られているようです。ご覧の通り、ヴェトナムの伝統音楽に新鮮な息吹を吹き込んで演奏するグループです。
彼の演奏で聞くと、ロシアのテルミンだけでなく、中国の古琴にも似て聞こえる部分があります。

Dan Bau Vietnam "Trong com" - Khac Chi solo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月11日 (金)

一弦琴=ダン・バウ

ヴェトナム特有のユニークな楽器の筆頭は、一弦琴(ダン・バウ)でしょう。ガイルオンの細かい節回しを表現しているかのようにも聞こえるこの楽器は、左手で音程や装飾を与えているようですが、弦が見えにくいので、遠目にはロシアのテルミンのようにも見えます。出ている音も少し似て聞こえます。正に歌うが如くに聞かせる素晴らしい表現力。
一弦なのに、旋律を歌わせる雄弁さでは他の楽器を圧倒しています。

Vietnam 2011 - Dan Bau music

AHF12_Pham Duc Thanh - Dan Bau

Vietnamese Dan Bau-Tran Ang Flowers Group

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月10日 (木)

ヴェトナムの琴と琵琶

今日はヴェトナムのトラン(琴)とティバ(琵琶)を一本ずつ上げておきます。キム・シンの演奏で見た月琴はキムと呼ばれるそうです。
この国の音楽には、中国音楽からの強い影響と、ヴェトナム音楽独自の繊細さの両方が見えます。その繊細さの源は、ヴェトナム語の響きと、豊かな語り物の伝統から来ているのかも知れません。フン・タンの節回しにも、そんな儚い美しさがあります。
ここで聞けるのは、ニャニャク(ヴェトナムの雅楽)での琴や琵琶とは違うタイプの音楽になるでしょうか? (ニャニャク関連は今捜索中です。)

Beauty Plays Traditional Vietnamese Music

Qua cầu gió bay - Traditional Vietnamese Music

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月 8日 (火)

フン・タンの都節

今日もフン・タンの生映像ですが、琴と尺八との歌唱が特に素晴らしく耳を惹き付けられました。音階が日本的で、日本の四七抜き短音階~都節に近い感じです。ジャワ西部のスンダ地方のソロッグ音階は、都節に似ていることで知られますが、このような旋律が元からヴェトナムにもあるのでしょうか? あるいは、日本的な編成の曲に合せて歌っているのでしょうか? いずれにしても、ガイルオンの細やかな節回しと絶妙に溶け合っています。

HƯƠNG THANH declaimed Kim Vân Kiều with Koto and Shakuhachi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月 7日 (月)

フン・タン 琴、コムンゴ、ギンブリ

ヴェトナムの歌姫フン・タンの歌唱の生映像というのは余りないみたいですが、いくつかありました。1本目は日本の琴などとの演奏で、琴には日本の童謡が混じって出てきます。ユーモラスな一曲です。2本目は、韓国のコムンゴとかモロッコのグナワに使われるギンブリのどちらかと思われる楽器と演奏しています。ジャズ風なテイストにマッチしています。低音の唸り方からみると、ギンブリかも知れません。
琴もコムンゴも、楽器の分類では弦楽器のツィター属になりますが、ヴェトナムの雅楽(ニャニャク)にもおそらく琴のような楽器が使われていて同じくツィター系になるのでしょうから、琴やコムンゴで伴奏しても非常にヴェトナムの歌と親和性があるのでしょう。特に揺りの大きいコムンゴはぴったりに聞こえます。

HƯƠNG THANH sang a Vietnamese Folksong "LÝ QUẠ KÊU"

Huong Thanh - One River, Two Streams (Sâm Huê Tinh)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月 3日 (木)

HUONG THANH

では近年人気の高い女性歌手フン・タン(HUONG THANH)の歌唱を見てみたいと思います。この人の歌唱がどういう経緯で人気が出たのかはよく知らないのですが、OcoraとBudaというフランスの民族音楽系名門レーベルから数枚出ていて、より伝統的なOcora盤はそれ程注目されてはいなかったと思いますが、Buda盤の方はワールドミュージック市場での特別扱いのような感じで国内仕様盤もリリースされました。
今日のyoutubeは、繊細なガイルオンの歌唱をベースに、様々なアジアン・テイストをブレンドしたサウンド。確かにフラジャイルな美を醸し出しています。

Huong Thanh & Nguyen Le - Fragile Beauty

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月 2日 (水)

Kim SinhとVinh Bao

ようやくキム・シンの生映像が見つかりました。一緒にヴィン・バオの演奏も。キム・シンは琵琶との共演(ガイルオン)、ヴィン・バオは弟子に稽古をつけている場面のようです。ヴィン・バオは、大分前にOcoraから音源が出ていました。
この長棹の月琴は、ダン・キムとありますが、CDにはダン・グェと出ていたように記憶しています。巨匠ヌエン・ヴィン・バオは1918生まれ。キム・シンより先輩になるのではと思います。二人の巨匠が弾いている楽器は同じでしょう。
CDのコメントに「ダン・トランは中国南部の潮州の琴にも似たスチール弦の涼しげな響きで、アンサンブル自体も潮州音楽の繊細さに通じるものがあるが、独特な装飾の付け方はやはりヴェトナムのもの。」と書きましたが、この映像を見てやっぱり凄い名手だなと改めて思います。ヴェトナムにもゴング(おそらく山岳少数民族の間に)はありますが、他のインドシナ諸国の音楽に比べると、ぐっと南中国の音楽が近くなった印象があります。揺りの大きさからでしょうか、時には韓国のコムンゴなどに近いようにも聞こえます。

Cải lương music

Maestro VĨNH BẢO plays the Đàn Kìm and 1st lesson to Bach Yen

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »