Turkish Mugham of Azerbaijan
極上のケマンチェのソロを見ましたので、元々この楽器が使われるアゼルバイジャンのムガームを少し見てみましょう。数年前に取り上げた頃より、はるかに動画が増えているようです。ムガームは大体タール、ケマンチェ、歌とダフの3人編成が多く、何よりもトルコ系らしい吟唱がまずあって、それをケマンチェやタールが模倣しているように聞こえます。弦楽器はどちらもペルシア由来ですが、出ている音はテュルクが勝っていると思います。タールの高く構えて独特な装飾を入れて激しく奏でるところや、ケマンチェの高音から低音までの音色の多彩さは、アゼルバイジャン音楽独自のもの。むしろ、タハリールの入る歌声の方がペルシアの音楽に似ていると言えるでしょうか。以上のようなことが、今日の動画などを見るとよく分ります。しかし、タイトルがTurkish Mughamとなっていると言う事は、レパートリーがトルコとペルシアに分れるのかも知れませんが、その辺よく吟味してみたことはないです。久々に来日もした国宝級歌手アリム・カシモフでも傾聴してみましょうか。
Turkish Mugham of Azerbaijan
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コメント
来日したとき、カシモフをまじかで聴けたことは
一生の宝です。
娘さんの売り込みをしてましたけど、二人の実力の差が
あまりにも歴然としていて、「カシモフ凄い」とダメ押し
したみたいに思えちゃいました。
投稿: 星川康江 | 2016年6月 4日 (土) 13時43分
康江さん
私も知人やお客さんから薦められましたが、残念ながら聞きに行けませんでした。そんなに良かったのですね。娘さんとのデュオも昇り竜のようで凄かったと聞きました。
04年のアリザーデ&ハムアーヴァーヤーンと、08年のアリム・カシモフは、不思議な気もしますが、録音で出てないですね。惜しいです。
投稿: Homayun | 2016年6月 4日 (土) 18時38分