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2016年9月

2016年9月30日 (金)

バッハ無伴奏チェロとポル・ウナ・カベーサ

ゼアミdeワールド26回目の放送、木曜夕方終りました。再放送は2日15時です。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。無伴奏チェロのyoutubeは、名手ミッシャ・マイスキーの演奏を貼っておきます。5番のジーグとか、最高です。ポル・ウナ・カベーサは、私達が弾いたのとは少し編曲が違います。

毎回言っておりますが、放送時間が10月から変わります。本放送が日曜日の18:00から18:30、再放送は翌週の水曜日の20:30から21:00です。宜しければ是非お聞き下さい。

今回が15分枠での最後の放送になりますが、「たまにチェロなどの生演奏も」とラヂオバリバリのフライヤーに書いておきながら、ミキサー操作しながらのためなかなか実現出来ておりませんでしたので、今回は自演をかけてみようかと思います。私自身のチェロやヴァイオリンの録音と、私が所属している今治市民弦楽合奏団の演奏です。何で民族音楽を扱いながらチェロやヴァイオリンなのかについては、また30分枠になってから追々お話していきたいと思います。

まず一曲かけながら話を進めたいと思います。去年7月25日の石鎚神社での奉納演奏の録音で、私のチェロと青野和範さんのピアニカ、ベルローズの岡野ゆきさんの朗読、ダンススタジオ108の渡邊さんの舞踊です。私が弾いているのは、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲1番サラバンドです。神社の荘厳な雰囲気に合うかなと思って選びました。

<近藤博隆(チェロ) / J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲1番のサラバンド>
Bach - Cello Suite No.1 iv-Sarabande


以下催しのお知らせです。宜しければ是非お越し下さい。3つとも無料です。

◎今治芸能祭(洋舞)
10月23日 午後1時から(順番は未定)@今治中央公民館4階大ホール
ダンススタジオ108&近藤博隆(チェロ)
演目:竜の河
去年の内子座、今年1月31日の今治総合芸能祭に続く「竜の河」の再々演です。内子座の時と同じで、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲3番サラバンド、3番ジーグ、5番ジーグ、3番サラバンド前半を、この順で弾きます。音楽はチェロのみです。
 
◎文化祭(音楽祭)
11月13日 午後1時から 順番は12番目  @今治中央公民館4階大ホール
出演:今治市民弦楽合奏団
曲目:モーツァルト / アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章、マスカーニ / カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲
私はファースト・ヴァイオリンで出ます。

◎第10回今治総合芸能祭
2017年2月5日 午後1時からの1番目 @今治中央公民館4階大ホール
出演:橙黄会(お能の仕舞と能管)、未来演劇KプロジェクトJrの朗読劇、山田逸朗さんの写真、近藤博隆(チェロ)のコラボ
世阿弥作の春を寿ぐお能の名曲「東北(とうぼく)」の序の舞を中心にしたコラボです。チェロ・ソロはJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲1番サラバンド、アルマンド、プレリュードをこの順で弾く予定。
開演前のウェルカム演奏(緞帳前でのチェロ独奏)も15分前後弾くことになりました。今年は二胡の武田さんが担当されていました。

さて、前置きが長くなりましたが、今年の1月31日に開催されました第9回今治総合芸能祭での、私のチェロ演奏をかけてみたいと思います。お能の橙黄会、ダンススタジオ108、岡野ゆきさんのベルローズの薔薇のコラボステージでした。弾いているのは、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲3番のサラバンド、3番ジーグ、5番ジーグ、3番サラバンドです。

<近藤博隆(チェロ) / J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲3番のサラバンド、3番ジーグ、5番ジーグ、3番サラバンド>
Bach - Cello Suite No.3 iv-Sarabande


