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2017年11月 8日 (水)

ウビフの踊り

既に北コーカサスの音楽巡りは一通り終えてグルジアに入っている訳ですが、とても気になる映像を先日見つけておりました。ウビフ人と言えば、「アブハズ人、アディゲ人、チェルケス人、オセット人、ウビフ人などの北コーカサス諸民族には、ナルト叙事詩という古い語り物がありまして」云々と先日の放送で話し、ブログにも上げましたが、ウビフについては、確かに北西コーカサス語族(アブハズ・アディゲ諸語)の一つではあっても、「もとは黒海北部沿岸のソチの付近に住んでいたが、1875年ごろにトルコに移住し、1992年10月7日、ウビフ語の最後の話者であったテヴフィク・エセンチ(Tevfik Esenç)が死去し、ウビフ語は死滅した。」とウィキペディアにもあるように、死語になっている言葉。ですから、現代のウビフ舞踊などというのも見るのは難しいはずですが、ここで演じているのは、Malyenkii Djigit folk dansing ensembleというカバルダの舞踊団で(Zalukoquazheと言うのは地名?)、音楽はアディゲの舞踊団ナルメスが付けて、復活蘇演している映像のようです。ウビフ語については、クロード・レヴィ=ストロースの構造主義に大きな影響を与えたフランスの言語学者ジョルジュ・デュメジルがウビフ語の研究を行ったことで、一部では知られていると思います。世界でもっとも多くの子音を持つ言語であると考えられ、母音は2つしかないという、特異な言語とのこと。アディゲとカバルダの共同作業は、どこか中東的な装いに見えますが、やはりトルコ移住後の踊りを想定してのことでしょうか。

Ubyh dance - Убыхский танец.m2ts

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