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2015年10月20日 (火)

加藤さん再訪とウード音源の数々

先日ウード奏者の加藤吉樹さんが今治を再訪、10月11日のバリパサールでソロ・ライブをされた翌朝、拙宅に寄られた際にかけた音源の数々について。ウード関係中心に棚から引っ張り出しました。2時間ほどの短い時間でしたが、音楽談義に花が咲いた楽しい一時でした。

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上のLP2枚は1980年・高3の時に今治のトチギレコードで購入。ここには写ってないユネスコ・コレクションのイランと並んで、当時夢中になって聞いた2枚です。

左のエジプトのウード奏者Khamis El Finoはオリエンタルムード満点かつダイナミックな演奏が魅力の演奏で、伴奏のダラブッカは、3拍目に低音が2つ入るところが、典型的なアラブのリズムとして名高いバラディでもサイーディーでもない現在では余り聞けないタイプのリズムパターンだそうです。ウードとダラブッカ共に、この盤で初めて聞いたもので、鮮烈な印象があります。CD化はされていませんでしたが、この盤などのSmithsonian Folkwaysの膨大なアナログ時代の音源は、カスタムCDRまたはDLで入手可能になっていて、この盤もありました。早速発注をかけました。余談ですが、ジャケットのハミス・エル・フィノ氏を見た時、オリエンタルカレーの「ハヤシもあるでよ~」のCM名文句がぱっと頭に浮かびました(笑) と言っても、アラフィフ以下の方には意味不明でしょうが(笑)

右のユネスコ・コレクションの「アラブ音楽・マカーム」は、前回の4月、加藤さんにレバノンのジプシーのブズク名人Matar Muhammadの超絶演奏をお聞かせしたので(フランスInedit盤)、スタジオ録音(イネディとは別テイク)の入ったこの録音も、と思いましたが、ウードのジェルエス・サレハの妙技をかけただけで終わってしまいました。B面のイラキ・マカームと女性独唱ナエルも白眉で、聞き所の多い一枚です。Smithsonian Folkwaysでは、スミソニアン・フォークウェズ音源だけでなく、MonitorやオランダPhilipsのUnescoコレクションなど、別なレーベルの音源も入っているので、今後の再発に期待です。

下のCDの方では、やはりウード関連と言うことで、イランのウード弾き語り名人Abdolwahab Shahidiの名演の入った3枚が左に並んでいます。フランスOcoraのMusique Persane(ペルシアの音楽)は、90年前後にはペルシア音楽で一番手に入りやすく内容も最高の名盤でしたが、残念ながら現在は廃盤。ここではサントゥールの巨匠ファラマルズ・パイヴァールの楽団と演奏していますが、伴奏陣がまた最高で、ケマンチェのアスガール・バハーリー、トンバクのホセイン・テヘラーニ、タールのジャリール・シャフナーズなど、70年前後のトッププレイヤーが並んでいます。その右はシャヒーディーのウード・ソロのCALTEX盤、その右もCALTEX盤ですが、この2枚共、OcoraのMahur旋法の一曲目と同じシャヒーディーの自作曲Negah Garm To(欧文綴りは怪しいです)の別テイクが入っています。どれも最高で、いずれもParisaのCALTEXやTaraneh盤と並んで、96年のZeAmi開店当時のベストセラーでした。(来年2016年で20周年になります)

その右は、今は無きレーベル、ディスク・アラブのマンスール・ナリマンのウード独奏。教本と併せてお見せしました。シャヒーディーとは違って、ウードのみでペルシア音楽を聞かせる珍しい演奏。

その横2枚は、江戸の浄瑠璃・新内です。小泉文夫さんの話から、新内にも飛びました。左から岡本文弥氏の「月夜の題目舟」(泉鏡花の小説「葛飾砂子」に基づく)の入った92年リリース盤と、富士松鶴千代さんの新内2大名曲「蘭蝶」「明烏」のカップリング。実は彼女は私の師匠で、サイン入りの宝物です。この蘭蝶の一節を、3回目のポレポレチロリンゴールド出演の際(10月29日20時)に歌うことになりそうです。

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