Bach - Cello Suite No.3 vi-Gigue


Bach - Cello Suite No.5 vi-Gigue


最後に去年の「大人の夜市in寺町」での今治市民弦楽合奏団の演奏で、カルロス・ガルデル作曲のタンゴの名曲「ポル・ウナ・カベーサ」を聞きながら今回はお別れです。ここでは私はメロディ担当のファースト・ヴァイオリンを弾いております。この時は人数が少なく総勢4人でした。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。ではまた10月2日の30分枠の初放送でお待ちしております。

<今治市民弦楽合奏団 / ポル・ウナ・カベーサ>
Fleur de Lys Quartet - C.Gardel Por una Cabeza

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2016年9月28日 (水)

月の沙漠

今日はハーバリー1階のカモメ・スタジオで、初の30分枠の収録をしてきました。次回からはアラブ音楽に戻ります。という事で、童謡シリーズの締めは、やっぱりこの曲、「月の沙漠」でしょう。実に色々な歌唱、アレンジや編成があって楽しめます。そして何よりもこの歌の哀切極まりない美しさ、儚さ、懐かしさは、何ものにも代え難い魅力があります。
94年にセイエド・アリ・ハーンのグループが来日した際、アンコールで演奏されたのは「月の沙漠」でした。多分イラン協会の方のアドバイスでは、と思いました。一定以上の世代では、あの歌の描く世界は、中東のイメージのとても美しい部分を占めているように思います。94年頃は、パレスチナ以外は今に比べればまだ平穏でした。この曲を聞く時、中東に一日も早く平和が訪れることを願わずにいられないのは、私だけでしょうか。

月の砂漠 - Tsuki no Sabaku

UA ううあ つきのさばく 童謡

石原裕次郎月の砂漠(アカペラ) アカペラとはめずらしい

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2016年9月27日 (火)

ロバのパン屋

童謡関連のリンクに「ロバのパン屋」がありました。私の小さい頃にも確かロバが車を引いて売りに来ていました。ロバと車と両方来ていた頃だったと思います。しかし、この曲は懐かしいこと、この上なしです(^-^) 歌っているのが近藤圭子さんという童謡歌手だったことは、今回初めて知りました。「八頭身美人」と呼ばれ、少女層に人気があったそうです。

ロバのパン屋

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2016年9月26日 (月)

河村順子の童謡

例の「懐かしの童謡歌手たち」の3枚シリーズを聞いて特に感銘を受けたのが、伴久美子さんと河村順子さんでした。叙情的で懐かしさ溢れる点では共通しますが、河村さんの歌は、日本語の美しさと日本音楽の伝統的な趣きも色濃く感じさせます。河村さんのSPも結構youtubeが上がっています。
童謡作曲家、河村光陽と長女の河村順子の黄金の父娘コンビが生み出したのは、「かもめの水兵さん」だけでなく、「うれしいひなまつり」「りんごのひとりごと」「赤い帽子白い帽子」「船頭さん」「仲良し小道」「グッドバイ」など沢山ありますが、現在もよく歌われているのは、最初の2曲だけかも知れません。ピョンコ節やヨナヌキ短音階など、現代の若い世代ではほとんど廃れてしまった部分だと思いますが、こんな歌が聞こえていた時代は、人の心も温かかったのだろうと思います。以下のyoutubeの最初の2曲が、上記3枚シリーズに入っていました。大きくなられてからの歌声が、また格別に素晴らしいです。

うれしいひな祭り 河村順子 EP盤 権外

リンゴノヒトリゴト(りんごのひとり言) 河村順子

仲よし小道 河村順子 (童謡)

赤い帽子白い帽子(河村順子)

グットバイ   河村順子

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2016年9月23日 (金)

伴久美子の名唱

童謡を越えて、日本の叙情歌史上に名を残したと言っていいのではと思える伴久美子さんの歌唱を、もう少し見てみましょう。残念ながら「夜店のうた」や「しいの実のうた」のyoutubeは見当たりませんが、「月の沙漠」の別テイクと、「花かげ」など素晴らしいSP録音がありました。「猫踏んじゃった」もこの人の歌からより広まったのかも知れません。少し大きくなられてからでしょうか、「花笠おどり」での民謡の節回しの上手さにも驚きました。44歳の若さで亡くなられたのが非常に惜しまれます。

