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2017年4月17日 (月)

西ウクライナの音楽

ゼアミdeワールド53回目の放送、日曜夕方に終りました。私は16日夜のローゼン先生のクラスコンサートの打ち上げのため聞けておりませんが、いかがでしたでしょうか。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。youtubeは、フツルのトレンビータ、フツルカ、アルカンを中心に、カルパチアの方はハンガリー側の映像ですが、いくつか上げておきました。

ウクライナ音楽の3回目ですが、今回は西ウクライナの音楽をクローズアップしてみたいと思います。フランスのQuintanaから出ていた「カルパチアの伝統音楽」はタイトル通りで西ウクライナ音楽そのものですが、ユネスコ・コレクションの「ウクライナの伝統音楽」も、聞き返してみると西ウクライナの音源も多く、その華やかさから目立っています。
前々回にかけました美しい合唱音楽がどこで盛んなのかよく分りませんが、おそらく首都のキエフなどウクライナ中部辺りなのかなと思います。東の方ではコサックの音楽がよく知られますが、ポーランド、スロヴァキア、ハンガリーと接する西ウクライナの、特にブコヴィナ地方では、ハンガリーやルーマニアの音楽との類似が見られ、更にユダヤ音楽も少し出て来たり、とても魅力的な音楽の多い所だと思います。
まずは、ユネスコ・コレクションの「ウクライナの伝統音楽」から、「トレンビータの序曲」という曲をどうぞ。

<ユネスコ・コレクション「ウクライナの伝統音楽」 / トレンビータの序曲 54秒>
Hutsul trembitas (alphorns): greeting the shepherds from the highland


強烈な音でびっくりされた方も多いのではと思いますが、この笛は、カルパチア山脈の夏の牧草地ポロニーナに羊を移動させる時に吹き鳴らされてきた長いトレンビータと言うアルペンホルンの一種でした。家畜集めや村人へのシグナル、祭りなどに使われるようです。

次はトランスカルパチア地方の山人たちの舞曲で、打弦楽器のツィンバロム、ヴァイオリン、ソピルカ、トレンビータ、アコーディオンに鞭の音まで入ります。後半の速い踊りはアルカンとかドロボティアンカと呼ばれるものです。ルーマニアのジプシー楽団タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの音楽に近い印象も受けます。

<ユネスコ・コレクション「ウクライナの伝統音楽」 / 羊飼いが出かける 6分32秒>

次はカルパチア山脈のトロイスタ・ムジカによる民族舞曲で、ヴァイオリン、ツィンバロム、バス・ドラムで演じられています。タイトルのフツルカのフツルと言うのは、ウクライナ西部山地のウクライナ系少数民族の名で、地方名でもありまして、フツル人という表記も見かけます。この曲は、フツルに多いルーマニア風のラプソディです。

<ユネスコ・コレクション「ウクライナの伝統音楽」 / フツルカ 4分21秒>
ПЕЧЕНІЖИНСЬКА ГУЦУЛКА. HUTSULKA from PECHENIZHYN.


ユネスコ・コレクション「ウクライナの伝統音楽」の西ウクライナ音源の最後は、アルカンと呼ばれる投げ縄の踊りの曲です。イヴァノ・フランキフスケ地方の民族アンサンブル“ヴェッセルカ”の演奏によるフツル舞曲です。これもルーマニアのジプシー楽団タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの音楽を思い出させます。

<ユネスコ・コレクション「ウクライナの伝統音楽」 / アルカン 3分5秒>
Arkan | Hutsul circle dance | Initiation into warriors | Hutsuls | Ukrainian highlanders


次にQuintanaの「カルパチアの伝統音楽」ですが、この盤では西ウクライナのハンガリー系の音楽が中心になっています。前々回に結婚式のチャールダッシュのヴァイオリン独奏はかけましたので、他のチャールダッシュやその前進の舞曲ヴェルブンコシュをかけてみたいと思います。まずは、マジャール・ヴェルブンクという曲をどうぞ。

<Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Magyar Verbunk 2分4秒>
Szólótánc Gála - Magyar verbunk


ヴェルブンクと言うのは、19世紀前半のハンガリー独立戦争の頃に募兵活動の中で生まれた男性の踊りで、これが基礎になってヴェルブンコシュが生まれ、更にそれが居酒屋(チャールダ)で洗練されてチャールダッシュが生まれたという経緯があります。ヴェルブンクにはヴェルブンコシュになる前の、男性の荒削りな踊りの印象が強く残っているように思います。
次にマジャール・ヴェルブンクに続いてこの盤に入っているジプシーのチャールダッシュをかけてみたいと思います。ほとんど同じ旋律に聞こえますが、こちらではチャールダッシュになっています。

<Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Ciganycsardas 3分22秒>
Zurali Banda- Ciganycsardas


この盤にはユダヤの音楽も入っていましたので、次にマゼルトーフやホラなどのダンス曲をかけてみます。ハンガリー音楽のスタイルに乗せて、特徴的な哀感溢れるユダヤ・メロディがメドレーで出てきます。

<Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Mazeltof 2分37秒>

では、最後にQuintanaの「カルパチアの伝統音楽」のラストを飾っているチャールダッシュを聞きながら今回はお別れです。ヴァイオリン2本、アコーディオンとサックスの四重奏ですが、サックスがハンガリーのクラリネット系管楽器タロガトーのような柔らかく不思議な音色を出しています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Csardasok 2分25秒>

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