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2017年12月11日 (月)

SONGS OF SURVIVAL: Traditional Music of Georgia -1

ゼアミdeワールド86回目の放送、日曜夕方に終りました。13日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今日は動画の見つかった2曲だけアップしました。ギター伴奏の曲は、また後日探してみます。

グルジア音楽の6回目です。今回は、数年前に売り切ってしまってからは廃盤との情報がありました2007年リリースの英Topic Recordsの2枚組「グルジアの伝統音楽 (2CD) SONGS OF SURVIVAL: Traditional Music of Georgia」を何とか再び手に入れましたので、この中からかいつまんでご紹介したいと思います。
多声の男声合唱は勿論、名曲「スリコ」、ヴェテラン女性歌手レラ・タタライゼの歌から、グルジア正教の宗教歌まで、多様なグルジアの歌を多角的に追った内容で、1枚目には.仕事歌、哀歌、祝い歌が入っております。演奏はSoinari Ensemble, Kesane Quartet, Mzetamze Ensemble, Tsinandali Ensemble, Georgian Voices, Lela Tataraidze, New Mtiebi Ensemble etc. となっております。
2枚目は、季節の歌、宗教歌、家族の生活の歌となっておりまして、演奏はSt.Panteleimon Chanters, Georgian Voices, Mtiebi Choir, Jokia Gugava, Kesane Quartet, Detsishi Ensemble, Zedashe Ensemble, Sioni Cathedral Choir, Soinari Ensemble etc. と、沢山のグループが登場します。
この盤には現代イギリスの二人の著名な作曲家が評を寄せておりまして、ギャヴィン・ブライヤーズは、「グルジア人はおそらく世界中で最も音楽的な人々である。ここでは、プロフェッショナルとアマチュアの差は無意味である。 結婚式の歌、子守歌、または不協和音の宗教的な歌であろうと、どこでも驚くほど美しい3パートのヴォーカル・ポリフォニーが見つかる。」このように語っています。
ミニマル・ミュージックの著名な作曲家マイケル・ナイマンは「録音・制作者のマイケル・チャーチは献身的な研究と社会的責任感を兼ね備えている」と賛辞を送っています。

この2枚組には実に色々な音楽が入っていますが、これまでかけてなかったようなタイプの曲を聞いて行きたいと思います。
ゼアミブログの方で一足先にかけましたベテラン女性歌手レラ・タタライゼの自作パンドゥリ弾き語り曲をまず一曲どうぞ。広いヴィブラートをかけた余韻を残す歌い方とリズムは、彼女の出身地であるグルジア東北部のトゥシェティ地方のスタイルを反映しているようです。歌詞内容は「彼女の恋人と結婚することで両親の希望に反することを敢えてしない女性の愚かな歌」と解説にありました。この人の演奏には、どこか中央アジア的な感じがあります。

<14 Lela Tataraidze / Vertskhlis Tasadamts Maktsia 2分47秒>
アップされていますが、本国で動画はブロックされているようです。

次もレラ・タタライゼの曲で「朝もや」というタイトルですが、演奏しているのは彼女の姉妹のエテル・タタライゼ率いるケサネ・カルテットです。トゥシェティ地方の春と景色の美しさにインスパイアされた曲とのことです。この曲もトゥシェティのすぐ近くの、ダゲスタンのアヴァールの歌などにそっくりに聞こえます。

<15 Kesane Quartet / Janghi (Morning Mist) 2分41秒>
Красиво поют! Lela tataraidze Jangi tushuri

先日アップしましたが、この曲にはこのライブ映像がありました。実に味わい深い演奏です。多分トピック盤の音源はやはりブロックされていると思います。

1枚目の14曲目からかけ始めましたが、2曲飛んで今度は18曲目です。南西部アチャラ、東北部トゥシェティの歌に続いて同じく女性アンサンブルのケサネ・カルテットの演奏ですが、ここで演奏されているのは東部ではなく黒海に面した西部グルジアのグリア地方の民謡で、4弦のチョングリ伴奏です。裏声のクリマンチュリの本場ですが、こういうしっとりした趣きもグリアの歌にはあります。メロディラインがいかにもグリアだ、と色々聞いてくると分かって来ます。

<18 Kesane Quartet / Mival Guriashi (I am going to Guria) 2分29秒>
The Rustavi Choir - Mival Guriashi (Going to Guria) 1989

ケサネ・カルテットでは無さそうですが、ルスタヴィ合唱団のアメリカNonesuch盤の音源がありました。この曲は他にも動画がたくさんありました。

19曲目もケサネ・カルテットの演奏ですが、ここではグリア地方の北に位置するグルジア西部ミングレリア地方の民謡で、ヨーロッパ的あるいは地中海的なハーモニーが聞こえてきて、すぐ隣なのにグリアの民謡とは全く対照的なように思います。

<19 Kesane Quartet / Pot-Pourri  2分39秒>

次は25曲目ですが、打って変わって、前々回かけたZamtariaのような、男性ポリフォニー歌手がギター伴奏で優しくファルセットで歌う、どこか地中海的ハーモニーにも聞こえるMepis Qaliという曲です。Theatre University Quartetの演奏です。

<25 Theatre University Quartet / Mepis Qali(The King`s Daughter) 3分31秒>

そして26曲目には、本格的なグルジアの男声合唱を聞かせるグループのジョージアン・ヴォイスが、ここではギター伴奏でスリコを歌っています。間違いなくグルジアで一番有名な歌で、1895年にグルジアの詩人Akaki Tsereteliによって書かれた愛の詩に、Varinka Tsereteliによってこの美しいメロディが付けられてから、ロシア~ソ連を越えて世界中で知られるようになりました。恐怖政治を敷いたスターリンも愛好していたそうです。

<26 Georgian Voices / Suliko 2分10秒>

1枚目のラスト、27曲目もジョージアン・ヴォイスの歌唱でSaqartvelo Lamazo(美しいグルジア)で締めています。この曲もギター伴奏の非常に美しい曲と歌唱です。

<27 Georgian Voices / Saqartvelo Lamazo 3分4秒>

では最後に24曲目に戻りまして、同じくジョージアン・ヴォイスの演奏ですが、今度はオーソドックスなグルジアの男性合唱を聴きながら今回はお別れです。ヨーデルのようなクリマンチュリの入った非常に難度の高いグリア地方の仕事歌のようです。
次回はクリスマスも近づきますので、英Topic Records盤2枚目のグルジア正教の宗教歌を中心に聞いて行きたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<24 Georgian Voices / Shemoqmedura 4分39秒>

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