童謡 花かげ 伴久美子

月の沙漠(伴 久美子)

ねこふんじゃった 伴久美子

花笠おどり 伴久美子

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2016年9月22日 (木)

懐かしの童謡

ゼアミdeワールド25回目の放送、木曜夕方終りました。再放送は25日15時です。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源ですが、youtubeはほとんどが他の演奏者です。

10月からは収録が第2スタジオではなく、カモメスタジオになります。そこでの初収録は28日になりますが、アラブ音楽の続きから始める予定です。15分枠の後2回ですが、カモメと言うことで思いつきました(笑)。先週の江差追分にもカモメが出てきましたが、今日はまずこちらをどうぞ。

<松島トモ子 / かもめの水兵さん>
かもめの水兵さん   河村順子

これがオリジナル! 河村順子さんの「かもめの水兵さん」です。

松島トモ子さんの歌う昭和35年録音の童謡「かもめの水兵さん」でした。世界のチルドレン・ソングも民族音楽の重要な一ジャンルですので、取り上げてみました。松島さんと言っても、ミネラル麦茶のCMでしか知らない世代が多くなっていると思いますが(笑)、この歌唱を聞いてこの人は天才童謡歌手だと思いました。この歌は戦前から戦中にかけて活躍した童謡作曲家、河村光陽の作曲で、長女の河村順子さんが初めて歌ったそうです。同じくこの父娘コンビで昭和11年に初めて世に出た「うれしいひなまつり」なども最高で、また時期が来たらかけてみたいと思います。今回は、コロムビアの昭和30年代の童謡音源が集成されて「懐かしの童謡歌手たち」として3枚シリーズで出ていた中からご紹介しております。川田正子、孝子姉妹、伴久美子、久保木幸子、安田祥子、章子(由紀さおり)姉妹、岡田孝、松島トモ子、河村順子などの音源が入っております。

次に童謡でありながら哀愁のある歌声で知られる伴久美子さんの「イワン・イワノヰチ・イワノフさんとイワン・イワノヰチ・イワノフさん」という曲をかけてみます。

<伴久美子 / イワン・イワノヰチ・イワノフさんとイワン・イワノヰチ・イワノフさん>
残念ながらyoutubeは無しのようです。

彼女の昭和30年代の歌唱で「夜店のうた」とか「しいの実のうた」なども3枚シリーズに入っていますが、「夜店のうた」をカバーしていた米良美一さんが影響を受けたのは、伴久美子さんなのではと思ったりしましたが、どうなのでしょうか? 非常にリリカルで陰翳に富んだ美しい絶品歌唱ですが、その中で特に気に入っていた「イワン・イワノヰチ・イワノフさんとイワン・イワノヰチ・イワノフさん」をかけてみました。昭和30年の録音と言うことで、「うたごえ世代」の頃のロシアに対する恐れと憧れが入り混じったような印象を受けました。秋冬の雰囲気がある不思議な一曲です。デュエットしている男性歌手は「イヨマンテの夜」で有名な伊藤久男さんです。
時間が限られておりますのでこの曲だけにしようかと思いましたが、せっかくですから、「夜店のうた」も時間の許す限りかけてみましょう。

<伴久美子 / 夜店のうた>
夜店の唄 幸せの赤い風船 和 由貴子


最後に久保木幸子さん他の歌唱で童謡名曲「月の沙漠」をかけて終わりにしたいと思います。10月からアラブ音楽の方に行きますので、その前に中近東をイメージしたこの歌をかけてみます。リムスキー・コルサコフの交響詩「シェヘラザード」の第3楽章「若い王子と王女」を思い出させるようなロマンティックな名曲ですが、加藤まさをの詩のモチーフになった砂浜は、千葉の御宿海岸にありまして、私は行ったことがあります。余談ですが、私が最初に聞いたのは、光速エスパーの月面でのシーンだったと思います。

<久保木幸子、桑名貞子、田中聖子 / 月の沙漠>
童謡 月の沙漠 伴久美子

何と伴久美子さんの「月の沙漠」がありました!

