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2018年2月 5日 (月)

グルジェフの音楽

ゼアミdeワールド94回目の放送、日曜夕方に終りました。7日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。クレムスキの3集とデ・ハルトマンの音源は全て上がっていました。どちらもCDは現在入手不可だと思います。キース・ジャレット盤は現役だと思いますから、おそらくyoutubeは無しだと思います。先週は4日の今治総合芸能祭の本番に向けてブログアップも出来ずでした。

アルメニア音楽の4回目になります。アルメニア音楽として取り上げるべきかどうかとも思いましたが、神秘思想家グルジェフの音楽はどこかで取り上げたいと思っておりました。グルジェフがピアノを1本指で、または口笛で旋律を示し、弟子の作曲家トマス・デ・ハルトマンが編曲し曲に仕上げたというその静謐で物悲しい音楽には、アルメニアの正教聖歌を中心に、様々な文化の坩堝であるコーカサスから中東の雰囲気がはっきり現われているエキゾチックな曲が数多くあります。作風の違いからいくつかに大別され、「アジアの歌と踊り」(エスニック系の作品集)、「聖歌」(キリスト教系の作品集)、「ダルヴィッシュの儀式」(スーフィ系の作品集)などに分れるようです。
ゲオルギー・イヴァノヴィッチ・グルジェフ (1866?-1949) は、ギリシア系の父とアルメニア系の母のもとに当時ロシア領であったアルメニアに生まれ、人間の生の意味にかかわる根源的な問題への答えを求めてその前半生の約20年を東洋の辺境をめぐる探求の旅に費やし、その後はロシア、フランス、アメリカにて活動を展開しました。東洋の辺境を巡った前半生については、ピーター・ブルック監督が1979年に映画『注目すべき人々との出会い』を制作し、トルコのネイ奏者クドゥシ・エルグネルやアカ・ギュンドゥズ・クトバイなど、後のワールドミュージックブームを牽引した演奏家も出演していました。
グルジェフは、著作・音楽・舞踏という三つの芸術形式により、人間と宇宙に関する普遍的な理解を後代に伝え、直接学んだ人たちの中には、建築家のフランク・ロイド・ライトや小説家のキャサリン・マンスフィールドなど錚々たる名前が上がっています。
その影響下にある文化人は数知れず、匿名希望も多いそうですが、その中でジャズ・ピアニストのキース・ジャレットはグルジェフへの敬愛を隠さず、ECMから「祈り~グルジェフの世界」(Sacred Hymns)をリリースしています。グルジェフのピアノ曲の録音は、他には弟子のトマス・デ・ハルトマン自身の3枚組を初め、セシル・ライルや映画『注目すべき人々との出会い』の音楽監督のアラン・クレムスキなどのCDがリリースされています。

まずは、キース・ジャレットの演奏で、「7の法則」やエニアグラムと並んでグルジェフの思想で有名な「3の法則」を曲にしたと思われる一曲からどうぞ。

<12 キース・ジャレット / 祈り~グルジェフの世界 ~聖なる肯定、聖なる否定、聖なる和解 4分12秒>

もう一曲、「キリスト復活の物語」と言う曲も、キース・ジャレットでどうぞ。

<11 キース・ジャレット / 祈り~グルジェフの世界 ~キリスト復活の物語 1分39秒>

「キリスト復活の物語」と同じ曲が、アラン・クレムスキ盤ではHymnとなっています。映画「注目すべき人々との出会い」の音楽担当らしい幻想的な音色を聞かせます。彼のグルジェフ・シリーズを3と6集だけ持っていますが、12枚出ていたことを今回初めて知りました。

<1 Gurdjieff,De Hartmann-3 / Alain Kremski ~Hymn 2分24秒>
Gurdjieff - De Hartmann Vol 03: Recit de la resurrection du Christ, Alain Kremski


続いて、先ほどキース・ジャレットで聞いて頂いた「3の法則」を曲にしたような同じ曲が、クレムスキの演奏ではSaint Affirmationというタイトルで出てきます。比較でかけたいと思います。

<2 Gurdjieff,De Hartmann-3 / Alain Kremski ~Saint Affirmation 4分23秒>

この曲はどの演奏にも入っている最重要曲のようですので、グルジェフの弟子のデ・ハルトマンの演奏でも聞いてみたいと思います。彼の3枚組では1枚目の1曲目に入っています。

<1-1 Music of Gurdjieff and De Hartmann / Thomas De Hartmann ~Holy Affirming, Holy Denying, Holy Reconciling 4分14秒>
01 - Holy Affirming, Holy Denying, Holy Reconciling


「3の法則」など、グルジェフの思想については、ここではお話しする時間もありませんので、ご興味のある方はウィキペディアをご覧ください。結構詳しく出ていました。

デ・ハルトマンの演奏には、キース・ジャレットやアラン・クレムスキの演奏では聞けなかった中東各地のメロディを取り入れた曲も豊富に入っておりますので、それらの中から中東の旋法そのもののタイトルのバヤーティと言う曲を同じくデ・ハルトマンの演奏でおかけします。余談ですが、映画「注目すべき人々との出会い」のラストに出てくる神聖舞踏の太鼓は、イランのトンバクで、この番組テーマ曲の最初に出てくる太鼓と同じです。

時間が余りましたら、イエス・キリストや洗礼者ヨハネが属していたという説もあるユダヤ教の一派、エッセネ派の聖歌と題する曲がありますので、後でかけます。死海文書が発見されたのは1947年ですので、1949年にグルジェフが亡くなる2年前と言うことで、最晩年の曲かも知れません。

これらの曲を聞きながら今回はお別れです。
 
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-14 Music of Gurdjieff and De Hartmann / Thomas De Hartmann ~Bayaty 3分35秒>
<1-11 Music of Gurdjieff and De Hartmann / Thomas De Hartmann ~Essene Hymn 5分10秒 抜粋>

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コメント

こんにちは。
今回の放送で初めてグルジェフという人物を知りました。
聴き比べもおもしろかったです。

そして調べていると、「The Gurdjieff Folk Instruments Ensemble
」(または「The Gurdjieff Ensemble
」)というグループがあり、
グルジェフを取り上げたアルバムと、コミタスを取り上げたアルバムとをECMから出しているようですね。
どちらも興味深いです(僕はSpotifyで聴いています)。

調べれば調べるほどに数珠つなぎのように新たな発見がありますが、その最初のきっかけを与えてくださるのは近藤様です。
いつもありがとうございます。

投稿: たこ | 2018年2月 7日 (水) 21時35分

この次の投稿記事でThe Gurdjieff Ensembleについても紹介なさっていますね。
気付くのが遅かったです、失礼いたしました…。

投稿: たこ | 2018年2月 7日 (水) 22時48分

たこ様
いつも有難うございます。グルジェフ・アンサンブルについては、今日のブログに書きました。まだ色々聞けてはいませんが、グルジェフの音楽は結局正教的な部分が一番の要かもと思いますし、このアンサンブルが取り上げるようなオリエンタルな側面ばかりではないので、正教的な音楽を彼らがどうやっているのか、興味深いです。
前回の放送では、「3の法則」の曲を3種かけて、さすがにくどいかなと思いましたが、この重要曲を印象付けるには良かったかなと思っています。

投稿: ほまーゆん | 2018年2月 7日 (水) 23時11分

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