ドゥムキー、ドゥムカ、ドゥーマ
ゼアミdeワールド52回目の放送、日曜夕方に終りました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。バンドゥーラ関係は原語で検索すればあるかも知れませんが、一番アップしたかったF.Jarko / Duma for Marussia of Bohuslavがありましたので、今日はこちらのみにしておきます。ウクライナの「心の歌」という印象です。 ウクライナ音楽の2回目ですが、今回はこの国を中心に一部のスラヴ民族の世界で民族歌謡として有名なドゥーマ、あるいはドゥムカを取り上げてみたいと思います。複数形のドゥムキーというタイトルでチェコの作曲家ドヴォルザークがピアノ三重奏曲を書いていますので、一般にはそれで知られているように思います。ドゥムカとは、ウクライナを中心に広まった民謡の一種で、日本では「哀歌」と訳されています。ドゥムキーと聞くと、深い表情のエレジー的な曲調が多いという印象があります。ですから先週かけましたナターシャ・グジーさんのバンドゥーラ弾き語りのウクライナ民謡「バンドゥーラを手にすれば」などは、典型的なドゥムカになると思います。 今日はフランスのOpus111から2000年に出ていた2枚組「ウクライナのドゥムキー」と、フランスのAuvidisの頃のユネスコ・コレクションの「ウクライナの伝統音楽」、ドヴォルザークのピアノトリオ「ドゥムキー」の順にかけてみますが、最初に「ウクライナのドゥムキー」からドゥムカを数曲続けてかけてみましょう。この盤では、1枚目がソプラノ歌手とピアノ伴奏でクラシックになったドゥムカが歌われていて、2枚目は民族音楽のドゥムカが色々と入っておりまして、2枚目を中心にかけます。 まずはバンドゥーラの甘く切ない音色が堪能できるウクライナ民謡変奏曲からです。演奏はKostyantyn Novytskyという人です。 <Kostyantyn Novytsky / Variations on Ukrainian Folk Themes 3分26秒> 次はElizabeta Sobchenkoという女性バンドゥーラ奏者のソロですが、Verkhovynaという、やはりエレジー的な曲で、The World of oursという英訳になっております。 <Elizabeta Sobchenko / Verkhovyna 3分11秒> 「ウクライナのドゥムキー」の2枚目からもう一曲、男性歌手の独唱とバンドゥーラ合唱団の演奏で「風は吹いている」という曲です。バンドゥーラ弾き語りの男性合唱と思われます。哀歌風な曲調が、いかにもドゥムカのイメージです。Valentyn Pyvovarovとウクライナ国立バンドゥーラ合唱団の演奏です。 <Valentyn Pyvovarovとウクライナ国立バンドゥーラ合唱団 / The wind is blowing 4分40秒> 1枚目のソプラノ独唱からも一曲かけておきましょう。オーソドックスなドゥムカを聞いた後なら、クラシックになっていてもドゥムカ本来の哀切さが感じ取れると思います。 <Olga Pasichnyk / Oh,Little Moon, You`d better not shine 3分> Olga and Natalia Pasichnyk - There Stands A High Mountain - Ukrainian Song 他の曲ですが、同じ歌手のyoutubeがありました。 では次に、髭を蓄えたコサックの男性歌手が歌う渋い哀歌風なドゥムカのイメージの曲として、ユネスコ・コレクションの「ウクライナの伝統音楽」から、ボフスラフのマルーシャのドゥーマという曲をかけてみましょう。バンドゥーラの弾き語りでしみじみと歌われる、トルコに捕われたコサックの苦悩を歌った古い悲劇的なドゥーマです。 <F.Jarko / Duma for Marussia of Bohuslav 6分52秒> Дума про Марусю Богуславку (Старовинна українська дума, XVIIст.) では、最後にドヴォルザークのドゥムキーを聞きながら今回はお別れです。この曲はピアノ三重奏のスタイルで書かれています。ピアノトリオの編成は、ピアノとヴァイオリン、チェロの三重奏になります。スーク・トリオの名演で、ヴァイオリンはヨゼフ・スーク、チェロはヨゼフ・フッフロ、ピアノはヤン・パネンカです。この曲は6楽章まであって、全てドゥムカとして作曲されています。全曲は30分を越えますが、今回は第1楽章のみかけます。 ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週 <スーク・トリオ / ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」第1楽章 4分5秒> Beaux Arts Trio plays Dvorak "Dumky" Trio, i スーク・トリオのは見当たらないので、ボザールトリオで。
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