重要なお知らせですので、何度も繰り返しておりますが、ゼアミdeワールドの放送時間が10月から変わります。
本放送 日曜日の18:00から18:30
再放送 翌週の水曜日の20:30から21:00
10月から30分番組になります。これまでほとんどの音源をフェイドアウトしていたので、これからはカットせずにフルにかけられることが増えると思います。宜しければ是非お聞き下さい。

放送局 FMラヂオバリバリ
番組名 ゼアミdeワールド
パーソナリティ名 ほまーゆん

今治以外でも、スマホのアプリTuneinや、PCのサイマルラジオを使えば、世界中どこででも聞けます。よろしければ是非お聞き下さい。民族音楽、クラシック、純邦楽など、色々かけております。
サイマルラジオは以下になります。
http://www.jcbasimul.com/

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2016年9月21日 (水)

信濃追分

次は、江差追分だけでなく越後追分など、全国の追分節の元祖と言われる信州の信濃追分です。これもyoutubeがいくつかありました。長野県軽井沢町あたりの女性が、馬子唄に三味線の手をつけて自由に唄ったものがこの追分のルーツとか、中山道と北国街道の分岐点の浅間山麓の宿場で、信濃追分の宿で飯盛女が酒席の座興に歌い出した三味線伴奏の騒ぎ歌が「追分節」になった、とも言われているようです。追分の地名は街道の分岐点で各地にあり、別れを歌った悲しい面があると、昨日の木津茂理さんが解説されていました。

ten ten: SHINANO OIWAKE 信濃追分

信濃追分 山本芙美枝氏007

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2016年9月20日 (火)

越後追分

江差追分の元になったと言われる信州の信濃追分と、新潟の越後追分の映像もそれぞれありましたが、越後追分の方から見てみます。節は本当に江差追分そっくりに聞こえます。淡々とした三味線の手の上に、非常に豊かで大らかなコブシが繰り広げられますが、歌い手の個性がはっきり出て面白いです。民謡歌手の木津茂理さんと櫛野さんの解説があって、これも嬉しいです。

木津茂理 越後追分 マンスリー08

越後追分 櫛野節謡

以下、重要なお知らせですので、しばらく繰り返します。ZeAmiホームページの移転が無事完了しました。これまでのhttp://homepage1.nifty.com/zeami/にアクセスされても、2018年の3月29日までは画面に移転通知が出て、新しいURLへ自動的に移動します。どうぞ宜しくお願い致します。

新しいURL
http://zeami.world.coocan.jp/

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2016年9月19日 (月)

【重要なお知らせ】 ホームページ移転

ZeAmiホームページの移転が無事完了しましたので、お知らせ致します。これまでのhttp://homepage1.nifty.com/zeami/にアクセスされても、2018年の3月29日までは画面に移転通知が出て、新しいURLへ自動的に移動します。
どうぞ宜しくお願い致します。m(_ _)m
新しいURL

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2016年9月15日 (木)

江差追分のSP録音と尺八独奏

今日の放送で改めて初代浜田喜一さんの江差追分を聞きましたが、モノラルの頃のおそらく全盛期と思われる歌声は、やはりとても凄い歌唱で鳥肌が立つほどです。昨日のyoutubeはステレオの頃でしょうから、モノラル盤は更に上を行っていると思います。
他のyoutubeを探してみましたが、SP盤で民謡の神様のような存在の成田雲竹さんの歌唱と、聞いたことのない歌手のものがありました。どちらもかなり素晴らしいです。雲竹さんの伴奏尺八は高橋竹山でしょうか? 竹山さんは津軽三味線だけでなく、尺八の名手でもありました。併せて江差追分の尺八独奏をしている映像もありましたので、一緒に上げておきます。

江差追分 前唄・本唄・後唄 (成田雲竹)2

江差追分 本唄 (坂田光月)

