バーラム・マンスロフのタール
先回りして往年のアゼルバイジャンのタール名人バーラム・マンスロフの演奏の入った映像がありましたので、見てみたいと思います。14日の収録では、マリク・マンスロフのブダ盤と同じ内容のイラン盤と、バーラム・マンスロフのシャン・デュ・モンド盤の独奏をかけました。派手なマリク氏に対して、淡々としているように聞こえるバーラム翁ですが、これがよく聞くととても味わい深い演奏です。哀感溢れるホマーユンの副旋法のようなシューシタリーなのに、陰陽がいつの間にか入れ替わるのは、古い時期の音曲においては洋の東西を問わないのかも知れません。この人の録音は、他にはLPの頃のオランダPhilipsからのユネスコ・コレクションにあった位でしょうか。美声の歌手Mutallim Mutallimovのダフ叩き歌いと、タラト・バクハノフのケマンチェを両サイドに従えています。しかも、曲目はバヤーテ・シーラーズ。ハビル・アリエフの演奏とは異なる旋律ですが、確かに似た雰囲気。バーラム翁は1911年生まれですから、1970年前後くらいの演奏でしょうか。彼の動画があれば見たいものですが、今の所見当たりません。
Mutallim Mutallimov - "Bayati-Shiraz"
| 固定リンク
「コーカサス (カフカス)」カテゴリの記事
- Trio Mandili - Hey sokoły! (Polish folk song)(2024.01.04)
- トリオ・マンディリによる詩篇唱(2023.12.28)
- 仮面舞踏会とレズギンカ(2022.02.17)
- 現代コーカサスの音楽文化とその概要(2021.08.31)
- バレエ「ガイーヌ」の自作自演(2020.06.24)
コメント