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2018年1月22日 (月)

I Will Not Be Sad In This World

ゼアミdeワールド92回目の放送、日曜夕方に終りました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。先週はばたばたで、金曜にブログアップした後、トップの変更も出来ずでした。

アルメニア音楽の2回目は、アルメニアの代表的な民族楽器ドゥドゥクの名手で、アルメニアの至宝とも呼ばれるジヴァン・ガスパリアンの名演をご紹介したいと思います。ダブルリード管楽器と言うと、西洋のオーボエや日本の雅楽に用いられる篳篥、中東のズルナ、中国のチャルメラなどがありますが、ドゥドゥクのような全くけたたましくなく柔かい音色を持っているダブルリードの笛は、トルコのメイなど、余り他にはないと思います。実は私はメイ(葦笛ネイではなく)はもっておりますが、なかなか音出しが難しく、ガスパリアンのように音をコントロールするのは神業に近いことが吹いてみてよく分かりました。ドゥドゥクの柔かく美しい音色の秘密は、杏の木で出来ていることにもあるのかも知れません。

前回アルメニアとその音楽について概要を色々お話しましたので、今回は「世界で最も悲しい音色の笛」とも呼ばれるドゥドゥクの瞑想的な深い音色を続けてご紹介します。おかけするのは1983年初出の露Melodiya音源からのライセンスでアメリカのWarner Bros.(OPAL)から1989年にリリースされた盤で、タイトルはI Will Not Be Sad In This Worldです。この盤も現在は廃盤ですが、どこかから再発されていたようにも思います。演奏はドゥドゥクのソロがDjivan Gasparyan、バックで静かに吹かれている持続音のドローン・ドゥドゥク(アルメニア語でdum)がVachagan Avakianです。アルメニア民族の悲劇の歴史を表すかのような悲哀に満ちた音色をたっぷりご堪能下さい。終わり近くになりましたら、また曲目ご紹介で出てきます。

Djivan Gasparyan / I Will Not Be Sad In This World

1 A Cool Wind Is Blowing 4分3秒
2 Brother Hunter 4分7秒
3 Look Here My Dear (Album Version) 4分6秒
4 I Will Not Be Sad In This World (Album Version) 6分18秒

Djivan Gasparyan - I Will Not Be Sad In This World


以上4曲続けて聞いて頂きました。
この盤には解説がほとんどないので詳細は不明で、アメリカ盤のため曲名も全て英語になっておりますが、その内容はアルメニアの吟遊詩人サヤト・ノヴァの曲などを演奏しているようです。ジヴァン・ガスパリアンは、これまでに『グラディエーター』『最後の誘惑』といった映画音楽においても演奏を披露していますし、ジャパンのリーダーだったDavid Sylvianの1999年のアルバムDead Bees On A Cakeにゲストで出ていることを今回調べていて初めて知りました。次回以降に、ペルシア古典音楽の巨匠ホセイン・アリザーデとジヴァン・ガスパリアンの共演盤/Endless Visionもご紹介する予定です。
この後の5曲目を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

5 Little Flower Garden (Album Version) 5分4秒

Djivan Gasparyan - I will not be sad in this world (1989) [Full Album]

廃盤音源だからでしょうか、全曲アップされていました。

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