尺八 江差追分 2尺2寸 Shakuhachi (Solo) Minyo, Esashi Oiwake

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2016年9月14日 (水)

江差追分とオルティンドー

ゼアミdeワールド24回目の放送は、15日木曜夕方ですが、18日の再放送がサッカー中継のためないそうですので、いつもより1日早く放送原稿を上げておきます。よろしければ15日に是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

8月以降はブラジル音楽と日本の民謡を取り上げておりましたが、その前はアラブ音楽を廻っておりました。アラブ音楽と言うのは、アラビア語が日常的に使われているアラブ民族中心の国々の音楽ですから、まだ中近東にはヨルダン、シリア、レバノンがありますし、アラビア半島にはサウジアラビア、イエメンなど、北アフリカにはエジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、西サハラ、モーリタニアに、それぞれ注目すべき音楽が多数あります。また30分枠になりましたら、じっくり取り上げることにしまして、今回は前回の流れで日本民謡の最高峰とも言われる北海道の江差追分を聞いてみたいと思います。まず前回相川音頭の歌唱をかけました初代浜田喜一さんの名唱からです。

<初代浜田喜一 / 江差追分>
  江差追分(前唄・本歌・後歌)  浜田喜一(初代)


このように非常に技巧的な唄が多彩なコブシ回しで披露される曲で、北の海の荒々しい風景が目に浮かぶような、また非常に心を高揚させる名曲だと思います。この曲が歌えたら他の民謡は全て歌えるのではと思う程の難曲でもあります。江差追分だけで10人の歌い手の競演盤が出来るほどの人気曲でもありまして、今日はその中からかけております。この曲のもとになったのは信州の信濃追分で、それが越後に伝わって越後追分になり、それが北前船で日本海伝いに北海道に伝わり、江差追分になったという説が有力なようです。それぞれの地の追分も残っているので、聞き比べるのも一興です。

この江差追分や馬子唄などの節回しと、モンゴルの伝統的な歌オルティンドーが似ていると言うのは、よく指摘されることです。オルティンドーは「長い歌」、ボギノドーは「短い歌」と言われますが、モンゴル一の名歌手と言われた女性歌手ナムジリーン・ノロブバンザドさんの朗々とした歌唱が、NH<の大河ドラマ「北条時宗」に使われたこともありました。蒙古襲来の頃の話ですから、正にぴったりだったと思います。
江差追分との類似についてですが、ほとんどの日本の楽器がシルクロード伝いに日本に来たように、コブシもシルクロードを伝わって大陸からやってきたのかも知れません。まだこれは立証された訳ではないと思いますが、非常に興味深いテーマです。
次にそのノロブバンザドさんのオルティンドーをかけようと思っていましたが、何故か音源が見つからず、代わりにオルティンドーの節回しをそっくりになぞって弾いているように聞こえる馬頭琴(モリンホール)の独奏をかけてみます。キングのワールドミュージックライブラリーの盤で「草原のチェロ」と形容された中低音の魅力的な擦弦楽器です。ノロブバンザドさんの歌唱は、またいつか取り上げてみたいと思います。(以下の音源はビクターJVCワールド・サウンズの2枚です)

<チ・ボラグ / モリンホール独奏 白い子馬の伝説>
Amazing voice: Norovbanzad
https://www.youtube.com/watch?v=1Vr-QiYDHJk
youtubeにはノロヴバンザドさんの映像がありました。久々に見ましたが、やっぱり凄い! 馬頭琴はチ・ボラグでしょうか? この人、90年頃にはチ・ボリコーと呼ばれていました。

続いて一人で二人の声を出すモンゴルの伝統的な倍音唱法ホーミーの名手ガンボルドの歌を馬頭琴で伴奏している演奏です。

<ガンボルド / ホーミーとモリンホール 四才の赤毛馬>
6 methods of the khoomii(Throat Singing)
https://youtu.be/NNVrmW0VL2I?list=PL5C57FA389B78B623

