ハザラのgulli sad barg
22日にアップしましたナーゼリーのアルバム名のGole Sad Bargとは、そのまま訳せば「百の花(の葉)」となると思いますが、このタイトルで検索していると、アフガニスタンのハザラ人のドゥタール弾き語りが出てきました。ハザラ人はアフガニスタン中部のバーミヤン辺りに住む人々ですが、13世紀のモンゴル帝国時代から残っていたモンゴル人に、元々この辺りにいるイラン系民族が混血したそうで、アジア的な風貌の人が多いです。ダリー語(アフガン・ペルシア語)を用い、宗教的にはイランと同じシーア派だからでしょうか、文化的にも共通の部分があるようです。この詩句Gole Sad Bargが入ってくるのも、その証しでしょうか。この言葉は、ルーミーの詩に出てくるのか、他にも共通してあるのか、その辺りは不明ですが。
そう言えば、ナーゼリーのGole Sad Bargには、Iranian Gnostici(s)m Music(イランのグノーシス主義の音楽)と、興味深い副題が付いていましたが、これはグノーシス主義がスーフィズムのルーツの一つだからでしょう。20年前のリリースの際には無かったのですが、10年ほど前の再発?盤にはこの副題があったのも、興味深く意味深です。しかし、ドゥタールは2弦とは思えない表現力があり、腹にも響きそうな低音が魅力の楽器です。厳かで爽やかな黎明を思わせるような始まりがとても印象的だったナーゼリーのGole Sad Bargとは対照的な音楽です。演奏者のShawkat Ali Saboorは、ハザラ人がほとんど全てのマリスタン出身のようです。
Shawkat Ali Saboor Malistani - gulli sad barg tabistan am a
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