Folk Melodies of Daghestan A面
ゼアミdeワールド75回目の放送、日曜夕方に終りました。27日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。メロディアの下記アナログ盤は確かCD化はされてないので、youtubeもなさそうです。とりあえず、クムイクと思われる人々のクムーズの演奏を確認できる動画を上げておきます。トルコ系のクムイク人が何故コーカサス系の曲を中心に弾いているのか、そこも今後の解明したいポイントになります。音楽はコーカサスそのものですが、揃って弾いている様は、イランのクルド人のタンブール合奏にそっくりに見えます。 今回からダゲスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。ダゲスタンと言っても、どこにあるのか分からない方が多いかと思いますが、ロシア連邦に属する北コーカサス諸国の中では一番東のカスピ海側に位置し、90年代初頭のソ連崩壊後に独立したアゼルバイジャンの北側になります。北コーカサス諸国の中では「大国」と言っていい面積を持っています。ダゲスタンの名は、トルコ語で山を意味する"dag"(発音はダーとなりG音は入らない)にペルシア語の地名の接尾辞である"-stan"(スターン)が付いて「山が多い場所(あるいは国)」を意味します。 何回か前にも言いましたが、ダゲスタン国民を構成する主たる10の民族は、コーカサス諸語の民族であるアグール人、アヴァール人、ダルギン人、ラク人、レズギン人、ルトゥル人、タバサラン人、ツァフル人、そしてテュルク(トルコ)系民族はクムイク人とノガイ人になります。 この国の音源は古くはロシアのMelodyaのLP盤がありまして、CD時代になってオランダのPanから一枚出ておりました。欧米盤で出回っているのは、おそらく今でもこの位だと思います。今回はメロディアの貴重音源から、A面の20分余りの数曲をノンストップでかけてみたいと思います。後半のレズギンカのリズムに乗って段々早くなる演奏は特に素晴らしく、スリリングでもあります。ペルシア音楽の影響が強い南のアゼルバイジャンとは異なり、やはりグルジアやチェチェンなどの近隣のコーカサス系の音楽に近い系統になります。 収録曲は、順に古いクムイクの旋律2曲、ダルギンの旋律、クムイクの旋律、古いラクの旋律、チェチェンの旋律、カバルディニアン・レズギンカとなっておりまして、演奏はクムイクの弦楽器クムーズのアンサンブルにカフカス・ドラムが入る編成です。M.Ilyasov率いるグループの演奏です。 <Folk Melodies of Daghestan A面 20分45秒> Агъач-къумуз では最後にこのメロディア盤のB面を聞きながら今回はお別れです。B面には「山並みに沿って」という曲に始まり、古いアヴァールの旋律が4曲、「兵士の手紙」というタイトルのクムイクの歌、古いダルギンの旋律、レズギンの旋律、ラクの旋律と入っております。テュルク系民族クムイクの弦楽器クムーズは、いかにもキルギスタンのコムズなどに繋がる音色でしたが、B面は同じクムーズを使っていてもイラン北西部の音楽にかなり似通った感じから始まります。こちらのクムーズ演奏はRamazan Magomedovという人です。今回は時間までかけて、次回はその続きを聞いてから、PanのCDの方に移りたいと思います。 ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週 <Folk Melodies of Daghestan B面 18分4秒 抜粋>
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