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2016年12月26日 (月)

聖地のクリスマス音楽

ゼアミdeワールド38回目の放送、日曜夕方に終りました。28日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回は96年リリースの国内盤を参照していて各曲の原題が分らないので、youtubeを探し出すのは不可能に近いと思います。おそらくyoutube自体無い曲がほとんどだろうと思います。

4日の放送で、ドイツ・グラモフォンから出ていた「聖地のクリスマス音楽」を、またちゃんと取り上げると予告しておりましたので、今回はこのアルバムを中心にご紹介します。収録は21日にしておりますが、放送されるのは本放送が25日で、ちょうどクリスマスの夕方に当ります。再放送は28日になりますが、日本と違って現地では25日過ぎたから完全に終わりという催しではありませんので、是非再放送もお楽しみ下さい。

4日にはベツレヘム生誕教会の鐘の音で締めました。キリスト生誕の地とされるベツレヘムのギリシア正教会での録音で、東方的な渋みや深みを感じさせる音でした。今日もこの鐘の別トラックからどうぞ。

<聖地のクリスマス音楽 ~ ベツレヘム生誕教会の鐘 1分15秒>
The Holy Sepulcher Ring Bells - Jerusalem


このアルバムに収録されているのは、イスラエルのエルサレムやベツレヘムでの東方教会の音源で、この地で2000年前にキリスト教が生まれた頃に近い響きを持っていると思われる音楽が中心です。日本でクリスマスの音楽と言うと、欧米的なクリスマス・ソングや、賛美歌を思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、古代のキリスト教の音楽に西洋的な要素は本来無かったはずですから、この番組ではキリスト教本来の東方的ルーツを訪ねて、この音源を中心にご紹介しようと思います。

次にかけますのは、ローマ・カトリック教会の聖歌で、女声によって歌われるグレゴリオ聖歌の一種でラテン語で歌われています。この盤の中では西洋にもある音楽で、異色の音源になっていると思います。この中ではクリスマスの一般的イメージに近いかも知れません。

<聖地のクリスマス音楽 ~ ローマ・カトリック教会の聖歌 夜中のミサ:入祭唱 2分8秒>

続いて、ギリシア正教会の聖歌が出てきますが、男声のいぶし銀のような力強い歌声が、カトリックの線の細い感じの聖歌とは対照的です。バスの持続低音(ドローン)の上で朗々と歌われます。

<ギリシャ正教会の聖歌 救い主、われらの中に来たまえり 1分28秒>

次に、エチオピア教会の聖歌ですが、まるで日本仏教の御詠歌か火消しの木遣りを聞くような、音階や発声などにおいて、とてもキリスト教音楽とは思えないような雰囲気があります。エチオピア教会は、古代教会から西洋を介さずに伝わっていた古い教会の一つです。2曲続けてどうぞ。

<エチオピア教会の聖歌 今日、主はわれらの中に生まれ給えり 2分15秒>
<朗読;ルカ福音書 第二章第2節~第10節 2分21秒 抜粋>
Ethiopian Orthodox Tewahedo church spiritual song by Meneday

これも同じ曲ではありませんが。

ギリシア・カトリック教会という少数派のプロテスタント的一派の音源も入っています。アラビア語で歌われ、アラビア音楽の影響を受けていると思われる節回しを聞かせます。

<ギリシャ・カトリック教会の聖歌 讃えよ、わが魂 1分56秒>

その次はエルサレムのアルメニア教会です。南コーカサスにあるアルメニアは、ローマ帝国より先に世界で初めてキリスト教を国教にしたことで有名です。ギリシアやシリアのキリスト教伝統だけでなく、長く支配下になっていたトルコ系の影響を強く感じさせる東方的(東洋的と、西ローマの滅亡後も1000年に亘って栄えた東ローマ帝国のビザンツ的の入り混じったような形容)な旋律美を聞かせます。

<聖母マリアの賛歌 2分39秒>

次に出てくるのは、エジプトのキリスト教会として有名なコプト教会の聖歌です。コプトの名は、エジプト人を意味するギリシア語(古代の東地中海の公用語)の「アイギュプトス」がアラビア語化して出来ています。アラビア語で「エジプト」は、ミスルという別の名称があります。典礼で使われる言葉は、2世紀から10世紀頃まで日常的に使われていたコプト語が主に使われているようですが、現在はアラビア語も用いられるようになってきているそうです。音楽の印象は、現在のエジプトの民族音楽に近い感じです。

<コプト教会の聖歌 聖三位一体の賛歌 1分59秒>
لحن الليلويا فاي بي بي

仏Institut du monde arabe盤のあったコプト教会の音楽を奏するダヴィッド・アンサンブルのようです。

لحن طاي شوري


次は、古シリア教会の聖歌で、最も早くからキリスト教化された地方ですから、ユダヤ教の流れも汲む応唱形式などの古い典礼のスタイルが残っているようです。言葉はイエス・キリスト自身が話したと伝えられる古いシリア語の一種のアラム語が現在も主に使われています。

<古シリア教会の聖歌 アレルヤ、アレルヤ 2分26秒>

「聖地のクリスマス音楽」の最後は、前にレバノンのファイルーズやケイルーズの歌唱でご紹介しましたマロン派の聖歌です。シリア教会から派生した一派で、別名マロナイト教会とも言います。カドーシュ(聖なるかな)、カドーシュ、カドーシュと冒頭3回繰り返しています。カドーシュと言うのはヘブライ語の場合もほとんど同じ発音です。

<マロナイト教会の聖歌 聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな 3分30秒>

では、最後に一般的なクリスマスの歌のイメージに近い、ルーマニアのクリスマス・キャロルを聞きながら、今回はお別れです。
新年は1日から5日までラヂオバリバリがお正月休みですので、この番組の新年初放送は8日と11日になります。まだ辛うじて松の内で、新年ですから、あの曲!を予定しております。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来年お耳にかかりましょう。少し早いですが、皆様良いお年をお迎え下さい。

<Romanian Christmas Carols ~Here Come The Carol Singers (Tiberiu Brediceanu) 56秒>
Tiberiu BREDICEANU - Triptic de colinde

同じ曲がありました!

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