最近のМакка Сагаипова
ゼアミdeワールド71回目の放送、水曜夜に終りました。27日18時と30日20時半に再放送があります。先日お知らせしました通り、20日に71回目の内容で放送されなかったので、3回連続になります。宜しければ是非お聞き下さい。土曜は内子座の本番で結構朝早いため、25日金曜はブログアップは難しいかも知れませんm(. .)m 他の曲も後日探してみます。
今回は前に予告しておりましたチェチェンのポップスですが、特によく知られているチェチェン美人の歌姫マッカ・サガイーポヴァの歌声を聞いてみたいと思います。前に「カフカス」という曲をかけましたが、4拍子のように聞こえても、実は一拍がもの凄い速さでタンタタタタと8分の6拍子に分かれていて、まるで入れ子構造のようになっていることを指摘しておきました。これはコーカサス一帯に見られるレズギンカ型のリズムで、胸を打つ哀愁の旋律を支えるこの浮き立つリズムが最大の特徴の一つと言って良いでしょう。これからかける曲にも随所にこのレズギンカのリズムが出てきますので、是非注意して聞いてみて下さい。
彼女のプロフィールを少しご紹介します。1987年にチェチェンの首都グローズヌィに生まれ、6歳で歌い始め、8歳でチェチェンの舞踊団であるロヴザルで踊りも始めています。彼女の父はウマル・サガイーポフという有名なアコーディオン奏者で、以前かけました英Topic Recordsの「チェチェンと北コーカサスの音楽」では、国民的人気歌手のタマラ・ダダシェヴァの伴奏をしておりました。この音源はまた今度かけようと思っております。彼女はその後モスクワ大学で音楽と経済学を学び、現在はモスクワ在住で、ダンスアンサンブルのロヴザルもモスクワに拠点を置いているようです。
ちょうど10年前に当時のベスト盤で彼女の歌声を初めて聞きまして、その頃のZeAmiブログにもアップしましたが、その後はチェチェン出身の富豪マリク・サイドゥラーエフ氏と結婚されて、1年ほど前にはおそらくダウンロードのみと思われるアルバムを何点かリリースされています。これらが以前にも増して素晴らしい歌声でしたので、今日は何曲かかけてみます。余談ですが、マッカという名前は、アラビア語でイスラムの聖地メッカを指します。現在はヒジャブを被った、しとやかなムスリム婦人の装いでアーティスト写真が出ていました。
今回はChechen Singersというチェチェンの14人の歌手を紹介する英文のブックレットを中心に参照しておりますが、大体の内容がウィキペディアの英語版にも転載されているようです。曲名ですが、ロシア語なら和訳も可能ですが、チェチェン語の場合はロシア文字主体ながら特有の文字もあって、その発音が分からないため、推測の表記になっております。
今日は2016年リリースのスボールニク・ルーチシフ・ピーセン(ベストソングコレクション)から数曲ご紹介します。最初の曲は特にレズギンカ・リズムではありませんが、大人っぽいしっとりとした歌声を聞かせて、現在の彼女の姿を彷彿とさせるものがあります。チェチェン語なので読み方と意味が分かりませんが、ホ・ツア・ヴとしておきましょう(笑)
<Макка Сагаипова / Хьо цхьаъ ву 4分12秒>
☆ Макка Cагаипова ☆ ♥ Хьо цхьаъ ву са ♥ 2015 HD
次はレズギンカのリズムがギンギンに出てくるアップテンポの曲です。Ласточка моя(ラストーチカ・マヤ)というのは、「私のツバメ」の意味になります。
<Макка Сагаипова / Ласточка моя 4分41秒>
Макка Сагаипова. "Ласточка"
大体の動画でラストーチカだけになっていて、マヤ(私の)が抜けています。
次は前にもかけました「カフカス」と言う曲ですが、正式名称はРевнивый Кавказとなったようです。直訳すれば「嫉妬のカフカス」となりますが、どういう意味が込められているのでしょうか? レズギンカのリズムがはっきり分かる曲です。この音源は10年前と同じと思われます。
<Макка Сагаипова / Ревнивый Кавказ 3分44秒>
Makka Sagaipova - Ревнивый Кавказ
次のクラスィーヴィー・パレン(Красивый парень)の英訳は「プリティ・ボーイ」となっています。彼女の代表曲の一つで、10年前の盤にも入っておりました。ZeAmiブログでグルジアのパンキシへの移民のバラライカ弾き語りでも聞けた曲です。
<Макка Сагаипова / Красивый парень 3分6秒>
Макка Сагаипова Красивый парень
この曲に関しては、昔の映像ばかりのようです。
次は今回のアルバムで最も強く印象に残った曲です。チェチェンらしい哀感溢れる旋律の曲で、ロシア文字ではナナですが、英語で読んでしまうとハハになってしまいます(笑) 歌詞はチェチェン語のようですが、意味を知りたい一曲です。
<Макка Сагаипова / Нана 4分32秒>
Макка Сагаипова - песня о Маме
チェチェン語でНанаは母の意味でしょうか? (どうやらそのようです)
最後にマッカ・サガイーポヴァのズーリシュカという曲を聞きながら今回はお別れです。最初に聞いた時に何故か耳に残った曲で、やはりレズギンカのリズムですが、残念ながらЗулишкаの意味がはっきり分かりませんでした。似た単語にЗолушкаというのがあって、こちらはウクライナ語でシンデレラの意味でした。果たして同じ意味でしょうか? 来週は更にマッカさんを数曲と、ダゲスタンの歌姫マリナ・ムスタファエヴァをかける予定です。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<Макка Сагаипова / Зулишка 4分30秒 抜粋>
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