最後に本場の名人、佐々木基晴さんの江差追分を聞きながら今回は終わりにします。続けて聞くと、類似性が分って頂けるように思いますが、いかがでしょうか。

<佐々木基晴 / 江差追分>
日本の民謡 「江差追分(前唄・本唄・後唄)」(北海道)

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2016年9月13日 (火)

鬼太鼓座

81年に分裂した後の鬼太鼓座(おんでこざ)の映像は、かなりあります。70年代の佐渡時代のを探しておりましたが、やはりなかなか出てきません。日本海の荒波をバックにした映像など、見てみたいものですが。

和太鼓 Japanese Drums(鬼太鼓座)

【鬼太鼓座】 叩いて戴いた

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2016年9月 9日 (金)

鬼太鼓

佐渡と言えば、民謡以外の伝統芸能では、和太鼓集団の鬼太鼓座(おんでこざ)が有名だと思いますが、この名は現地の郷土芸能「鬼太鼓」を「おんでこ」と呼ぶところから来ています。佐渡での鬼太鼓座の活動は1971年から始まりますが、1981年にリーダーの田耕氏が抜けて分裂。佐渡に残ったメンバーで再開されたのが鼓童でした。田耕氏の鬼太鼓座は静岡県富士市を拠点にして活動継続しているそうです。
佐渡の頃の鬼太鼓座は、70年代だったかドキュメンタリーで見た記憶がありますが、結構昔ですので、その頃のyoutubeは無さそうです。今日の映像は佐渡の郷土芸能「鬼太鼓」だと思います。

佐渡の鬼太鼓

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2016年9月 8日 (木)

佐渡おけさと相川音頭

ゼアミdeワールド23回目の放送、木曜夕方終りました。再放送は11日15時です。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源ですが、youtubeはほとんどが他の演奏者です。

まず、重要なお知らせです。ゼアミdeワールドの放送時間が10月から変わります。
本放送 日曜日の18:00から18:30
再放送 翌週の水曜日の20:30から21:00
10月から30分番組になります。これまでほとんどの音源をフェイドアウトしていたので、これからはカットせずにフルにかけられることが増えると思います。
宜しければ是非お聞き下さい。

放送局 FMラヂオバリバリ
番組名 ゼアミdeワールド
パーソナリティ名 ほまーゆん

今治以外でも、スマホのアプリTuneinや、PCのサイマルラジオを使えば、世界中どこででも聞けます。よろしければ是非お聞き下さい。民族音楽、クラシック、純邦楽など、色々かけております。
サイマルラジオは以下になります。
http://www.jcbasimul.com/


前回富山の民謡「おわら節」を取り上げましたら、フェイスブック上でイイネがいつもより多く付きました(笑) 日本の音楽にも目が向き始めているのか、意外性からなのか、判断が付きませんが、今回も民謡で行きたいと思います。新内と民謡のジョイントで、佐渡おけさと並ぶ二大佐渡民謡の一つ相川音頭との共演もあった云々前回お話しておりましたので、その2曲をかけてみたいと思います。

まず全国の民謡で最も有名な曲と言われる「佐渡おけさ」です。笑点の林家こん平さんの出囃子で耳馴染みになった方が多いようにも思いますが、意外にそのものを聞いたことがある人は、特に若い世代では少ないと思います。フォーク歌手の山崎ハコさんが歌った録音がありますので、まずそちらからかけます。

<山崎ハコ / 佐渡おけさ>
youtube無しでした。

この民謡は踊り唄の一種のようですが、何と言うか夏の終わりのひんやりした空気が感じられるような、この歌の哀しみの部分だけを抽出したような、絶品の歌唱だと思います。

次に、オーソドックスなこの民謡の歌唱の中で、佐渡おけさを全国的に有名にした村田文三さんの録音をかけてみます。彼のSP録音は大正15年から昭和28年までの間に沢山ありますが、古いほどノイズがかなりすごいので、歌詞はマイナーではありますが昭和5年の録音をかけます。当時の人気テノール歌手の藤原義江が「おけさは男の涙」と言って激賞したという伝説の歌声です。マイクなしで障子がびりびり鳴ったと逸話がある程の声量で歌われる正調の堂々とした歌声です。

