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2016年8月18日 (木)

ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ

ゼアミdeワールド20回目の放送、先ほど終りました。今後は放送原稿は本放送終了後にアップする予定です。再放送は21日15時です。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源ですが、youtubeはほとんどが他の演奏者です。昨日は21回目の収録に行ってきました。

ブラジル音楽特集の3回目です。今日はブラジルの大作曲家ヴィラ=ロボスの代表作、ブラジル風バッハから2曲かけます。エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos 1887年~1959年)は、リオ・デ・ジャネイロに生まれこの地で亡くなった人ですが、ピアノだけでなく、チェロも弾き、ギター曲にも名作を残した人です。ブラジル風バッハは、ポルトガル語ではバキアーナス・ブラジレイラスと言います。彼は終生J.S.バッハを深く敬愛していましたが、同時に若い頃からブラジル東北部(ノルデスチ)に民謡の収集に行っていたように、ブラジルの民族音楽に深い関心を持ち続けた人でした。
彼の代表作であるブラジル風バッハは、「ブラジルの民俗音楽とバッハの作曲様式の融合」を目指して1930~45年の間に作曲された9曲の組曲集で、中でも1938年に作曲された5番のアリアは彼の全作品中、最も名高い曲です。ソプラノ独唱と8つのチェロのための作品ですが、これからかけます録音の指揮者ストコフスキーはソプラノ歌手のアンナ・モッフォと組んだ録音において、以下のように言ったそうです。
「オリジナルは8本のチェロが伴奏する形で書かれている。しかしヴィラ=ロボス自身が、さらに4本のチェロを部分的に追加し、2本のコントラバスによってバスの旋律的な流れを補強しようと考えていた」 ここから「12人のチェリスト達」という発想が生まれたのかなと思いますが、どうなのでしょうか?
これからかけます5番のアリアは、ヴォカリーズに始まりハミングで復唱される有名な旋律で、正にサウダーヂを感じさせるブラジルのトロピカル・ムード満点の名旋律だと思います。録音は沢山ありますが、アンナ・モッフォとストコフスキーのコンビは、ラフマニノフのヴォカリーズなどと並んで、特に名演として知られ、気だるい夏の夕暮れ時を思わせるような艶っぽい演奏です。この曲はカットせず7分余り全てかけたいと思います。
中間部の歌詞はルツ・ヴァラダレシュ・コレア(Ruth Valadares Correa)によるものだそうです。

<ヴィラ=ロボス / ブラジル風バッハ第5番 アリア  アンナ・モッフォ(S)、レオポルド・ストコフスキー指揮アメリカ交響楽団>
Heitor Villa-Lobos - Bachianas Brasileiras No. 5


ブラジル風バッハで他に特に有名なのは、1番の序奏「エンボラーダ」と、トッカータの形式にブラジル音楽が盛り込まれた2番の「カイピラの小さな汽車」ですが、これから終わりまでベルリン・フィルの12人のチェリストによるエンボラーダをかけます。「土俗的舞曲」の副題がありますが、その割に洗練されていて、太いハバナ葉巻をくゆらせていたヴィラ=ロボスのダンディな姿が窺えるような、彼独自の豪快な旋律美にぞくっと来ます。
この曲は、私が入っていた大学のオーケストラの夏合宿の団内演奏会で、チェロ軍団の皆さんが弾いて見事優勝したことでも個人的に強く印象に残っています。82年頃は「ベルリン・フィルの12人のチェリスト達」のLPが大流行の頃でした。今回かけているのは2000年の録音です。

<ヴィラ=ロボス / ブラジル風バッハ第1番 エンボラーダ  ベルリン・フィルの12人のチェリスト達 抜粋>
Heitor Villa-Lobos - Bachianas Brasileiras, No. 1 Complete

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