« アルメニアとアゼルバイジャンのバヤーティ | トップページ | ケマンチェ聞き比べ アルメニア、アゼルバイジャン、イラン »

2018年3月 5日 (月)

ホヴァネスのエチミアジン交響曲 アルメニア中世の聖歌

ゼアミdeワールド98回目の放送、日曜夕方に終りました。7日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。イースターの歌は、また後日探してみます。

アルメニア音楽の8回目になります。今回は現代アメリカのアルメニア系作曲家アラン・ホヴァネスの音楽をメインに、先週取り上げましたオコラ盤のアルメニア教会宗教歌を併せてご紹介したいと思います。
アラン・ホヴァネスと言えば、私が90年頃に勤めていた池袋の店で、アルメニア教会の三角屋根のジャケットのLPがとても気になり、社販で購入したのが最初の出会いでした。それはアメリカのクリスタル・レコーズというレーベルのポセイドン・ソサエティー・シリーズで、ホヴァネスの作品集の一枚でした。彼は1911年生まれ2000年没ですから、前衛作曲家のジョン・ケージと変わらない世代ですが、前衛には向かわず、自身のアルメニアのルーツを初め、インド音楽や日本の雅楽などの世界中の伝統音楽からの影響を作品に反映させた独自の作風で知られています。1940年から10年間、マサチューセッツ州のアルメニア教会のオルガニストを務めたそうで、そういう経験も彼の芳醇なアルメニア的な旋律の秘密ではと思います。変り種では、中世イランの詩人オマル・ハイヤームの四行詩、ルバイヤートに付けた曲などもありました。余談ですが、ホヴァネスという名前は、「ヨハネス」のアルメニア語読みというのをどこかで読んだ記憶があります。
今回はアルメニア教会の総本山であるエチミアジンを主題にした交響曲第21番「エチミアジン」から、まず第1楽章のアンダンテ・マエストーソをお聞き下さい。ティンパニと鐘の音が神聖な雰囲気を醸し出し、アルメニアらしいエキゾチックな旋律がその上で奏でられます。ポセイドン・ソサエティーと同じ録音で、ホヴァネス自身の指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

<1 Symphony No.21 Etchmiadzin / Andante Maestoso 5分46秒>
Alan Hovhaness : Symphony No. 21 'Etchmiadzin' Op. 234 (1968)


この曲は3楽章構成で、第2楽章を飛ばして第3楽章の途中までになりますが、聞いて頂きましょう。前にDivine Liturgyというコミタスの宗教歌の盤で聞いたのと似たエキゾチックな旋律が出てきます。後半は「ノアの箱舟伝説」で有名なアルメニアのシンボルのアララト山をイメージしているようです。

<3 Symphony No.21 Etchmiadzin / Introduction 8分59秒 抜粋 5分位>

では、後半は前回も取り上げましたオコラの「アルメニアの中世の宗教歌と器楽」から、冒頭の3曲以外の中から抜粋してご紹介します。まずはイースター(復活祭)の聖歌を4曲続けてお聞き下さい。何と8世紀頃にStepannos Sunetziという人によって作曲された曲とのことです。千年以上前の曲を歌うのは、冒頭の3曲と同じくEmma Dzadourian指揮の男声合唱です。

Armenie 1:Chants Liturgiques du Moyen Age et Musique Instrumentaleから

<4 Zor Intreats (And Having Eaten - Maundy Thursday Canticle) 1分48秒>
<5 Orhneszuk Zter (Praise The Lord!) 主を讃えよ 1分46秒>
<6 Sa E Bann Astuats (It Is God Himself) それは神自身 1分6秒>
<7 Ognagan Induneli Egher (Accept My Prayer, Oh God) 私の祈りを受け入れて下さい、神よ 1分35秒>

アルメニアには古くから独唱の伝統もあって、グルジェフの伝記映画「注目すべき人々との出会い」の中では東欧系ユダヤのイディッシュ・ソングの歌い手として有名なBen Zimetが歌っていましたが、オコラ盤には女性歌手ルシネ・ザカリアンの印象的な歌唱が入っておりますので、その中からHavoun, Havounという曲をおかけします。この歌も非常に古く、10世紀のGrigor Narekatsiという人が作曲したそうです。

<11 Loussine Zakarian / Havoun, Havoun 4分8秒>
NAREGATSI " HAVOUN HAVOUN"/ LUSINE ZAKARYAN

こちらはオーケストラ伴奏付き

では最後にAman, Hayr Sourp (Amen, The Father Is Holy)という曲を聞きながら今回はお別れです。この曲はNerces le Gracieux(1856-1905)という、おそらくフランス語圏のアルメニア人作曲家と思われる人の書いた曲で、19世紀末頃の美しい聖歌です。歌唱はEmma Dzadourian指揮の男声合唱です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<15 Aman, Hayr Sourp (Amen, The Father Is Holy) 5分36秒>
  Lusine Zakaryan, Amen Hayr Yev Sourp

ルシネ・ザカリアンの歌唱でこの曲がありました。

|

« アルメニアとアゼルバイジャンのバヤーティ | トップページ | ケマンチェ聞き比べ アルメニア、アゼルバイジャン、イラン »

コーカサス (カフカス)」カテゴリの記事

ゼアミdeワールド」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ホヴァネスのエチミアジン交響曲 アルメニア中世の聖歌:

« アルメニアとアゼルバイジャンのバヤーティ | トップページ | ケマンチェ聞き比べ アルメニア、アゼルバイジャン、イラン »