<村田文三 / 佐渡おけさ>
佐渡おけさ@春日崎by立浪会

相川音頭の歌詞に出てくる立浪の名を冠した立浪会による演奏。佐渡おけさと相川音頭を一躍有名にしたグループです。村田文三さんも初期メンバーでした。さすが本家本元の名演。

佐渡おけさ(村田文蔵)2

村田文蔵さんのSP録音

次に相川音頭ですが、これも佐渡島の2大民謡として、村田文三さんが入れていて、ほとんどがおけさと相川音頭だけで組まれたSP録音の3枚組がありますが、ここでは時間の都合で、初代浜田喜一さんの歌唱でかけたいと思います。この人は江差追分の名人として特に知られていますが、相川音頭でも素晴らしく味わい深い歌唱を聞かせています。  

新内で共演したのは、最もよく歌われる「義経弓流し」のくだりでしたが、能楽の影響を感じさせる凛とした節回しの感じられる民謡です。能を完成した世阿弥が配流された島ですが、お能が盛んになった理由は別にあって、佐渡金山が発見されたことで、幕府が佐渡を直轄地として佐渡奉行に任じた大久保長安が能役者の家系で、彼が島で能を催し、その後集落ごとに神事として奉納され広まったことによるそうです。

<初代浜田喜一 / 相川音頭>
相川音頭

佐渡らしく能舞台での演奏です。

相川音頭(村田文蔵)2

村田文蔵さんのSP録音

最後に、佐渡民謡ではありませんが、「天龍下れば」をかけて今回は終わりにしたいと思います。昭和初期に鶯芸者の一人として大人気を博した市丸姐さんの昭和8年の名唱です。この曲は童謡や流行り歌に名曲を沢山残した中山晋平作曲の長野県南部の伊那の天龍川下りを題材にした新民謡です。
  私の父方の祖父は民謡好きとしてのイメージがありましたが、割と最近になって父から新内や市丸さんの唄も好きだったと聞いて、とても嬉しくなったものです。どこか温泉地を思い出させる懐かしい感じの名曲ですが、私が思い出したのは、幼い頃祖父に連れられていった鈍川温泉の美賀登旅館の風景だった気がします。

<市丸 / 天龍下れば>
市丸 - 天龍下れば

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2016年9月 6日 (火)

こきりこ節

富山の民謡と言えば、こきりこ節も有名です。富山県南砺市五箇山地方に伝わる五箇山地方を代表する全国的に有名な古代民謡で、「越の下草」や二十四輩順拝図絵「奇談北国順杖記」などの古文献にも記載されており、日本の民謡の中でもっとも古い民謡とされていると、ビデオの解説にありました。五箇山地方は石川や飛騨地方とも接する秘境とも言える場所だとか。小学校の音楽の時間に習ったことがありますが、室町時代に放下僧と称する遊芸人がコキリコを手にして歌い踊ったのがルーツのようです。雪国らしい演奏風景もとても興味深いものがあります。

2014五箇山こきりこ踊り(舞台競演会)Gokayama, Jananese oldest folk song "KOKIRIKO"

五箇山民謡こきりこ節 ささら踊り

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2016年9月 5日 (月)

おわら風の盆2016

今年のおわらの映像が早速上がっておりました。台風12号の影響もなかったようで、良かったですね。やっぱり編み笠を被っている方が風情があって良いですが、明け方や深夜の踊りなど、これほどきれいな映像を見るのは、初めてのような気がします。

おわら風の盆2016二日目(鏡町の舞台踊り) Most beautiful Bon dance "Owara Kazenobon"

おわら風の盆2016最終目(朝焼けの諏訪町)

おわら風の盆2016最終目深夜の諏訪町(下新町,東新町,西新町の街流し)

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2016年9月 2日 (金)

