「チェチェンと北コーカサスの音楽」の最後に
ゼアミdeワールド74回目の放送、日曜夕方に終りました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。 17日18時は台風18号で大変な時で、台風情報がラヂバリでも頻繁に流れていましたが、奇跡的に?30分間は出なかったです。かのこさん、ナナさん、台風情報の放送では、大変大変お疲れ様でした。 今回はとことん英Topic Recordsの「チェチェンと北コーカサスの音楽」からご紹介したいと思います。まずは、チェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァの父で著名なアコーディオン奏者のウマル・サガイーポフの伴奏で、女性歌手タマラ・ダダシェヴァが歌う一曲です。タマラ・ダダシェヴァは多くのチェチェン人がスターリンによって強制移住させられた中央アジアのキルギスタン生まれで、30年以上に亘ってチェチェンで最も愛された歌手とのことです。原題のノフチチヨー・ソ・カン・ヨー・ユとは、「チェチニャよ、私はあなたの娘」という内容の望郷の歌です。 <Tamara Dadasheva / Nokhchiychiyo, so khan yoh yu 1分58秒> Nokhchiychyo, So Khan Yo Yu 中央アジアへの強制移住は実質は「追放」で、これからかけます男声合唱の歌は、多数の死者を出した中央アジアでの過酷な生活の中で生き抜いた母親たちに捧げる曲です。大量追放の恐ろしさや窮状の中で子供を育てた母親を称える熱い調べは、伝統的な三声の男声合唱のスタイルになっております。この曲もトピック盤に入っていて、2002年のまだまだ戦火の最中の首都グロズヌイで自主製作されています。タイトルのSan Nana, san Nanaとは、「母へ」という意味になります。 <IIli Male-Voice Ensemble / San Nana, san Nana 4分53秒> 次はサーカシアの西から2番目の国のカラチャイ・チェルケスから、トルコ系のカラチャイの女性独唱です。作曲者自身でもあるリディア・バチャエヴァによるコミカルなラヴ・ソングとのことです。トルコ系的な部分は余り感じられませんが、カラチャイの音源というのはyoutubeはいくらかあっても、CDでは私はこちらしか知りません。ですので貴重な音源ということにはなろうかと思います。 <Lydia Bachaeva / Djuldouz 2分52秒> 次も独唱ですが、次回に予定しているダゲスタンの民謡が一曲だけトピック盤に入っておりますので、その曲をかけてみます。こちらも男性歌手による独唱で、この一種演劇的な歌唱は、ダゲスタン民謡としては異色な曲のようにも思います。 <Shirvani Chalaev / Barkhaldal Doldiban 2分38秒> この盤にはカバルダの弦楽器の曲も一曲入っておりますので、序にかけておきます。ギリシアのリラにも似た細長い擦弦楽器shichepshinと笛のデュオで、Kurashaというカバルド民謡に基づいているそうです。言うまでもなく、カバルド或いはカバルダは、アディゲのエスニック・サブ・グループです。 <Zuber Ivazov etc. / Kabardian Dance Tune 3分12秒> Zuber Ivazov - Kabardian dance tune では最後にトピック盤の最後を飾っている女性独唱を聞きながら今回はお別れです。1986年生まれで録音当時二十歳とは思えない若い女性歌手によって歌われるこの歌も、切ない望郷の絶唱として聞ける一曲です。彼女はダイモク・アンサンブルのソロ歌手なので、この切実さも納得です。 1分程の短い曲ですので、時間が余りましたらその後には、まだかけてなかったアンサンブル・アズナシのダイモクで締めたいと思います。チェチェン語のダイモクとは「祖国」の意味で、同じタイトルの歌をこれまで何人かの歌手でかけましたが、遂に真打登場と言った所です。次回は本格的にダゲスタンに向かいます。 ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週 <Aminat Akhmadova / Daimokuam Biezam (Love for the fatherland) 1分21秒> Love for the Fatherland <Aznach Ensemble / Daimohk 2分46秒>
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