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2017年3月20日 (月)

ヴィソーツキーの「大地の歌」

ゼアミdeワールド49回目の放送、日曜夕方に終りました。3月22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。先週後半はPCのトラブルでほとんどブログにはタッチ出来ませんでしたm(_ _)m 「大地の歌」の「奴は戦闘から戻らなかった」以外は、また後日探してみます。

前回ロシアのバルド(吟遊詩人)の音楽特集として、ウラディーミル・ヴィソーツキーとブラート・オクジャワを中心に、エレナ・カンブローヴァの歌もかけました。日本では80年代に新星堂オーマガトキから出ていたヴィソーツキーの「大地の歌」が一番知られていると思いますので、その音源もかけたかったのですが、手元にはレコードのみで、CDで再発された時に手に入れてなかったので前回は外しました。CDも既に大分前に廃盤のようですが、LP音源をMP3にしてアイフォンに入れてありましたので、今回はその中から数曲かけてみます。
まずは、一曲目の「奴は戦闘から戻らなかった」からです。針を落として聞いた時の、この歌のインパクトがまず第一にあります。詩の一、二連目は以下のようになっております。翻訳は宮沢俊一氏です。口語調が上手くヴィソーツキーの世界を捉えていると思います。

なぜどこが違うのか、大体はいつもの通りなのに
空も同じ、また晴れている
森も同じ、空気も同じ、水も同じなのに
ただ奴だけが戦闘から戻らなかった

俺には今や分らない、俺たちのどっちが正しかったのか
よく夜を徹して論じ合ったものだったが
俺は初めて奴の存在を感じている
奴が戦闘から戻らなかった今になって

<ウラディーミル・ヴィソーツキー / 大地の歌~奴は戦闘から戻らなかった 3分14秒>
Владимир Высоцкий - Он не вернулся из боя (Текст)


次は「黒マント隊」という曲です。詩の一連目は以下のようになっております。

俺達が残してきたのは崩落と日没だけ
ああ、せめて僅かでいい
目に見えなくていいから飛翔が欲しい!
信じたいものだ、わが黒マント隊の面々が
俺に今日、日の出を見る可能性を与えてくれることを

<ウラディーミル・ヴィソーツキー / 大地の歌~黒マント隊 3分31秒>

次は「愛し切れなかった」という曲です。大事な箇所と思われる詩の一、七連目は以下のようになっております。

誰かが果実を見つけた
それは熟れていない、熟していない
木をゆすると、それは落ちてしまった、こぼれてしまった・・・
これはある人についての歌、
その人は熟せなかった、歌えなかった
声を持っていたのに、気付かなかった、気付かなかった

彼は何でもかんでも知ろうとした
だが、何もかも中途半端
何事も底まで行かない
深さにまで達し切れない
しかも唯一の彼女をも
愛し切れなかった、愛し切れなかった

<ウラディーミル・ヴィソーツキー / 大地の歌~愛し切れなかった 4分48秒>

次は「俺はマガダンに行ったぜ」という歌です。カムチャツカ半島に近いシベリア極東の流刑者の強制収容所があったことで知られる町ですが、やはり過酷な北の果てのイメージで歌われています。余談ですが、ロシア・ジプシーの名歌手ワヂム・コージン(1903-94)は、スターリンの時代にシベリア流刑されてマガダンで亡くなっています。新宿ゴールデン街の店、ガルガンチュアの女主人兼歌手の石橋幸(みゆき)さんの自主制作レーベルはマガダンという名前で、彼女はワヂム・コージンの歌もよく歌われています。
詩の一、二連目は以下のようになっております。

お前、俺が齢にふさわしくねぇってか
俺はめったに心を打ち明けねぇが
お前にはマガダンの話をしてやるぜ。よく聞けよ!
俺はながーい湾を見たんだ、道もな
ただ何となく行った訳じゃねぇぜ

ある日、俺はマガダンに行った訳よ
自分を忘れたかった、病気を忘れるように
だからすぐとことん飲んだぜ。 ウォトカを!
でも俺はながーい湾を見たんだ、道もな
ただ何となく行った訳じゃねぇぜ

<ウラディーミル・ヴィソーツキー / 大地の歌~俺はマガダンに行ったぜ 1分55秒>

youtube音源ですがヴィソーツキーの歌の最後にgori-gori-moya-zvezdaをかけてみたいと思います。前にドン・コサック合唱団の歌唱でかけた古いロマンス(語り歌)で、和訳は「輝け、私の星よ」となります。この曲の歌詞ですが、「君は私にとって、胸に秘めた、たった一つの輝ける星。もし私が死んでも、私の墓の上でいつまでも輝き続けておくれ」という内容でした。ヴィソーツキーの弾き語りも実に心に沁みる歌唱です。

<ウラディーミル・ヴィソーツキー / gori-gori-moya-zvezda 1分22秒>
Высоцкий "Гори, гори моя звезда..."


ブラート・オクジャワの歌唱も少し聞いておきたいと思います。これからかけますのは、「ヴォロージャ・ヴィソーツキーについて」と言う曲で、14歳年長のオクジャワよりずっと早くに若くして亡くなった後輩ヴィソーツキーへの追悼曲です。妻のマリナ・ヴラディに捧げられています。タイトルのヴォロージャと言うのはウラディーミルの愛称形です。

<ブラート・オクジャワ / Sur Volodia Vissotski 2分30秒>
Булат Окуджава - О Володе Высоцком


では、最後に女性歌手エレナ・カンブローヴァの歌を聞きながら今回はお別れです。3曲目の「手品」という曲だけ前回かけられなかったので、今回は5曲目のマレンキー・プリンツと併せてかけたいと思います。こちらも繊細でリリカルな良い曲です。マレンキー・プリンツは、英訳はLittle Princeですから、サン=テグジュペリの「星の王子さま」のことだと思われます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<エレナ・カンブローヴァ / 「手品」2分19秒、「マレンキー・プリンツ」3分27秒>
Елена Камбурова Маленький принц

「マレンキー・プリンツ」は放送ではほとんどイントロだけで終ってしまいましたので。これがフルバージョン。

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