おわら 芸者ワルツ

今日は高画質の「おわら 風の盆」の映像をもう一つ上げておきます。今まさに開催中のおわら。八尾の風を感じてみて下さい。

おわら風の盆前夜祭2015 鏡町 女踊りから男女混合踊り Most beautiful Bon dance "Owara Kazenobon"

新内の話が出ていましたので、歌詞に新内流しが読み込まれた神楽坂はん子さんの歌謡名曲「芸者ワルツ」をおまけにどうぞ。歌詞の最後に「遠く啼いてる新内流し、恋の辛さが身に沁みるのよ」と、新内の核心を読み込んでいます。「泣く」ではなく、「啼く」になっている所など、さすが西条八十先生! 実演にはその部分がないので、SP録音も上げておきました。
面白いのは、聴衆が3拍子なのに一拍おきに手拍子するので、最初の小節は1拍目と3拍目、次は2拍目、以下ずっとそうなっていることです。順に叩いているだけで、ヘミオラで取っているとは思えないのですが(笑)

(改) 芸者ワルツ/神楽坂はん子 (本人歌唱ステージ)

芸者ワルツ/神楽坂はん子

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2016年9月 1日 (木)

おわら 風の盆

ゼアミdeワールド22回目の放送、木曜夕方終りました。再放送は4日15時です。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源ですが、youtubeはほとんどが他の演奏者です。水曜には23回目の収録に行ってきました。

収録は8月24日にしておりますが、放送されるのはちょうど二百十日の9月1日ですので、「おわら 風の盆」を取り上げてみました。この番組で何で民謡?と意外に思われるかも知れませんが、4月の初回に言いましたように、民族音楽の定義は、各国固有の古典音楽、宗教音楽、民俗音楽(民謡、民衆音楽、大衆音楽)の全てですので、広義で取れば、日本の民謡や純邦楽はもちろん、西洋のクラシックもすっぽり入ります。

越中おわら節とは、富山県八尾町の「風の盆」と言われる9月1日~3日間の盆踊りで歌われる盆踊唄で、三味線に加えて胡弓が奏されますが、その音色は哀調があり涼しい秋風を思わせます。元禄十五年(1702年)の盂蘭盆に初めて三味線、太鼓、胡弓に合わせて町内を練り歩いて以来、町の行事として定着し、二百十日の毎年9月1日~3日間踊るようになったと伝わっています。通常のお盆より半月遅く開催され、期間中は夜通し踊られるそうです。二百十日は台風襲来の特異日とされるので、風鎮めの祭の意味合いもあるようです。編み笠を被った女踊りの艶やかで洗練された身のこなし、宵闇の中で聞く胡弓の音色のブレンドは、また格別風情があるだろうと思います。

<越中おわら節 (男子踊り、女子四季、豊年踊り)>
4K 越中八尾 おわら風の盆 2015 鏡町 - あいの風 Ver15


おわら節は富山の民謡ですが、高橋治さんの小説「風の盆恋歌」などを通して、民謡を越えた人気もある曲だと思います。2000年前後だったと思いますが、私が新内をやっていた頃に、家元の公演でおわら節とのジョイントをすることがありまして、神奈川の富山県人会の皆さんの演奏を間近で見たこともあります。一度八尾を訪ねてみたいと思いつつ、早10何年になりましたが、いつか実現したいものです。その後も新内と民謡のジョイントがありまして、佐渡島の佐渡おけさと並ぶ二大民謡の一つ相川音頭との共演もありました。「義経弓流し」のくだりでしたが、能楽の影響を感じさせる凛とした節回しと踊りで、また大変に興味深かったです。

今日は、折口信夫にも師事したという三隅治雄さん他の共著「日本民謡辞典」を参考にしました。
ブラジル特集の中で急に出せなかったのですが、阿波踊り特集が出来なくて残念でした。「裸のラリーズ」のメンバーでもあった久保田麻琴さんの現地録音が6枚出ていて、ワールドミュージックリスナーに受けているようです。また来年の夏にでもやってみたいと思います。

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