追悼特番1
ゼアミdeワールド8回目の収録に行ってきました。
16日に大変お世話になりました音楽プロデューサーの星川京児さんが亡くなられましたので、今週と来週は追悼特集にしました。放送は26日木曜午後5時15分、再放送は29日日曜午後3時からです。宜しければ是非お聞き下さい。
星川さんの追悼曲として、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の5楽章をかけました。併せてキングの旧WMLシリーズの「カスピ海の旋律」から、アゼルバイジャンのケマンチャ演奏も時間まで。(現在のワールドルーツミュージックライブラリーシリーズでは「アゼルバイジャンの音楽」に収録)
葬儀の帰りに奥さんから、星川さんはクラシックにも相当詳しかったと聞きました。クラシックには余りご興味ないかと思って話題にしたことはありませんが、是非色々話をうかがいたかったです。13番の本命である第5楽章「カヴァティナ」は、その寂寥感溢れる無上の美しい旋律で知られています。深遠なベートーヴェン後期作品の中でも白眉と言えると思います。誰かを告別するような、とよく形容されますが、事実葬儀にかけて欲しいと希望する人も多いそうで、数多くの人が、この楽章が奏される中、黄泉路へ旅だって行かれたそうです。この曲だけは、フェイドアウトせずに全曲かけました。放送ではブダペスト弦楽四重奏団の演奏でしたが、ブログではイタリア弦楽四重奏団です。
「近藤君、ベートーヴェンなんてやめてくれよ(笑)」とは言われないと思いますが(笑)
Beethoven: String Quartet No.13 op.130 V. Cavatina Quartetto Italiano
南コーカサスの国の一つ、アゼルバイジャンは言語的にはトルコ系ですが、音楽や楽器の面では南隣のペルシアの影響を強く受けていて、ケマンチャもドゥンベクも楽器名からしてそっくりです。最高の名手アリエフ・ガビリ・ムスタファ・オグリが、イランの古都シーラーズの名を冠した旋法の哀愁の名旋律を聴かせます。この曲は、90年代前半のNHKFM「世界の民族音楽」の星川さん司会の回でテーマ曲に使われていました。星川さんプロデュースの録音です。83年の小泉文夫さん逝去の後、このFM番組を引き継いだ内のお一人です。
カスピ海の旋律 バヤーテ・シーラーズ
Habil Əliyev - Bayatı Şiraz
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コメント
近藤さん、ありがとう。星川京児もきっとよろこんでるよ。でも悲しいねえ。
投稿: 村山守 | 2016年5月26日 (木) 17時43分
村山さん
有難うございます。悲しいですねぇ。星川兄ぃは不死身だと思ってたのに。アノマBBSを見て奥さんが心配になりました。私は遠いので、村山さん気にかけてあげて下さい。
投稿: Homayun | 2016年5月26日 (木) 18時51分
近藤さん、心配かけましたね。
私は大丈夫よ。
あなたをはじめ、見守ってくれる人たちがいますから。
追悼番組、ありがとう。
星川も、聴いていたと思います。
投稿: 星川康江 | 2016年5月26日 (木) 21時16分
康江さん
ブログ見て頂いていましたか(^^; 安心しました(^-^)
ラジオも聞いて頂いたようで、有難うございます。来週はアゼルバイジャンのケマンチェをもう少しちゃんと紹介して、もう一曲は、私が初めて「世界の民族音楽」で星川さんの放送を聞いた時に解説されていたデリーのカッワーリ、ニザーミ・ブラザースを考えています。カセットも探せばあるかも知れません。録音は90年前後だったと思います。
投稿: Homayun | 2016年5月26日 (木) 22時25分