アルマンドの話
ロレーヌの伝統音楽では結局見当たらず、一昨日のアコーディオン奏者も、どうやらアルザスの人のようでした。想像以上に、東フランスにおけるアルザスの文化的な存在感は大きいのかも知れません。アルザス語などのドイツ南西方言は、総称してアレマン語とも言われますが、アレマンと聞いてクラシック・リスナーが思い出すのは、一般にドイツ舞曲と言われるアルマンドでしょう。「ドイツ語」をフランス語で「アルマン(Allemand)」と言うのは、アレマン語を話すアレマン人にルーツがあると言われるように、バロック舞曲のアルマンドも当時のこの辺りの舞曲が雛形になっていたのでしょうか。J.S.バッハなどのバロック期の組曲に必ず出てくるアルマンドは、アウフタクトで始まる特徴的なリズムを持っており、このリズムが現代のアルザスに残っていたりすると、とても面白いので探しているところです。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲中、最も難しい6番のアルマンドを、ミッシャ・マイスキーの演奏でどうぞ。
Bach - Cello Suite No.6 ii-Allemande
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